安心・安全な旨い牛乳を日本各地に提供するという夢を抱いて、挫折に負けずに進み続ける中洞牧場。牛と牧場主が見つめる未来を描く。◆１９８４年、岩手県に牧場を開いた中洞さんは「牛は生き物、乳を出す機械じゃない」といい、自然放牧をモットーにした。しかし、農業基本法を前提とする日本酪農の効率化路線に反して廃業を余儀なくされ、莫大な借金が残った。しかし、広々とした山間でのびのびと草を食む牛たちが、彼に無言のエールを送った。荒れた山を里山とし、牛の糞が栄養となりまた草を育む、循環型の“中洞式”酪農は、２１世紀の新たな酪農の姿として付加価値を得た。

四国が誇る人々が築き上げた文化、歴史、かけがえのない自然など、毎回１テーマで「四国の至宝」を伝えるシリーズ番組。（２００６年４月２日～２００７年３月２５日放送、全５０回）◆瀬戸内海はかつて「暗黒の海～Ｄａｒｋ　Ｓｅａ～」と呼ばれ、船乗り達から恐れられていたことがあった。明治初期、東西４７０キロにも及ぶ広大な瀬戸内海を夜間、灯していたのはたった５基の灯台。そのうちの一つが香川県坂出市与島にある鍋島灯台。現在瀬戸大橋のたもとで光を灯すこの灯台は、暗黒の海として瀬戸内海が恐れられていた時代、停泊地までの目標として、また夜間航行の停止信号として利用されていた。そしてもう一つ。丸亀市沖の岩礁にそそり立つ波節岩灯標は、今から１１１年前に作られたもの。絶えず波にさらされた雄雄しい灯標である。

２００４年７月、青森県深浦町のウェスパ椿山敷地内に１両の古いＳＬが設置された。１９２４年製造の８６２０型７８６５３号機、通称ハチロクと呼ばれている蒸気機関車で、１９７０年に現役を引退した後、茨城県日立市のかみね公園で展示されていた。ＮＰＯ法人五能線活性化倶楽部はかつて五能線を多数走っていたハチロクを復活させ、沿線地域の活性化を目指していたところ、日立市の７８６５３号機が解体撤去されることを知り、譲り受けることを申し入れた。これに呼応し日立ハチロク応援団が結成され、思い出のＳＬを解体しないようにと運動を開始。熱意あふれる双方からの働きかけで日立市は譲渡を決定、解体を免れたＳＬは深浦町ウェスパ椿山に設置されることになる。しかし、夢への第一段階は達成されたものの、走行可能な状態にするにはまだまだ高いハードルが残っていた。五能線に再びＳＬをと願う人たちの挑戦を、復活したＳＬの視点で追った。

難病のため太陽の下に出られない歌手志望の女性と、人生の目的を見つけられずに漫然と日々を送る男性が、同級生や主治医、アルバイト先の人々との人間関係で成長していく姿を描く青春ラブストーリー。（２００６年７月１４日～９月１５日放送、全１０回）◆最終回。孝治（山田孝之）の前で、咳きこんで倒れてしまった薫（沢尻エリカ）。呼吸障害の治療のため、気管切開手術をしないと命にかかわると診断される。しかし手術をすれば歌えなくなると知り、薫は悩む。病室を訪れた工藤（要潤）は、麻美（松下奈緒）のステージで「ムーンチャイルド」をデビューさせたいと告げる。メンバーは喜ぶが、薫は命と夢との二者択一を迫られることになる。

紀元前、多くのラクダのキャラバンが行き交っていた乳香の道を辿っていくと不思議な町にたどり着く。そこは、広大な砂漠に浮かび上がる摩天楼都市シバーム。南アラビア・イエメンの内陸部の砂漠に位置し、城壁に囲まれたシバームの旧市街では、東西５００メートル、南北４００メートルという狭い場所に、５００棟もの高層住宅が林立している。それらは平均５階建てだが、ひとつの建物が１軒の住宅で、各階の用途が決まっている。シバームの冨は、金を超える価値があるとされた乳香によってもたらされ、シバ王国は巨大なダムや神殿を造った。古代南アラビアの輝かしい歴史を記憶しているこの町は、１９８２年世界遺産に登録された。◆城壁都市シバーム

生まれながらの心臓病で「２～３年の命」と言われた娘・佳美のために、両親は医療器具会社を設立し、人工心臓の研究を開始した。佳美は奇跡的に成長し、周囲に支えられながら中学、高校と学校にも通う。一方で、両親の研究は費用面で立ち行かなくなり、動物実験に入ったばかりで断念せざるを得なくなった。これまでの成果を生かせないかと、日本人に合ったサイズの「ＩＡＢＰバルーンカテーテル」の開発に踏み切るが、これでは佳美の病気は治せなかった。共に歩んできた青年・博司からプロポーズされる佳美だったが、彼女には命の期限が迫っていた。

２００３年に放送された、南海に浮かぶ小さな島を舞台に、青年医師と島の人々とのふれあいや命の輝きを、離島医療の現状を織り込んで描いた医療ヒューマンドラマの続編。原作：山田貴敏、脚本：吉田紀子（２００６年１０月１２日～１２月２１日放送、全１１回）◆第１回。コトーこと五島健助（吉岡秀隆）がいつものように往診のため自転車を走らせていると、コトーのような医者を目指すため、一人東京で勉学に励んでいた原剛洋（富岡涼）が難関私立中学に合格したとの報せが届く。安藤重雄（泉谷しげる）たちは、西山茉莉子（大塚寧々）の店に集まって我が事のように喜び合う。その頃、星野彩佳（柴咲コウ）も東京にいた。大学病院で診察を受けるために上京したのだった。しかし、父の正一（小林薫）にもコトーにも上京のことを隠していた。そんな時、コトーに東京で彩佳の診察を行った鳴海慧医師（堺雅人）から電話が入る。検査結果を聞かされたコトーは言葉を失ってしまう。

小さな法律事務所の個性的な４人の“マチベン”の姿を通して、現代の弁護士たちの仕事ぶり、喜び、怒り、悩みにリアルに迫るリーガル・ヒューマン・ドラマ。彼らが引き受けた市井の小さな事件から、現代社会の問題点が浮かび上がる。（２００６年４月８日～５月１３日放送、全６回）◆ファイルＮｏ．５「無実を信じますか？」。天地涼子（江角マキコ）は四谷通り魔事件の裁判をやり直すことを宣言した。５年前、不動産会社勤務の土居勝成が通り魔に殺された事件で、涼子はこの事件の担当検事だった。当時、涼子は自首してきた深川保（竜雷太）を供述に従って殺人犯と断定し起訴。深川には無期懲役の判決が下された。しかし結審の一ヵ月後、深川のアリバイを証明することになるかもしれない写真が偶然みつかる。無実の人を犯罪者として裁いてしまったかもしれない。涼子は深川のもとに走るが、深川は相変わらず自分の犯行だと言い張る。涼子は上司に再捜査を掛け合い、深川にも再審請求を勧めるのだが、上司たちを動かすことは出来なかった。涼子は、この事件の真相究明のために検事を辞め弁護士になったのだった。涼子は、事件の鍵を握っている深川の娘の八重子（森下愛子）に会って、真相を正そうとするが…。