放送開始から８０周年、ラジオは時代と共に生きてきた。ＴＢＳラジオで過去に放送された膨大な音声素材の中から厳選し、ニュースの音声を時代順に、取材にまつわるエピソードやその時代背景と共に紹介する。内容は、当時ＴＢＳ入社１年目の鈴木史朗アナウンサーの番組中に飛び込んできたケネディ大統領暗殺の一報、当時若手女優の加賀まりこさんによる国会議員・荒船清十郎氏や中曽根康弘氏へのインタビュー、ＴＢＳから宇宙に旅立った秋山豊寛氏の宇宙からのレポート、浅沼委員長刺殺、浅間山荘事件など。司会：荒川強啓、小島慶子

戦争体験者の生の声を伝えるインタビューシリーズ。今回はノンフィクション作家の林えいだい氏にＮＨＫ北九州放送局塚原泰介アナウンサーが話を聞く。◆林さんは昭和８年（１９３３）生まれで、公務員などを経て、ノンフィクション作家になった。ふるさとの筑豊をフィールドに、炭鉱や朝鮮人の強制連行、第二次世界大戦をテーマに作品を書き続けている。その作家活動の原点となったのが、父・寅治さんの存在だ。筑豊の炭鉱を逃げ出した朝鮮人をかくまったり、出征兵士に「無駄死にするな」と言って送り出したりと、軍国主義国家に睨まれるような生き方をしてきたという。

大和田ラジオ本舗・ＦＢＣラジオ、平日朝の生ワイド番組。パーソナリティは岩本和弘と野村佳奈子。（２００３年１０月放送開始）。◆この日は番組に寄せられたお便りがきっかけとなり、「子供の頃の遊び教えてください」をテーマにスタート。「小学生の頃、冬の寒い朝、凍った雪の上に乗って遊んだ…」というメッセージを紹介したところ、リスナーから同じような遊びをしたという体験談が寄せられた。この遊びには、福井県内で様々な呼び方（方言）があることが判明。テーマを、「凍った雪の上に乗る遊び」に絞り込み、いったいどんな遊びなのか、なぜそのような呼び方をするのかなどを徹底的に調査することになる。◆番組の進行ととも、リスナーから多くの反響があり、急きょ、方言を研究している仁愛大学助教授の天野義廣さんをスタジオゲストに迎える。番組は思わぬ展開をみせていく。

沖縄県出身の俳優、アーティストたちが「ゴミを無くして、美しい観光立県・沖縄を目指そう」と呼びかけるラジオドラマ。歌やドキュメントを交えた、沖縄版・環境「ドラマ・エイド」。◆主人公・信ちゃんが沖縄の海を散策していると、そこにゴミ拾いをしている老人が現れて過去と未来のゴミについて語り始める。そのうちゴミ達の会話が聞こえるようになり、さまざまなポイ捨てが明らかになる。「これでいいのか？」疑問に思った信ちゃんは、ユニークなアイディアを思いつき行動に移す。民間と行政、教育が一体となる環境対策の提唱だ。そして、観光立県オキナワの未来は…。◆ゴミの視点で現在の沖縄を風刺し、これからの沖縄を模索しつつ、ゴミ問題を全県民の問題として環境意識の啓発をめざす。しゃかり「Ｇｏ～Ｍｅの想い」をモチーフにストーリーが展開する。作・演出：山川悦史。出演：津波信一、藤木勇人、川満聡、Ｃｏｃｃｏ、Ｄ－５１、アルベルト城間、ジョニー宜野湾、千秋（しゃかり）、仲田かおり（彩風）、下地勇、池田卓、ＫＯＢＡ、ＦＭパーソナリティーズほか。

東海ラジオ平日午前の生ワイド番組。パーソナリティは蟹江篤子とタクマ（１９９７年４月放送開始）。◆「名古屋にはこれといったご当地ソングがない！」という発言に端を発し、番組でオリジナルのご当地ソングを募集したところ、約３０件の応募があった。これをもとに「かにタク歌謡祭」としてコンテストを実施、リスナーに投票してもらった。見事１位になったのが、名古屋臨海鉄道「あおなみ線」について歌った「Ｏｋａｎ’ｓ（おかんず）」の『あおなみ旅情』。Ｏｋａｎ’ｓは中川区の町おこしのボランティアグループのメンバーで、元スクールメイツの主婦２人。その後この歌は反響を呼び、携帯の着メロになったり、あおなみ線のイメージソングとして駅のホームで流れるようになった。◆スタジオにＯｋａｎ’ｓをに迎え、『あおなみ旅情』にまつわる街の声、歌の作者へのインタビューなどを交えながら、小さなサクセスストーリーとして紹介する。

鐘撞ヨシエさん（８１歳）は「かごっま弁」で昔話を語る、語り部の１人。２０年前に地元の鹿児島県開聞町で出会った「開聞昔話」に魅せられ、子供たちにその土地ならではの言葉で昔話を語り始めた。やがて町外からも「昔ながらのかごっま弁の語りを聞きたい」という声がかかるようになり、鹿児島の県内各地、その土地にまつわる昔話を語るようになったヨシエさん。持ち前の明るさと、あったかい語りで伝える昔話は、かごっま弁になじみのない子供たちの心を魅きつけ、同世代の高齢者には懐かしい言葉で元気を与えている。時代の流れと共に方言そのものが形を変えつつある中、故郷の言葉の温かさを伝えるヨシエさんの「かごっま弁歩き」。昔話の本当の魅力は語り手の心にある。

一人の老人の昔語りの形でラジオの歴史を描くドラマ。◆私は今年８５歳。５歳の時に初放送を聞いて以来、ラジオのとりこになった。そして長じては、ラジオ番組の構成やドラマのライターになった。そんな私の家に、大学生の孫娘が「ラジオの歴史」を尋ねにやってきた。大学の卒論にメディア論を取り上げ、特に“ラヂオ元年”として、書いてみたいという。俄然張り切った私は、昔の鉱石ラジオのキットを組み立てて見せたり、いろいろな資料をもとに説明を始める。そしてついに昔の音を訪ねるべく、孫娘を連れて愛宕山の放送博物館に向かう。放送博物館で資料を聞きながら、孫娘に語って聞かせるうち、私の想いは８０年前の感動へとつながっていくのだった。◆作：長船良平。出演：川久保潔、飯島美春、海堂亙、八木光生ほか。「もっと身近にもっと世界へ　ＮＨＫ８０」の枠内で放送

岡山県内で活躍する人たちにインタビューし、その人間性に迫るスペシャルプログラム。ゲストは山田共学道場理事長の山田宗八さん。山田共学道場は、津山市椿高下にある中高一貫の現役予備校で、１９９２年に設立。毎年多数の合格者を出し、県北津山の教育の発展に大きく貢献している。◆番組では、山田共学道場の紹介をした後、道場の卒業生で新・大学生となった人や、３８歳で大学合格を果たした人にインタビューする。また、岡山県出身の緒方洪庵が開いた適塾の紹介を交えながら、山田理事長の将来の夢などを聞き、教育に対する考え方を探る。