中国四川省の貧しい町で生徒と向き合う日本語教師・友貞さんと、彼のもとで学んで北京へ就職を決め、格差を乗り越えようとする中国人青年・瀋（しん）さんの二人の姿を通して、教育の在り方を見つめ直す。◆躍進を続ける中国。豊かな都市部では教育熱が高まり、高額な授業料で充実した教育が行われている。一方で貧しい農村部では十分な教育が受けられず、農地で一生を終えるか、出稼ぎの低賃金労働か、人生の選択肢は二つにひとつ。友貞さんは農村の若者に日本語を教え、日系企業への就職に結びつけようとこの地へやってきた。学ぶことで「生きぬく力を与える」という教育の原風景を描く。

赤穂浪士四十七人の一人で、高田の馬場の決闘と忠臣蔵の二大事件を走り抜けた義士のスーパースター、堀部安兵衛の成長を描いたドラマ。原作：池波正太郎、脚本：古田求。◆後編。菅野六郎左衛門（松方弘樹）の援助で安兵衛（小澤征悦）は修業に励み、書家の北島雪山（北村和夫）や女剣士・伊佐子（新妻聖子）など文武に優れた人々の知遇を得る。その後、安兵衛は江戸一番の道場である堀内道場の門弟となり、堀内源左衛門（伊武雅刀）に師事する。やがて頭角を現した安兵衛は仕官が決まり、菅野は自分の事のように喜ぶ。そんな折、菅野が中津川祐見（宇梶剛士）一味の武士を咎めたことで、果たし合いを挑まれる。安兵衛は生涯の恩人・菅野を助けるため、果たし合いの場である高田馬場へと向い、宿敵・中津川祐見と対峙する。

取材で骨髄移植を知った新聞記者がドナー登録を行ったわずか３ヵ月後、骨髄提供の要請が来た。人の命を救うことができる、しかしドナーにも危険がないわけではない。彼と周囲の人々の悩みと決意、そして骨髄移植の現在を描く。◆健康な血液を作りだすドナー細胞と患者の細胞を入れ替える骨髄移植は、白血病など重い血液の病気にかかり化学療法では完治しない患者にとって最後の手段とされている。しかし移植には白血球型の一致が必要で、その確率は兄弟でも４分の１、他人では数百分の１以下に落ちる。入社１年目で重い血液の病気にかかった大学生を取材し、骨髄移植の意義と重要性を知った安岡記者はドナー登録をした。要請に応えることにした安岡記者の母親は、複雑な心境を語る。「本人が決めたことだから。でも勘弁してほしい」。提供を終えた安岡記者は日本で骨髄移植の制度を作った埼玉県在住の一人の女性に会う。彼女からドナーを待つ患者の切実な思いを聞いた安岡記者は、自らのドナー経験をルポとしてまとめることにした。

就職面接で咄嗟についた嘘をきっかけにインドへ行くことになった大学生、てるこの一世一代の大冒険が始まる。原作：高野照子。脚本：宮藤官九郎。（２００７年１０月５日、６日放送、全２回）◆前編。大学３年生のてるこ（長澤まさみ）は、世界を放浪していた兄・昭典（荒川良々）に影響され、いつかは自分も旅に出たいと思っているが、勇気が出ず、普通の女子大生として日常を送っていた。しかし、てるこはある日、就職面接でアピールをしようと「ガンジス河でバタフライをした」と嘘をついてしまう。その証拠の写真を撮らなければならなくなり、てるこは初めての海外旅行でインドに旅立つ。インドに到着早々ぼったくりに会うなど前途多難のてるこだったが、バックパッカーのシンゴ（塚本高史）に出会い、恋に落ちる。しかし、シンゴには裏の顔があった。

ダウン症の人たちのダンスグループ「ＬＯＶＥ　ＪＵＮＸ」でプロダンサーを目指す少年・待寺優くん（１６歳）は、出生時に心臓に穴が開いている合併症を持ったダウン症だった。生後９か月の時には肺炎から危篤に陥り、５時間におよぶ心臓手術を小さな体で耐えた。そんな優くんが毎日５～６時間ダンスに励み、夢をもつようになったことに、母は「本人が輝いていられる時まで支えたい」と見守る。昨年３月、世界ダウン症の日に行われたライブでのダンスパフォーマンスが関係者の目に留まり、優くんはダンスとコメディが融合した舞台への出演が決まった。喜ぶ母とは対照的に、父は優くんの将来を心配している。同じく「ＬＯＶＥ　ＪＵＮＸ」に所属する田中良さん（２１歳）は、カナダで開かれるダウン症会議でのダンスパフォーマンスに向け、練習にも熱が入る。ダンスに燃える２人の青年を追った。

島原の乱より１２年、妻をめとり静かにくらしていた柳生十兵衛が、若き日に別れ死んだと聞かされてきた母が生きていると知る。数十年もの間、十兵衛と母の間に横たわるわだかまりは溶けるのか。そして人を斬ることを悩み続けた十兵衛が下した決断とは…。原案：津本陽。（２００７年４月５日～５月３１日放送、全８回）◆最終回「最後の剣」。柳生十兵衛（村上弘明）は駿府の吉岡道場に乗り込み、由比正雪（和泉元彌）一味と対決。正雪は自刃する。江戸では、松平伊豆守信綱（西郷輝彦）の手の者が張孔堂を囲み、討って出た丸橋忠弥（照英）は捕縛される。十兵衛は伊豆守に願い出て、はりつけになる直前の忠弥に５年越しの立ち会いを挑み、最後の闘いを終える。そして十兵衛は、紀州の母・りん（富司純子）に「柳生十兵衛の名を捨て、剣を置く」と告げ、柳生の里で妻・るい（牧瀬里穂）と静かに生きる道を選ぶ。

４６年ぶりに自然界での巣立ちを迎えたコウノトリ。彼らの命運を託された、兵庫県の小学生たちの取り組みを追う。◆乱獲と棲息環境の変化、さらに農薬の使用で餌を失い、コウノトリは３６年前に日本の自然から姿を消した。消えていったコウノトリを、２０年かけて人工繁殖させ、放鳥までたどりつく。その放鳥に参加した小学生たちが無農薬で耕す田んぼのそばに、つがいが巣をかけ、産卵した。親鳥とヒナが見守るなかで、子どもたちは肥料撒き、田植え、草とりと初めての体験を積み、コウノトリとの共存の難しさと大事さを、身をもって学んでいく。

「男性が女性のために、思いをこめて料理を作る」というコンセプトで送る料理番組。第１回のゲストは料理上手で知られる梅宮辰夫が「出来の悪い」という娘・梅宮アンナのために鶏鍋を作る。「豪華ではないが食べたらおいしい」鶏鍋の材料は、白菜の代わりにクレソン、そして砂肝が入った洋風のもの。父と娘の思い出話や孫娘の教育方針についての話に花が咲くうちに料理が完成する。