四国が誇る人々が築き上げた文化、歴史、かけがえのない自然など、毎回１テーマで「四国の至宝」を伝えるシリーズ番組。（２００６年４月２日～２００７年３月２５日放送、全５０回）◆香川県小豆郡小豆島町苗羽地区。悠久の時を超え、今も作り続けられている小豆島の醤油。職人達は醤油の話し声に耳を傾け、醤油たちが話しやすいようにそっと手助けをする。４００年もの歴史を持つという香川・小豆島の醤油作り。大阪城築城のため石垣採取をする武士によって、もたらされたと言われる。自然界が人間とともに作り上げる芸術作品、それが醤油。先人達が守ってきた醤油蔵があるからこそ今も変わらない味を生み出すことができる。現在醤油を作る職人達はこの醤油蔵を息子や孫達に残していくことが最大の使命と考え、醤油作りを続けている。

２００６年１２月２５日、山形県庄内町の羽越線で特急いなほ１４号が脱線転覆、５人が死亡し３２人が重軽傷を負った。事故は本当に防げなかったのか。気象の専門家、ＪＲの元運転士などの証言をもとに検証する。◆運転士は「車体が浮いたような感じがした」と証言。事故直後から「竜巻」や「ダウンバースト」などの局地的突風が事故の原因との見方が強まった。ＪＲ東日本は「風の問題は世界の鉄道の悩み」として「避けられなかった事故」を強調したが、事故当時には山形地方気象台は「暴風雪波浪警報」を発表していた。

人気劇画「人間交差点」の新ストーリーとして書き下ろされた人間ドラマ。仕事に行き詰まり、故郷の町に戻って来た新聞記者マリエ。彼女はそこで祖母の弟で元新聞記者の由次に出会う。（２００６年８月１９日～９月２日放送、全３回）◆最終回「翼ある船は」。由次（仲代達矢）はマリエ（佐藤江梨子）を伴い、死期迫る息子（上杉祥三）のいる金沢へ旅立つ。途中、鳥取砂丘で「父親に会いに舞鶴港へ行きたい」という少年に同行する。たどり着いた舞鶴港で、少年の父親は既に亡くなっているが、それを信じない少年が幾度もこうして舞鶴にやってきていることを知る。その姿に由次は、かつて兄の引揚船を待ち続けた自分自身を見る。由次は自らの家族をめぐる悲しい過去と向き合うことを決意する。原作：内海隆一郎「翼ある船は」。劇中詩「翼ある船」作：竹内勝太郎。「人間交差点」作：矢島正雄、画：弘兼憲史。

東海３県を中心に、昭和３０年代から平成初期の世相を振り返るミニ番組シリーズ◆名古屋・八事球場／国鉄野球部から継続、新ユニフォーム／最後の日限定、乗り放題切符に行列／最終列車「あさかぜ」見送り／新型新幹線でＪＲ東海スタート

原爆爆心地であった広島・猿楽町、細工町に住んでいた人たちが、戦後５０年以上経って連絡を取り合い、写真と記憶の中にしかない故郷の街をＣＧ映像で復元しようと取り組んできた。そのＣＧと証言と音により、最初の核兵器が人々の暮らしの真っただ中に落とされたという事実を記録する。企画：爆心地復元映像制作委員会。◆原爆で一瞬にして焦土になった広島。その爆心地には、猿楽町と細工町という江戸時代から続く古い町があって、商店や病院など３９０戸が連なり、およそ１６００人が暮らしていた。生き残ったのは仕事や学徒動員などでその場にいなかった人たちだけ。この取り組みに協力した約１００人も、多くはなんらかの形で被曝している。まず写真を持ち寄り、それぞれが記憶をたどり、商店や家屋のひとつひとつ、そして町の象徴だった広島県産業奨励館を復元していった。

暗闇に光るホタルイカ、１万年前の太古の姿を留める海中林など、多くの特異な自然現象で知られる富山湾。漁師の間で「水を飲む魚」「竜宮からの使者」などの伝説が語り伝えられ、“神秘あふれる海”と言われてきた。不思議な現象や伝説をひも解くと、いずれも標高３０００ｍの北アルプスから続く急峻な斜面が深さ１０００ｍの海底まで一気に達する、世界的にも希なダイナミックな地形に起因することが分かってきた。さらにこの高低差をつなぐ豊富な湧水などの影響が加わり、数百種類とされる富山湾の豊かな生態系を生み出すのではという研究も進んでいる。２００５年、全国から研究者が富山湾に集結。暗闇での微細な観察を可能にする高精細感度ハイビジョンカメラを備えた無人潜航機「ハイパードルフィン」による調査が初めて実施され、世界で２例目の珍しい深海生物確認など新たな研究成果をあげた。だが、富山湾の海中世界の解明は道半ばである。２１世紀の科学でも解明しきれない、富山湾の神秘的な魅力を描く。

２００４年７月１８日、福井県の嶺北地方は局地的な集中豪雨に見舞われた。未曾有の大水害から２年、県内各地の「災害に強いまちづくり」に向けた取り組みを追った。◆山間部の風景を一変させたほどの豪雨は、濁流となって市街地に流れ込み、堤防が決壊して県都中心部は泥の海と化した。それから２年、行政ではハード・ソフト両面で治水対策が進んだ。そして住民の間にも自主防災組織の結成が進むなど、災害を乗り越えたことをきっかけに地域のつながりや連帯感がとりもどされ、防災意識は高まっていた。

１６０８（慶長１３）年創建、大村領の日蓮宗の本山である萬歳山本経寺は、領内に８つの末寺を持つ大村のシンボル的存在。この本経時の日常と歴史を紹介し、地域の人々とお寺とのかかわりを描く。◆また、寿古踊、沖田踊、黒丸踊などの郷土芸能も披露された創立４００年祭や年中行事も紹介し、お寺の役割や精神性も伝える。