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ニュース映画

大毎ニュース 785 大臣故郷に帰る

番組ID
N02179
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上映日
1966年08月10日(水)
時間(秒)
169
カテゴリ
政治・経済
概要
大臣のお国入りで湧く埼玉県秩父市。運輸大臣荒船清十郎先生のお着きだ。おっかさんにひとめ見せたい晴れ姿。今日は地元、中津川林道の開通式に出かけた。地元のみなさん本当にありがとう、思わず頭が下がる。ああ、ふる里の山に向かって言うことなしという荒船大臣。ここは土佐の高知、よさこい節に迎えられて塩見俊二自治大臣のお国入りだ。沿道には消防団が勢ぞろいしてお出迎え、凱旋将軍さながら紙吹雪を浴びて故郷に帰る。7年ぶりに、生まれたおらが国の大臣を迎えて土佐の高知はお祭騒ぎである。塩見氏にとっては我が生涯最良の日となった。

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大毎ニュース 804 あゝ!1966年

1966年2月4日、133人を乗せた全日空ボーイング727が羽田沖に墜落、航空史上最大の事故を起こした。それから一ヶ月、3月4日の魔の金曜日にカナダ航空DC‐8が羽田で炎上、64人が死亡。さらに3月5日には羽田を立ったBOACのボーイング707が富士山上空で空中分解、124人が死亡した。相次ぐ事故に日本の空は死神にみいられたかと思わせた。450棟を焼いた青森県三沢市の大火。30人の焼死者を出した群馬県水上温泉の火事は地方の防火体制に問題を投げかけた。早稲田大学の学園騒動はついに警官隊の護衛つきの入学試験となり、マスプロ教育や授業料値上げ問題をめぐり学校経営が曲がり角に来たことを思わせた。夏が近づいて日本に上陸したビートルズ台風、ファンはただしびれるばかり。その後につづいて本物の台風が襲来。ずさんな宅地造成に警告を与え、穀倉地帯、新潟県豊栄村を水びたしにした。また地震におびえる長野県松代に地すべりの恐怖を残し、山梨県足和田村では100人に及ぶ犠牲者を出した。羽田にまたも起きた飛行機事故、さらに大安吉日の1966年11月13日、12組の新婚組をふくむ50人を乗せた全日空オリンピア号が松山沖に墜落、ローカル空港のあり方が問題になった。この間、日本の政治家は何をしていたか。森脇将光の逮捕で広がった黒い霧。衆院決算委員長の肩書きを利用し2億円をこす利権をむさぼった田中彰治代議士はついに年貢の納めどき。第二次佐藤内閣はスタート直後からテンヤワンヤ。運輸大臣となった荒船さんは急行列車を止めたのが命取りで大臣のイスを棒にふった。派手なお国入りをした上林山防衛庁長官は野党の総攻撃に満身創痍。松野農相も米国遊覧旅行でケチをつけ、あいつぐ不祥事件に佐藤内閣の屋台骨はぐらついた。共和製糖の不正融資は政治献金の腐敗を暴露、国民の政治に対する疑惑を深めた。党内からも厳正の声が出た自民党の総裁選挙では3分の1を上回る批判票が出て佐藤さんの前途は多難。社会党も委員長のポストをめぐり自民党顔負けの派閥争いを展開した。第3次佐藤内閣の発足に、社会党は議員総辞職で対決ムード。ついに野党不在の国会審議というかつてない事態となった。航空事故に明け、政治不信に暮れた1966年。国会を包む黒い霧をはらうことが来年の課題ではあるまいか。


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大毎ニュース 763 特集 あいつぐ空の惨事 カナダ航空機・BOAC機

133人の命を奪った全日空事故から1ヶ月、またも空の惨事が繰り返された。しかも連続して2つの事故。1966年3月4日、濃霧注意報下の羽田空港で、香港から来たカナダ航空のDC‐8が着陸に失敗、炎上した。乗務員、乗客72人のうち死者64人、奇跡的に命を取り留めたのはわずかに8人、殆ど無傷で脱出した男性は生きていることが信じられないと語る。この夜、カナダ航空は創立以来の大事故に混乱を起こし、その間、遺族は絶望と怒りに震えていた。事件当夜、DC‐8は高度を低くとり、海上の進入灯に脚をひっかけ、滑走路端の防波堤に激突。機体は1キロ四方に散乱、濃霧の中で着陸しようとしたパイロットのミスという説が強いが、空港の計器着陸装置が整備中で使えなかったという事実も明らかになった。そして空港再開からわずか7時間後、今度は香港に向かったBOACのボーイング707が、富士山上空で空中分解を起こし、2合目の雑木林に墜落した。乗員乗客124人は全員死亡、自衛隊員ら2500人が出動して遺体の収拾にあたった。タンカに染み付いた血が、墜落当時の激しい衝撃をもの語る。犠牲者のうち75人はアメリカの団体客で、初めての日本見物が死出の旅路となった。相次ぐ空の惨事に、カナダ航空からフィリップス副社長が、ロンドンからガスリーBOAC会長が慌ただしく来日した。新鋭ジェット機の連続事故は航空界に再検討を迫っている。わずか1ヶ月に3度の大きな事故を起した日本の空、心から乗客の安全を祈らずにはいられない。


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