日本有数の山岳観光道路、磐梯吾妻スカイライン建設のためにルート調査を行った男たちの苦闘を描く。◆福島県は全国初の山岳有料観光道路の開通を決め、１９５２年（昭和２７）、県都市計画課の鈴木三男を中心に、ルート調査に着手した。日が当たる南側斜面を走り、しかもトンネルがないことが条件となった。最も難航したのは、つばくろ谷にかける橋の地点の測量だった。山に入ると音信不通で、たまに洗濯物を詰めてヒゲ面で下山すると、娘が怖がったと言う。スカイラインは１９５９年に開通し、福島県観光のドル箱と呼ばれるまでになる。

時代の流れとともに消えようとしている、ふるさとの素顔、自然、生活、文化、伝承行事などを映像遺産として後世に伝えるシリーズ。◆鳥取県は自然に恵まれ、比較的巨樹、古木が多く残っている。代表的な木に東伯町の春日神社にある「伯耆の大シイ」が挙げられる。樹齢１０００年と推定され、幹の回り１１．４ｍの高さは１５ｍもあるシイの木。日南町の古刹解脱寺の参道近くには、全国で珍しいという９本のモミの並木がある。モミの木の寿命は１５０年前後といわれているが、解脱寺のモミの樹齢は２００年を越え、太いもので４ｍ近くになる。気高町には、田園風景の中に１本のタブの木が目につく。山宮阿弥陀森の大タブ。タブは、照葉樹林帯を代表する木で、一本でも森の風格がある。◆この他、河原町にある「落河内の大カツラ」、郡家町西御門にある「大イチョウ」など鳥取県では巨樹・古木１００選を選び、保護している。

神奈川県内３７市町村から生中継というスタイルで町のお祭やイベントに参加し、その町を丸ごと紹介する。◆第１回目は津久井町の津久井湖、城山公園花の苑地からの生中継。事前取材をした「ぜんじろうのこのまち探検」では中野商店街を訪ね、地元の食材を使って新メニューを考える「この町のごちそう」では地元で取れた山菜を使った山菜会席を紹介する。ほかに、神奈川出身の新人アーティスト・アルケミストによる「この町の唄」の即興演奏などを送る。

１１年前に不慮の事故で死んでしまったスーパーＯＬハナコさんが、会社のロッカーに幽霊として住みつき、新人女性社員をビシビシ鍛えていく痛快ＯＬコメディ。原作：石井まゆみ、脚本：戸田山雅司。（２００２年８月２６日～１０月４日放送、全２４回）◆第１週「北浦華子あらわる！」（第２回）。瑠布子（吹石一恵）は女性社員の守り神と言われている“スーパーお助け幽霊”ハナコさん（ともさかりえ）と遭遇。ハナコさんはロッカーの中に住みついている幽霊で、先輩の笹鳴（鳥羽潤）によると、ハナコさんにとり憑かれたＯＬにしかその姿は見えないという。そんな折、緒園（勝村政信）から資料作成を命じられた瑠布子は残業中にコピー機が故障していて困り果てていると、そこへハナコさんが現れる。

時代の流れとともに消えようとしている、ふるさとの素顔、自然、生活、文化、伝承行事などを映像遺産として後世に伝えるシリーズ。◆美保神社の祭りは、その風土と生活習慣が渾然一体となって今なお息づいている。代表的な祭りに毎年十二月三日にオｋなわれる諸手船神事がある。「古事記」の「国譲り神話」にちなんだ神事で、天つ神の使者から国譲りを迫られた大国主神が、美保の岬で釣をしていた事代主神に早船の使いを出し、事代主神が国譲りを承諾するところまでが、この神事の中に再現されている。二隻の諸手船（古代建造物様式のくり船）に各々九人の氏子が乗り込み、対岸の客人社（まろうどしゃ）から宮灘まで三度にわたり競争を繰り広げる。古くは、八百穂祭（いやほのまつり）と呼ばれ、五穀豊穣、大漁等の感謝の意味も合わせもつお祭り。この祭りは、運営組織を町衆が一切を取り仕切る当屋制度が確立されて伝承されており、四月に行われる青紫垣神事とともに国の重要無形民族文化財に指定されている。

北海道の豊かな自然、生きてきた人々の歴史や文化、生活、産業など、次の世代へ引き継ぎたい有形・無形の財産の中から、道民全体の宝物として選ばれた「北海道遺産」を、ハイビジョンで撮影された美しい映像と共に紹介する。◆留萌本線の終着駅、鉄路が途絶える増毛駅周辺の趣あるたたずまいを探訪する。

３９年ぶりの寺越武志さんの一時帰国を通して、日朝外交の狭間で揺れ動いてきた母子の姿を描くドキュメンタリー。◆寺越武志さんは１９６３年（昭和３８）、能登半島沖でおじ二人とともに行方不明となり、その後、北朝鮮（朝鮮民主主義人民共和国）で生きていることが判明した。以来１５年、母・友枝さんは国交のない国への訪問をたった一人で続けてきた。２００２年１０月、待ちに待った武志さんの一時帰国が決まった。しかし、３９年ぶりの里帰りは、日本人としてでなく、北朝鮮の労働組合幹部としてだった。そこには日本と北朝鮮の間の決して埋まらない距離と現実があった。

イベリア半島の先端、西の果ての聖地サンティアゴ・デ・コンポステーラは、９世紀に聖ヤコブの墓が見つかったことで、ローマと並ぶキリスト教の聖地となった。そしてその聖地に向かう巡礼路が生まれた。１０世紀以上にわたって、多くの異文化を繋ぎ、様々な芸術や建築を生み出してきたこのフランス側の巡礼路は、１９９８年世界遺産に登録された。この巡礼路を２回にわたって送る。◆後編。旅の出発点であるフランスのルピュイから３２０ｋｍの商業都市カオール。１３世紀に繁栄を極めたこの街は、長旅で疲れた巡礼者たちの体と心を癒した。ここには１４世紀に建てられたゴシック式アーチが美しいヴァラントレ橋など歴史的建造物が点在する。スペイン建築様式に出会った時、巡礼者たちは西の果ての聖地に近づいていると実感する。巡礼路最大の難所、ピレネー山脈では、かつて狼が出現していたという。夏でも雪が残る険しいこの山中の道で、何千という巡礼者が命を落とした。この最大の難所を越えるとスペイン、そして聖地サンティアゴ・デ・コンポステーラまで８００ｋｍとなる。巡礼者の長い旅路はまだ続く。◆ヴァラントレ橋、サン・ピエール教会、サン・ブレーズ教会