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【セミナー】  公開セミナー「名作の舞台裏」レポート:2008年度

名作の舞台裏 第20-22回『ハゲタカ』『ずっとあなたが好きだった』『家政婦は見た!』 当日の様子をレポートします。


◇公開セミナー・第20回名作の舞台裏 『ハゲタカ』◇

日 時 : 2008年6月22日(日)
会 場 : 情文ホール(横浜情報文化センター6階)
ゲスト : 大森南朋(出演)、宇崎竜童(出演)、大友啓史(演出)、訓覇 圭(制作)
司 会 : 荻野慶人(演出家・放送人の会)
主 催 : 放送人の会、(財)放送番組センター

<作品の概要>
 経済界の話題をタイムリーに取り入れた企画として注目され高い評価を得た2007年度最大の話題作。バブル崩壊後、長い闇に包まれていた日本へ、ニューヨークから風穴を開けにやってきた男がいた。外資系ファンドの代表・鷲津政彦。人は彼を"ハゲタカ"と呼ぶ・・・外資系ファンドによる日本企業買収劇をドラマティックに描き、放送文化基金賞、ギャラクシー賞、イタリア賞など数々の放送賞を受賞した。(2007年2月17日-3月24日/全6話 NHK)

<セミナーのようす>
 昨年度、賞を総ナメにしたドラマとあって会場は超満員。「キャスティングを含めて思い切った企画にチャレンジしたかった」と訓覇。「どうやって映像にするか」悩んだ大友だが、「回を重ねるごとに役者の人間的な部分が変わっていくのがドラマの醍醐味。それを俳優・スタッフが受け止め、どんどん変化させ高めてくれた」と振り返る。
 大森と宇崎は大友のカメラ・音楽などへのこだわりを披露。「鷲頭は鷲頭なりに、ものすごく真剣に生きているのだと思って演じた」と大森。「今まで出して頂いた中でベスト1の作品だと思う」と宇崎。会場からの映画化の要望に対し、「ハゲタカ」に限らず、またこのチームで良い作品を作りたいと各ゲストが締めくくった。


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◇公開セミナー・第21回名作の舞台裏 『ずっとあなたが好きだった』◇

日 時 : 2008年8月30日(土)
会 場 : 情文ホール(横浜情報文化センター6階)
ゲスト : 賀来千香子(出演)、佐野史郎(出演)、野際陽子(出演)、貴島誠一郎(制作)
司 会 : 堀川とんこう(放送人の会)
主 催 : 放送人の会、(財)放送番組センター

<作品の概要>
 マザコンでオタクの夫・冬彦の特異なキャラクターが話題になり、"冬彦現象"とも呼ばれるブームを巻き起こした恋愛ドラマ。エリート銀行員と幸せな結婚をしたはずのヒロインだったが夫はマザコン、息子を猫かわいがりする姑ともうまく合わない。結婚の過ちを痛感したヒロインは初恋の彼との恋を再燃させるが・・・。サザンオールスターズの主題歌「涙のキッス」も大ヒット。初回13.0%だった視聴率は、最終回で34.1%を記録した。(1992年7月3日-9月25日/全13話 TBS)

<セミナーのようす>
 前半は貴島がこのセミナーのために作成したダイジェスト版の上映。本来は賀来と布施博が演じる初恋の二人の恋愛ドラマであり、シーン数も多いのに、印象に残っているのは冬彦のシーンだったことに客席もゲストも改めて気付く。「冬彦というキャラクターが成長していった結果」と貴島。賀来と野際は「台本にないことを突然佐野が始めるので、笑いをこらえるのが大変だった」と当時の撮影現場を振り返る。
 「野際さん、賀来さんとこういう形で再会できて嬉しい。この作品に関わっている人と会うたびに、その後も一緒に生きているというリアリティを感じる」と佐野。ゲスト4人とも、自身の記念碑的な作品となったこの番組への思いを愛おしそうに語った。


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◇公開セミナー・第22回名作の舞台裏 『家政婦は見た!』◇

日 時 : 2008年11月8日(土)
会 場 : 情文ホール(横浜情報文化センター6階)
ゲスト : 市原悦子(出演)、野村昭子(出演)、柳田博美(制作・大映テレビ)
司 会 : 堀川とんこう(放送人の会)
主 催 : 放送人の会、(財)放送番組センター

<作品の概要>
 家政婦紹介所に所属する秋子は、病院長や国会議員、弁護士などの家庭に派遣され、家庭内のドロドロを目撃、華やかさの裏にある秘密を暴いていく。1983年からほぼ年1回のペースで放送され、第25作(2007年)までの平均視聴率は21.5%。第2作(84年)の視聴率30.9%は、「土曜ワイド劇場」枠史上の最高記録である。その時々に注目されている業界の人々を取り上げ、リアリティーあふれる社会派ドラマとしても評価されてきた。2008年の第26作で、惜しまれながら最終回となった。(第1作1983年7月2日-第26作2008年7月12日/テレビ朝日・大映テレビ)

<セミナーのようす>
 ドラマの企画がなかなか通らず"難産"だったことが柳田から明かされる。「殺人の起きないサスペンスはだめだ。ヒロインの性格も悪い」と言われ、企画が通るまで2年もかかったが、放送したら予想以上の反響があったと感慨深げに言う。
 本物の家政婦さんから抗議はないのかという質問に、「もっと意地悪して!」と激励されたと明かす市原。若さと美しさの秘訣を問われ、「一生懸命生きる」ことだと元気に答えた野村は、年明けには82歳になると付け加え会場を沸かせた。ドラマ締めくくりの決め台詞「大沢家政婦紹介所から参りました。ごめんくださいませ!」を市原が高らかに発してセミナーは終了した。