華やかな応援で見る人に元気と勇気を与える、チアリーディング。女子のイメージが強いこの競技だが、たった１人奮闘する「チア男子」がいる。広島県の瀬戸内高校チアリーディング部「ＴＷＩＮＫＬＥＳ」は２０１４年に発足したばかりの新しいチームで、部員は３５人。その中の唯一の男子メンバーが三村亮君、１７歳である。三村君は小学生の時から続けてきたバスケットボールの推薦で瀬戸内高校に入学するも、ケガがきっかけで部活から遠ざかる。そんな時、三村君の担任で、チアリーディング部の顧問でもあった山下裕美先生に声をかけられ、筋力トレーニングのためにチアリーディング部の練習に参加したことをきっかけに入部することに。しかし、女子ばかりの部に悪戦苦闘。それでも１年間努力してチームに溶け込み、ムードメーカーとなった三村君は今やチームに欠かせない存在になった。三村君とチームが挑むのは夏の全国大会。目指すのは、初めての決勝進出。そして大会本番、チームは準決勝の大一番に臨む。

二度の震度７が襲った２０１６年４月の熊本地震から３年。被災地が少しずつ復旧に向かう中で、元通りの復興を断念したのが“学生村”と呼ばれた集落だ。かつて南阿蘇村黒川地区には東海大学阿蘇キャンパスの学生８００人が暮らし、下宿の大家さんら地域住民と家族同様の交流があった。この“学生村”は熊本地震で大きく変わった。地震によって多くの下宿が倒壊し、キャンパスは閉鎖され、学生は村を離れた。しかし学生たちは南阿蘇に通って住民と交流を続けた。そして熊本地震のことを語り継ぐ、語り部活動を行ってきた。語り部の学生たちは大学卒業を前に、その活動を“地震を知らない”後輩に託した。「私たちに語ることができるのか」という葛藤がありながら、後輩たちは語ることを決めた。その背景にある思いと、先輩から後輩へと語り継ぐ姿を追う。

ある地方都市で大量発生したゾンビにアラサー女子とその仲間たちが立ち向かう。戦いの渦中、彼女たちの隠されていた欲望がいびつな形でうごめき出す。ゾンビを現代に生きる人々の危機や不安の象徴ととらえ、現代日本の諸問題をあぶりだす社会派ブラックコメディー。作：櫻井智也。（２０１９年１月１９日～３月９日放送、全８回）◆第１回。みずほ（石橋菜津美）は地元で結婚したが、浮気され別居。今は生きる目標もなく、ただ何となく日々を過ごすアラサー女子である。地元の同級生・柚木（土村芳）と美佐江（瀧内公美）と一つ屋根の下で暮らしている。テレビで近所の施設が炎上したというニュースが流れるが、３人はたわいのない会話に夢中で気にも留めない。しかしその頃、町ではゾンビのようなものが発生し、住人を襲い始めていた。壊れていく日常、その異変に気づかないみずほは、別居中の夫と離婚の話し合いをするため家を出るが…。◆解説副音声あり

メ～テレ制作「名古屋行き最終列車」第７シーズン。名古屋行き最終列車に乗車する人々の人生の機微を優しく温かい目線でドラマチックに表現する連作オムニバスドラマ。作：菊原共基。（２０１９年１月１５日～３月２６日放送、全１０回）◆第８回。高校３年生同士で付き合っている陽介（岡山天音）と愛子（日比美思）。ゴルフ部でスポーツ推薦が決まっている愛子に対して、受験を控えている陽介だったが、どこか緊張感が無い。そんな陽介を案じた愛子は、受験が終わるまでは会わないと宣言。会いたい気持ちを我慢するのも、すべては恋人・陽介の合格を願ってのことだったが、愛子はある日他の女性と一緒にいる陽介を目撃してしまう。

西村和也さんは重要文化財を３Ｄスキャナーでデータ化し、それを文化財保全に生かそうとしている。元々、西村さんは橋などの構造物調査の仕事をしていた。しかし３年前、熊本地震で自宅は全壊。多くを失った時に、阿蘇神社が被災して復旧が難しいというニュースを目にする。歴史ある建造物は、その古さ故、設計図などが残っていないケースもある。そのため、震災からの復旧は写真を手掛かりにすることになる。それを知った西村さんは３Ｄの技術が文化財保全に役立てられるのではと今の事業をスタートさせた。３Ｄデータの誤差は１ミリ以下。一度、計測してしまえば、データ上のいかなる部分の寸法も知ることができる。この正確さを生かし、地震や火災といった万が一に備え文化財のデータ化を進めているのだ。その技術は、多くの世界的文化財が存在する京都でも活用されている。日本が世界に誇る国宝級の文化財を守る、西村さんの挑戦を追った。

羊角湾に囲まれた天草市の崎津集落は、２０１８年７月に世界文化遺産に登録された。港のほとりにたたずむ崎津教会には、ここで暮らすキリスト教の信者が集まり、毎日祈りを捧げている。禁教の時代、この地では隠れながらも信仰を続けた潜伏キリシタンがいた。集落の中には今も独自の信仰を続けた証が残され、生活の中にも息づいている。小さな漁村が育んだ信仰の歴史。その歴史を守り継ぐ住民の営みをみつめる。

虚無感を抱えて生きるクズ男が、無意識のうちに男をひどい状況へと導く女と出会い、破滅へと向かっていく。原作：星里もちる、脚本：三谷伸太朗。（２０１９年１０月１５日～１２月１７日放送、全１０回）◆第６回。辻（森崎ウィン）は、細川（石橋けい）との将来を考え始めたかに見えたが、実際は心ここにあらずだった。そんな折、辻は脇田（北村有起哉）の紹介で会った女性（阿部純子）から、浮世（土村芳）の結婚の裏側を聞く。またも浮世に心を奪われ、裏切りの言葉を口にする辻に、細川は怒って包丁を持ち出す。

「多額の赤字がある」と徳島市長が問題視したのは阿波踊りが抱えていた４億円の累積赤字だった。徳島市は阿波踊りを主催してきた徳島市観光協会の破産を申し立てたが、踊りグループの団体「阿波おどり振興協会」の強い反発を招く。新たな阿波おどり実行委員会も運営改革を打ち出すが、対立は深まるばかり。歩みよりの姿勢を見せないまま迎えた阿波踊り本番で、振興協会は「禁じられた総踊り」を強行するに至り、祭りの興奮とともにその対立も頂点に達した。対立は避けられなかったのか、眉を顰める市民も多い。平成最後の徳島市の阿波踊りで起きた混乱。令和最初の阿波踊りまで３か月を切った今、改めて去年の経緯を振り返り、阿波踊りの在り方を考える。