文化庁の芸術祭で大賞を受賞した桂三枝氏の「創作落語１２５撰」の中のひとつ、「背なで老いてる唐獅子牡丹」をラジオドラマ化したもの。◆極道の世界も高齢化し、昔気質の任侠道を貫く高橋組にもその波が押し寄せていた。老いた組長の高橋は昔を懐かしむ日々を送っていたが、兄弟の盃を交わしたはずの八木組の若い衆が高橋組のシマを荒らしていることを知り、古い仁義の世界の意地を通すため、お礼参りの殴り込みをかけようとする。「まむしの銀二」と呼ばれた極道仲間を助っ人に頼むが、銀二も高齢で老人ホーム暮らし。物忘れが激しく、二人の殴りこみはとんだドタバタ劇となる。原作：桂三枝、脚色：徳田博丸。出演：桂三枝、坂田利夫、浅香あき恵ほか

三井物産戦略研究所所長の寺島実郎氏に、今後の日本人の持つべき世界観を聞く。◆寺島さんは北海道生まれ。北海道と北陸は昔から縁があり、最近は北陸三県の知事と懇談する機会も増えた。この年（２００５年）上半期の日本の貿易は、対アジアが約半分を占めた。寺島さんは、アメリカを通じてしか世界を見てこなかった戦後日本を「特殊な半世紀を過ごした」と指摘し、環日本海への転換期だと語る。また、アジア各国と同じ立場で共感できることの重要さも示す。さらに、１年の４分の１は海外で過ごすという生活の中から、日本人の良さは物を作る生真面目さ、中間層を厚く持つ安定感だと感じると語る。

ＨＢＣラジオ平日朝の生ワイド番組。パーソナリティは、すずき一平と高橋直子。（２００４年４月放送開始）◆この日は番組冒頭で、メッセージテーマ「心のかたち～助け合える世の中、人に優しい社会」を紹介し、参加を呼びかける。そしてこのテーマのきっかけとなった放送の模様を聴いてもらい、その後、継続取材した内容を紹介する。すずき一平が参加した、心臓移植手術が必要な少年の支援コンサートのエピソードや、リスナーから寄せられたメッセージが紹介され、番組の決意が語られる。

メインパーソナリティ・坤徳ひとみが、日替わりパートナーと送る月曜～木曜お昼の生ワイド番組。（２００５年４月４日放送開始）。◆水曜日の目玉コーナーは「岡山弁講座」。水曜日になると「こりゃ～おえんでぇ…」「天気がええなぁ～」など、ひらがなだらけのＦＡＸやメールが続々と届く。パートナー・青山融さんは、タウン誌の編集長で岡山弁名人。その青山先生のもと、坤徳ひとみとＲＳＫアナウンサーが生徒になって、岡山弁を勉強する。この日は「第５課（デーゴカ）」。母音の「ウぃ」を「いー」に活用するという授業。地元の言葉のよさを再確認する。また、多趣味な青山さんの一人遊びを紹介するコーナー「Ｄｅｅｐな小引出し」では回文を楽しむ。お題は「岡山の地名、特産品を入れる」。

ＮＨＫアーカイブスに、被爆後の長崎の児童の声を収録した１本のラジオ番組が眠っている。原爆でおよそ１５００人の児童のうち１３００人余りが亡くなった爆心地近くの山里小学校で、生き残った子どもたちにインタビューした、当時の人気ラジオ番組「街頭録音」である。このときアナウンサーの質問に健気に答えていた子どもたちの“今”を追う。原子野を、そして戦後を生き抜いてきた山里小学校の児童たちの半生を見つめながら、平和を願う被爆地ナガサキの思いを描く。◆第６０回芸術最優秀賞（１１月７日放送）

阪神・淡路大震災の記憶を語り継ぎ、次なる災害への備えを呼びかける「ネットワーク１・１７」（１９９５年４月１５日放送開始）の震災１０年特別番組。パーソナリティは妹尾和夫と魚住由紀。◆１０年間、被災者とともに歩んできたゲストにスタジオで話を聞く。ゲストは３人。８０歳の高齢ながら今も元仮設住民のため奔走する仮設住宅の元自治会長・安田秋成さん。市外県外避難者のホットラインで昼夜問わず悩み相談を受けた中西光子さん。震災をきっかけに看護婦からボランティアに転身し、高齢者・障害者のために被災地を飛び回る黒田裕子さん。◆３人の本音トークに防災の専門家・木村拓郎さんのコメントを交えて「未来へ語り継ぎたいこと、決してくり返してはいけないこと」を徹底討論する。またリスナーからのＦＡＸ・手記を紹介、震災にまつわる歌や神戸在住の詩人・玉川侑香さんの震災詩を聴きながら、震災が残した教訓を被災地の視点で賑やかに考える。

独自の文化的風土で知られる尾張・名古屋。そして名古屋のシンボルとして愛されているのが「金のシャチホコ」。金シャチについて多方面から取材し、名古屋の魅力を分析する。◆名古屋では、シュークリームから自衛隊のマークまで、あらゆるところに金シャチが存在する。実はこれにはワケがあった。◆およそ４００年前、徳川家康の名古屋城築城の折に、天守閣の屋根に登った金シャチ。東海道をゆく旅人に、徳川家の権威を誇示するためだった。財政難に陥った尾張藩のため、うろこをはがしてお金にかえ、藩を救ったことも。明治に入ってからは、オスは全国の博覧会に、メスはオーストリア・ウィーンの万博へと巡業の日々。…などなどエピソードの数々を、金シャチ自ら語っていく。◆名古屋人はなぜこんなに金シャチが好きなのか？。「名古屋と金シャチ」を発表した国際日本文化研究センターの井上章一氏が、作家で自称「金シャチスト」の清水義範氏との対談で探っていく。◆リポートは雷門獅篭と雷門幸福。案内役は神田山陽。出演は矢野きよ実、多田木亮佑。

現在はお産の９９％が病院やクリニックでの施設内分娩であるが、「自分らしいお産をしたい」「畳の上で産みたい」など“産み方”にこだわる声も聞かれるようになった。番組では、福井県の「お産の家・ささした助産所」でのお産に対する考え方や取り組みを紹介しながら、人の命の尊さを再認識する。