人口減少と高齢化による漁業の担い手不足の対策として青森県佐井村が２０１７年度から始めたのが「漁師縁組制度」だ。漁師を目指す若者を村外から呼び込み、５年間の生活支援と現役漁師の技術指導をする。１期生の１人、家洞昌太さんは岐阜県の高校を卒業してすぐに村にやってきた。釣りが好きで漁師になる方法を探していたところ、漁師縁組を見つけて応募。自然を相手に季節に寄り添うような漁師の営みのなか、家洞さんは充実した日々を送っている。それは、漁師という夢を追うための苦労ではなく、佐井村や牛滝という地域への愛着や誇りが芽生えたからだった。番組は漁師縁組として最後の１年を過ごす家洞さんと、下北半島の自然風景、牛滝の漁師たちの生活を見つめ、地方で豊かに生きるということについて改めて考える。これは５年間の支援が終わっても続く家洞さんの人生の「中間報告」である。

美味し国三重で古より縁起の良い食材として重宝される「伊勢えび」。豊かな海を守り、美味しい食を支える人々の裏側とその気持ちを優しく描く人情ドラマ。◆主人公の篠塚悠馬（高杉真宙）は若手のカメラマン。食を中心に活動している。今回は「伊勢えび」をテーマに三重県伊勢志摩にやって来た。美味しい伊勢えびの撮影は順調に進む。居酒屋で偶然出会った浜口恵理（入山法子）が伊勢えびの研究者であったことから、伊勢えびの厳しい現状を知ることになる。１００年以上続いた養殖研究を中止し、将来へ向けて海の環境保護へ研究をシフトしなければならないのだ。

２００５年に亡くなった垣内保夫さんは、産業用機械からユニークなロボットまで様々なものを作り、「高知のエジソン」と呼ばれた技術者である。その「エジソン」が残した企業「垣内」が高知県南国市にある。機械や産業に関する賞のほか、ワークライフバランスでも評価される企業だ。主力製品のひとつが「粒造（りゅうぞう）くん」という、粉状のものを固めて粒（ペレット）にする機械である。今、取り組んでいるのは、粒造くんのＩｏＴ化。離れた場所でも稼働状況がスマホひとつでわかるよう改良を進めている。垣内では、設計担当者・技術者・営業マンがディスカッションを重ね、全国への売り込み準備を進める。社員たちが熱意をもって働くその原動力は、顧客第一で仕事に取り組める職場環境と、プライベートの充実だという。働く人が元気で楽しい会社、垣内。笑顔あふれる社員たちに密着した。

今に伝わるアイヌ料理や文化をもっと知りたい。北海道平取町二風谷の出身で、アイヌにもルーツを持つ大学生、関根摩耶が北海道を旅し、モノローグでつづる。（２０２２年１月４日～３月２２日放送、全１２回）◆第１回「オハウ（ｏｈａｗ）」。「オハウ」は山菜や海藻、魚、肉などの具の入った汁物で、伝統的なアイヌの主食として知られる。地域によって、家庭によって、季節によって、さまざまなオハウがある。そんなオハウの一つに会うために、冬の知床を訪ねた。

視聴者からの超個人的な調査依頼を独自に解決する「ナンデモ特命係」。どんな特命でも、リポーター、スタッフが汗まみれになりながら、視聴者の相談に対する答えを発見し、見事一件落着させていく。今回は、反響の大きかった「奇跡の物語」を未公開シーンを追加したアンコール放送版。◆生まれつき筋ジストロフィーという難病を患う３５歳の女性。病が原因で学生時代にはイジメに遭い、「死んでしまったら楽になる」と絶望していた。そんな時、修学旅行先で路上で懸命に歌っていたデュオに心を打たれた。彼らの歌を聴く事で病と向きあって生きられるようになり彼女の人生が変わり始めた。やがて、結婚、出産をして、奇跡のような日々を生きる今、彼女は「生きる力をくれたデュオにもう一度会って、２０年分の感謝を伝えたい」と言う。

愛媛県今治市の「さいさいきて屋」は、「さいさい」（「たびたび」の意）の名の通り、県内外から１日３０００人が訪れる人気の産直市だ。ここに野菜を出荷する農家は千人を超えるが、１３年連続野菜出荷額１位を誇るのが丹下岩夫さん（８３歳）と洋恵さん（７７歳）夫婦だ。農家仲間からも一目置かれる丹下夫婦だが、新型コロナの影響で野菜が売れ残る日が増えてきた。そんな中、専業農家になって３年目の小泉祐輔さん（４１歳）が売り上げを伸ばしている。耕作放棄地を次々と再生させいく小泉さんには大きな期待が寄せられている。そしてもう１人、永井詩織さん（２７歳）は二児の母であり、産直市に併設されているカフェのパティシエである。今治産イチゴをふんだんに盛った「イチゴマウンテン」は、オープン当初からのロングセラーで、地元では誰もが知る人気メニューだが、このところその人気も頭打ちになっていた。そこで永井さんは新メニューの開発に乗り出す。“さいさい”足を運んでもらえる産直市の復活に向けて、熱き３組の奮闘劇を追う。

タカアンドトシが出身地北海道で繰り広げる金曜深夜放送のトーク番組。毎回ゲストを招き、売れたきっかけから最近の悩みまで、東京の番組では絶対に言えない裏話も交えつつ、道民がまだまだ知らないゲストの素顔に迫る。（２０１７年４月１８日放送開始）◆２０２２年３月に行われた「ジンギス談！」初のイベントの模様を送る。第２部公開収録のゲストは、人気急上昇中のいとこコンビ・なすなかにし。最近、様々な番組のロケで大活躍している二人は、ロケの登場時のつかみを大切にしており、その種類はなんと１００以上あるという。そこで、舞台上に特別セットを組み、タカアンドトシも緊急参戦して、自慢のつかみ再現してもらう。トークでは、ブレイクまでの苦節２２年紆余曲折の道のりを振り返る。そこで、芸人としてのターニングポイントには、先輩芸人“ますだおかだ”の存在があったと明かされる。

日本の食卓に欠かせないアサリ。国内に流通している活アサリの約９割が中国と韓国からの輸入品だが、スーパーの売り場に中国・韓国産の活アサリはなく、“熊本産”と表記されたアサリが多く販売されていた。一体なぜなのか。愛知県の漁業関係者から「中国・韓国産アサリが熊本産に偽装されている」という思わぬ証言を得た。取材班は３年前、産地偽装の実態を探るため、熊本県の有明海の干潟へ。そこで“中国産”が“熊本産”に化けるカラクリを目の当たりにした。さらに、長年、アサリ産地偽装に手を染めてきた当事者が実名・顔出しで「中国などから輸入したアサリのほぼ１００％が熊本産に偽装されている」と実態を告白した。２０２２年１月、ＣＢＣテレビが「“熊本産”アサリの産地偽装の実態」を報道すると、それをきっかけに、国も熊本県も対応に乗り出した。全国のスーパーからは“熊本産”アサリが消えたが、さらなる問題も…。３年にわたって追い続けてきた取材の集大成。２０２２年３月３０日放送分に、その後の取材も加えた再編集版。