テレビ・ラジオで放送された番組・CM4万本以上を視聴できるほか、展示やイベントを通じて放送の今と昔を学べます。 入館無料

videocam
ニュース映画

毎日世界ニュース 406 ゆらぐ専売制度

番組ID
N00774
※放送ライブラリーの視聴ブースでは、番組IDを入力することで、簡単に番組を選べます。
上映日
1959年05月20日(水)
時間(秒)
136
カテゴリ
科学・技術・産業
概要
瀬戸内海沿岸では流下式という新しい製法を取り入れて、塩の生産はようやく最盛期に入ろうとしているが、一方では、塩の生産過剰のため、整理の対象となった弱小塩田は、今途方に暮れている。伊達政宗の時代から300年の歴史を持つ、宮城県の渡波塩田もその一つ。入浜式という昔ながらの製法では、コストが高くついて外国から安く入る塩に太刀打ち出来なくなったのである。戦後塩不足の時代、増産また増産に追われたのも今は昔の夢。再建も補償もメドがつかぬまま、塩を炊くカマドの火は絶えて、塩田はペンペン草の生え放題。見捨てられてゆく弱小塩田の悲哀である。一方、アルコールは需要減のため、宮崎県の小林工場は経営合理化のため民間払下げと決定。120名の従業員たちは死活問題だけに払下げ絶対反対。市役所に陳情に押し掛けて深刻な表情だ。同じ民間払下げの悩みを持つ福岡の国鉄志免炭鉱の従業員たちも、応援に駆けつけ、払下げ反対の共同闘争を打ち出した。その場へ視察に現れた通産局の役人が、写真を撮ったというのでフィルムを巻き上げられる始末。赤字を抱えた専売制度の危機は、経営合理化の名のもとに、こうした弱小企業へのシワヨセとなって表われて来たようである。

同じ年代の公開番組

毎日世界ニュース 426 救援を待つ災害地

次第に明らかになっていく伊勢湾台風(台風15号)の被害状況。奈良県吉野郡川上村では山津波で54人が生き埋めとなり、救出作業は困難を極め土砂にのまれた人々の生命は、全く絶望視されている。伊勢神宮では樹齢8百年を超す神木が根こそぎに倒されて、復旧作業に初めて神域にクレーン車が入った。あれから一週間、依然泥海に孤立したままの中京地方では、ついに大切な土地家屋を捨てて、被災者たちが危険を冒して続々と舟や車で集団避難を開始。しかし、衰えを見せぬ濁流にもまれて、自衛隊の救出作業もなかなかはかどらず、空からは日米40機のヘリコプターが出動、人々は着のみ着のまま恐怖におののきながら避難所へ運ばれて行く。国道にも延々と避難者の列が続いている。一方、全国からの救援物資もようやく到着、地元高校生の勤労奉仕で災害地へ向けて食糧のピストン輸送が始まったが、救援物資を積んだ車が至る所で立ち往生。やっと届いた物資も、現地ではわずかに握り飯と、キャベツ1個に水1升の配給というわびしさだ。それでも久しぶりにありついた食料で僅かに生気を取り戻したが、ほっとする間も無くまたも無情の雨が降って、決壊した堤防からは再び海水が逆流、豊作の夢は無惨にも湖水に呑まれてしまった。更に、1週間にわたる長い汚水の中の生活に伝染病が至る所で発生。既に名古屋市内の病院は450名の赤痢患者で満員の有様。死者・行方不明合せて5千名を突破。学校の校庭にはまだ引取り手も無い死体が、野ざらしのまま冷たい雨に濡れている。やっと始まった仮堤防工事もはかどらず、水が引くまでには2、3ヵ月もかかりそうな現状だ。1959年10月3日、岸信介首相が名古屋に到着、翌4日には皇太子さまもお見えになって、空から水害地の惨状を視察した。史上空前の惨禍を受けた災害地は、泥海の中で今救援の手を待ちわびているのである。


videocamニュース映画