ＮＨＫ連続テレビ小説第７２作「ファイト」（２００５年３月２８日～１０月１日放送）の総集編。ヒロイン・優が一家離散という逆境に立ち向かい、家族との関係や友情に悩みながらも、馬との出会いを通して夢を見つけていく姿をさわやかに描く。作：橋部敦子。（全４回）◆総集編・第２回「しんじる」。高校生になった優（本仮屋ユイカ）は俊足を買われ、ソフトボール部の大会試合でベンチ入りメンバーに選ばれた。０対０で迎えた最終回、代走の優が本塁に滑り込みセーフ、チームは勝利する。しかし練習で膝を痛めていた優は、引退を決める。一方、父・啓太（緒形直人）はバネ工場の閉鎖後、アルバイトで生活を支えていた。無理をしている啓太を見ていた優は、里夏（垣内彩未）に向かって「お父さんは間違ってない」と主張する。

鹿児島県垂水市の山あいにあった大野小中学校。昭和３０年代には２００人前後いた児童・生徒数は年々減り続け、平成１７年には９人となり、ついに閉校されることになった。日本の過疎と少子化の縮図ともいえる大野小中学校の閉校までを見つめる。ＦＮＳドキュメンタリー大賞ノミネート作品。◆大正３年の桜島大爆発で桜島から逃れてきた移住者によって開拓されたという特異な歴史をもつ校区。開拓当初は８３世帯が入植して、原野や原生林を切り拓く厳しい暮らしであった。この学校に通った地域の人々にとって、学校行事は大事な地域行事でもあり、協力を惜しまない気風が受け継がれていた。

旅人・見栄晴が静岡県内の鉄道に乗り、途中下車しながら各地の観光スポットや面白い店を紹介していく。◆シリーズ２１回目は、静岡県を東西に結ぶ大幹線「東海道線」に乗る。静岡駅から浜松までの旅路、スタートはなんと静岡の繁華街。そして静岡の街中でたくさんの発見をした見栄晴君に事件が起きる。

世界最大級のブナの原生林（約１万６９７１ヘクタール）である白神山地は、その希少性と、白神山地が育む豊かで多様な生態系から、１９９３年に鹿児島県の屋久島と共に、日本で初めて世界自然遺産に登録された。◆かつて日本でも多く見られたブナ林であるが、伐採や建築材として使いやすい杉などへの植え替えが進められ、天然林はほとんど残されていない。しかし、この白神山地は、人里から離れていたことや特殊な地形により、人の手がほとんど入らず、原始性の高い状態が保たれた原生林として、世界的にも稀有な地域である。ブナによる、膨大な保水力をもつ白神山地は、無数の動植物を育み、落ち葉から染み出た栄養素は川から海に流れ、豊かな海をも養う。番組では、１年以上かけて撮影した四季折々白神の美しい自然を届ける。

歩けなくなった競走馬を治し、レースで勝たせる。その技術の高さから「馬の神様」と呼ばれる装蹄師がいる。福永守さん、７７歳。装蹄とは馬のヒヅメを切り、それぞれの馬に合う蹄鉄を作ってヒヅメに打ちつけること。福永さんは紙１枚の精度でヒヅメを削り、獣医さんさえさじを投げた馬たちを復活させてきた。◆広島県世羅町。福永さんは技を伝えるため、若者たちを中国山地の山の中にある自らの牧場に住まわせている。全国から集まってくる若者たちは、３６５日休むことなく、馬と向き合う真剣勝負の日々を送っている。しかしこの冬、牧場は大きな転機を迎えた。厳しい修行に耐えられないなどと若者たちが次々に辞めていったのだ。体力の限界も感じていた福永さんは、引退を考え始めている。福永さんはどのように若者たちと向き合い、技を伝えるのか。人生の全てを馬に捧げてきた老装蹄師と若者たちの一冬を見つめる。

日本を揺るがした耐震強度偽装事件から半年。偽装はなぜ起こり、なぜ見過ごされたのか。責任の所在を明らかにしようと求めるホテル社長を半年に渡って追う。◆構造計算書が偽造されていた愛知県半田市のセンターワンホテル半田の中川社長は、ホテルを解体して立て直す決断をした。１０人の従業員は解雇され、ホテルの再開を待つことになった。社長は開業指導した「総研」と建築確認をした愛知県や国に対して、独自に裁判を起こして責任を追及しようと動きはじめた。

豪雪のため客足が伸びず、資金繰りが悪化して倒産した温泉施設が、地域住民の声に押されて再出発した。従業員は１１人。営業マンから“企画総務部長”になり、風呂場の掃除から調理場の手伝いまで何役もこなす日々を送る男性は、近所のお年寄りの喜ぶ声をありがたく思いながらも将来への不安を抱える。家族とも別々の生活になり、私生活も一変。それでもなお叶えたい夢を持ち、奮闘する姿を追う。

５年前に「農家になりたい」と庄内平野に飛び込んだ３０歳の女性。その奮闘の足跡を追う。◆東京生まれで、農業とは縁もゆかりもない家庭に育った廣岡さん。周囲には「農業したいなら農家の嫁になれば」といわれたが「農業を職業として生きたい」と一人で独立する道を選んだ。離農者から譲り受けたポンコツのトラクターを相棒に、現在は名物だだちゃ豆のほかトマト・ねぎなど２０種類の野菜を手がけている。農地法の基準は満たしていないから土地は借り物。「農家になる」ということは、作物を栽培する技術に加えて「事業者」としての管理力や販売先を確保する営業力も必要とされるのをよく知りつつも、売れればいいという農業はしたくないという信念を抱き続ける。