平日朝の通勤・通学の時間帯に、必要最小限の情報をパーソナリティの岩瀬惠子の優しく爽やかな声に乗せて届ける。（２０１２年１０月放送開始）◆今回の特集コーナーは、７０年前のこの日、ラジオ日本が所在する地元横浜に甚大な被害を与えた、第二次世界大戦での米軍による横浜大空襲について取り上げる。１９４５年５月２９日の午前９時台、Ｂ２９約５００機が東京大空襲よりも多くの焼夷弾を投下し、横浜の中心部は壊滅した。横浜で生まれて横浜で育った番組スタッフが、横浜大空襲の当時を知る地元の方を取材インタビューし、当時の様子や今こそ語り継がなければならない戦争体験者のメッセージを伝える。取材したのは、被害の大きかった南区、伊勢佐木町、黄金町で空襲に遭った方々。７０年を経た今も忘れられないあの日の記憶を語ってもらう。

岐阜県加茂郡東白川村は人口２２８０人の山村。ここに１９９０年代前半、２つの“いくさ遺産”が作られた。戦争資料館「平和祈念館」と戦記「平和への礎」である。祈念館には召集令状、千人針、戦地で書かれた日記、２２８人の遺影など９００点余。「平和への礎」には３５０ページにわたって戦没者や帰還兵のつらい記憶や懐かしい思い出が綴られている。それから２０年余、戦争を知る人も少なくなった今、“村の言霊”を集める旅に出た。９０代、８０代の人々が語る体験は、兵隊、満州開拓団、戦争孤児など、多岐にわたった。村は過疎化が進み、いくさの記憶の伝承も危ぶまれている。古田真由美さんは読み聞かせボランティアを主宰している。きっかけは、平和祈念館に収められている「お母さん、お母さん」で始まる日記との出会いだった。中国大陸で戦死した今井龍一さん（享年２２歳）のものだ。龍一さんが生きた事実と、戦地で母を思った事実。これらの積み重ねの上に現在の私たちがあるのではないか。古田さんは村に残る戦争の記憶を語り継ぐ朗読会を続けている。

１７歳は、大人でも子供でもない狭間の年齢であり、これからの生き方を決めていく上で重要な時期である。この多感な時期を戦争中に送った人々がいる。◆２０１５年は戦後７０年という節目の年。ここ横浜も終戦が近い１９４５年５月２９日の午前中に大空襲を受け、関内、元町、中華街といった中心地が焼け野原になった。終戦を１７歳で迎えた人々がいた。人生で輝く時期であるはずなのに、「人生で最悪の一年だった」と語る男性。生きるために、誰もが必死だった。人々がいかに強く、たくましく生きてきたか、横浜大空襲から接収解除までの横浜の変遷をたどりながら伝えていく。また、終戦当時の１７歳の体験を聞いて、今の高校生、そしてその親の世代が、どう感じたのか語り合う。

有病率は１００人に１人でありながら、病気の実態は周知されていないどころか、いまだ誤解と偏見のある病気、てんかん。エフエム仙台は、東日本大震災をきっかけに、てんかん啓発に取り組んできた。避難生活に困難を感じている患者と家族に情報提供すると同時に、周囲の人々の病気への理解を促すためだった。この特別番組では、まず東北大学病院のてんかん専門医が、てんかんの基礎知識と、てんかん患者の心理面での課題について広く情報を提供する。さらに、地元の中学校で行われたてんかん専門医による講演会「知って安心、身近な病気てんかん」と、２０１５年７月に仙台で行われた、パープルデー（てんかん啓発デー）の発起人であるカナダのキャシディー・メーガンさんを迎えてのイベントの模様を盛り込み、てんかん啓発に関する世界的な取り組みの一端も紹介する。まず知ることが、無知から生まれる誤解と偏見をなくす第一歩である。

ゴールボールは、鈴の入ったボールが転がる音を手掛かりにボールを追う、視覚障害者のスポーツ。２０１２年のロンドンパラリンピックでは、福岡のチームが金メダルを獲得した。「クワイエットプリーズ（静かにして下さい）」は、プレー開始を告げる審判の言葉である。音だけのラジオドラマで、失意の中、ゴールボールに出会った視覚障害者の女性を描く。◆大学生の彩音はアナウンサー志望でレポーターとしても活躍していたが、網膜色素変性症という視覚障害の病気を発症する。それでも「障害を乗り越えたアナウンサーになって、多くの人に希望を与えたい」と笑顔で過ごしていたが、ある日、今の日本では盲目のアナウンサーはいないと告げられる。彩音が自分の落ち込みを隠せないほどになった頃、手を差し伸べたのは、レポーター時代に取材先でゴールボールの指導をしていた江崎だった。◆ＦＭ福岡開局４５周年記念番組

中国・四国の８局が持ち回りでそれぞれのエリアの様々な情報を発信する「中四国ライブネット」。今回は山陰放送の制作。◆山陰出身力士たちが大相撲を盛り上げている。山陰は相撲発祥の地とも言われている。松江市の観光プロデューサー、高橋一清さんに、相撲にまつわる島根の伝承について聞く。続いて、島根県から１２１年振りの三役力士、隠岐の海関のお父さんに、隠岐の島にいた頃の息子さんの話を聞く。後半は鳥取城北高校相撲部の強さの秘密に迫る。今回のゲスト、石浦外喜義さんは、同校の校長であり、相撲部の総監督。石浦さんが育てた同校出身の関脇照ノ富士、小結逸ノ城、十両石浦らについての話題を紹介する。また、大相撲大好きというＴＢＳの長峰由紀アナウンサーと電話をつないでトーク。稽古の様子もリポートする。

大分県別府市に住む衛藤宏章さん（２７歳）は、趣味の落語を人前で披露したいと稽古に励み、近く“ザトー”として高座デビューすることが決まった。衛藤さんは４年半前に緑内障を患い、失明した。高座名の“ザトー”は、江戸時代の目の不自由な人の琵琶法師らに与えられた官位の一つ「座頭」にちなんで、自ら名付けた。師匠がいないザトーの稽古は、まずパソコンの動画サイトで好みのネタをおぼえ、友人に披露してダメ出ししてもらい、細かい修正を重ねていく。落語と出会ったのは中学生の時。父親が突然買ってきた１本のカセットテープで落語に魅了された。その後は落語と無縁の生活を送っていたが、半年前、目が不自由でもできる落語を始めてみようと決意し、稽古の日々を送っている。デビューを目指して奮闘するザトーの姿を追う。

音楽評論家の吉田秀和さんは、１９７１年から２０１２年に亡くなるまで４１年にわたり、ＮＨＫ－ＦＭの人気番組「名曲のたのしみ」で解説を務めた。この中で放送されたシリーズ「ベートーベン　その音楽と生涯」（１９８８～９１年、全１０７回）から、吉田さんの名解説を厳選し、ベートーベンの不朽の名作と共に楽しむ。◆第４回は「弦楽四重奏曲　成長の総決算」と題し、青年期、壮年期、晩年でそれぞれ特徴づけられる彼の弦楽四重奏を中心に、室内楽を聞く。曲目は「弦楽四重奏曲　第３番　ニ長調　作品１８の３　第４楽章」ほか。