桜の花が咲き誇る春、何台もの観光バスが列をなして福島市に押し寄せる。向かう先は、２０種類以上の花が咲く名所・花見山公園。実はここは、持ち主の花木農家・阿部一郎さんがクワを担いで山に登り、地道な開墾を続けてできた“畑”だ。一人の農家が築いた“桃源郷”花見山の春を見つめ、この場所を訪れる人たちの姿と、阿部さんの花木農家としての人生を描く。

壮絶な“いじめ”をリアルに描いた大人気漫画のドラマ化。追い詰められながらも、本当の友人と出会い、困難に立ち向かう姿を描くヒューマン学園ドラマ。原作：すえのぶけいこ、脚本：根津理香。（２００７年６月３０日～９月１５日放送、全１１回）◆第１回。成績の良くない主人公・椎葉歩（北乃きい）は、頭の良い親友・夕子（大沢あかね）が目指す高校に一緒に入学するため、夕子に勉強を教えてもらい見事、難関高校に合格する。ところが、一番行きたがっていた夕子は不合格となってしまい、夕子から「あなたなんていなければよかったのに」と言われてしまう。友情が崩壊し、歩は他人と話さなくなってしまうが、クラスメイトの安西愛海（福田沙紀）ら数名が歩を迎えてくれ、歩は再び前向きになる。そんなある日、歩が愛海の恋人を奪おうとしていると誤解されたことから、歩は愛海たちにいじめられるようになっていく。

旭川出身で旭山動物園の飼育係もつとめた絵本作家、あべ弘士さん。彼が愛する北海道の自然とそこに生きる動物たちの姿を紹介するとともに、あべさんの描く「いのちの世界」の魅力に迫る。◆年間入園者数が３００万人を超えた旭山動物園。ＪＲ東日本は札幌と旭山動物園を結ぶ専用列車を走らせ始めた。この電車をはじめとした園内壁画や案内板のデザインを手がけるのは、大ヒット絵本「あらしのよるに」で知られるあべ弘士さん。あべさんが描く動物たちには、２５年間にわたる飼育係としての経験と、ふるさと北海道、旭川への強い愛情がこめられている。

岩手県盛岡の老舗旅館に飛び込んだ都会育ちのヒロイン・夏美が、孤軍奮闘しながら女将として成長していく姿を爽やかに描く。作：小松江里子。ＮＨＫ連続テレビ小説第７６作。（２００７年４月２日～９月２９日放送、全１５６回）◆最終回「来る者帰るがごとし」（１５６）。加賀美屋買収の危機は去った。そこへ夏美（比嘉愛未）の弟・智也（神木隆之介）が、父・啓吾（大杉漣）の作った「桜のシブースト」を持って横浜から訪れる。夏美は一本桜をイメージして作ったこのケーキを、新生・加賀美屋の象徴にしようと考える。叔母・環（宮本信子）は夏美と、女将・若女将として加賀美屋の名に恥じないよう、誠心誠意務めに励むことを共に誓う。そして夏美と柾樹（内田朝陽）は満開になった一本桜のもとを再び訪れる。

２００７年９月１７日の夜から秋田県を襲った豪雨は、県北を中心に深いつめ跡を残した。当時を振り返るとともに、復興に向けて動き出した被災地の「今」を伝える。◆高齢者が多く人手の足りない地区で力になった地元の高校生、復興に取り組むラーメン店の老夫婦や、稲刈り直前に被災した農家、床上浸水の被害に遭いながらも国体選手をもてなした民泊受入れの模様などを紹介する。ほかに森吉ダムの緊急放流を検証する。

戦国時代、武田信玄に仕えた軍師・山本勘助の夢と野望に満ちた生涯を描く。主君・信玄と信玄の側室で生涯慕った由布姫のため、全てを投げ打ち無償の愛を捧げる勘助の前に、宿敵・上杉謙信が立ちはだかる。ＮＨＫ大河ドラマ第４６作（２００７年１月７日～１２月１６日放送、全５０回）の総集編（全４回）。原作：井上靖。◆総集編・第ニ部「林の巻」。勘助（内野聖陽）は武田家に仕官し、諏訪の攻略を担当する。諏訪は武田に滅ぼされ、残された諏訪家の娘・由布姫（柴本幸）は自害を拒んで生きることを望み、勘助と運命的な出会いを果たす。やがて由布は晴信（市川亀治郎）の側室となり、四郎を生む。連戦連勝の武田家に、信濃最強の村上義清（永島敏行）がたちはだかる。武田家の重臣である板垣（千葉真一）と甘利（竜雷太）は、死を覚悟して戦いに挑む。

北陸の一見地味な県・富山に秘められた魅力的な人間や資源を紹介、後世に残すべき庶民レベルのグルメ・人物・景観・芸術を見つけ出し、富山遺産として守り伝えようという番組。富山県出身の女優・柴田理恵が歩き旅で故郷の良さを再発見、ふるさとを見つめ直すきっかけを提案する。（２００５年８月１１日放送開始）◆第６回の’０７夏は富山県の西北、能登半島の付根に位置する氷見市から。海、魚のイメージが強い所だが、山も深く、多種多様な魅力がある地域だ。ゆるゆる調査員・内浦純一の事前リサーチからスタート。◆氷見へ向かうハットリくん電車に乗っていくと獅子舞が見えてくる。氷見は日本有数の獅子舞の町。そして獅子舞が盛んだからこそ開発された逸品を発見する。獅子舞だけではなく、氷見には変わった祭りもたくさん。その中の「ごんごん祭り」はお寺の釣鐘を丸太で１分間に何回打つことができるかを競うもの。鐘鳴らし達人の技の早さと仕草に一同驚く。◆このほか、女性の胸の形に似せた愛情いっぱいのスイーツ、脱サラ農家の生ブルーベリー料理、氷見牛を使った極上グルメなど、柴田さんを唸らせる富山遺産候補を紹介していく。

鳥取県中部の山間の町に２００頭の肥育牛を育てる鳥飼育子さんの牛舎がある。この牛舎に３年前から地元の小学校の子どもたちが来ている。育子さんが「私に預けてみませんか」と学校側に話を持ちかけたのがきっかけだった。それ以来、週に１回体験学習として子どもたちが牛舎にやって来るようになった。「臭い、汚い」これが牛舎に飛び込んだ子どもたちの素直な気持ちだった。そのなかに、人と話すのが苦手な少年がいた。少年は毎日のように牛舎に通って牛の世話をするうちに、育子さんに打ち解け元気を取り戻す。育子さんは子どもたちに牛の出産や死産、さらに世話をした牛が食肉加工場へ送り出される場面にも隠さず立ち合わせる。命と向き合う厳しい現実を目にすることで、「命の意味」「命のありがたさ」を感じ取ってもらいたいと考えているからだ。牛飼い育子さんと子どもたちとの３年間の心の交流を見つめる。