四国が誇る人々が築き上げた文化、歴史、かけがえのない自然など、毎回１テーマで「四国の至宝」を伝えるシリーズ番組。（２００６年４月２日～２００７年３月２５日放送、全５０回）◆内子町を流れる肱川の支流、麓川。先人たちが築いた風景、残された自然と文化の遺産がここには残されている。今から５００年も前から下流の水田開発と共に堰が作られた。産物の倉庫や物資の集散場所として利用して来た屋根付き橋がこの風景のアクセントになっている。

日本を始め、世界各地で数多くの昆虫たちの生態を記録し続けてきた昆虫写真家・海野和男さんの撮影に同行し、その豊かな映像世界を紹介する。地球環境映像祭・子どものための環境映像部門大賞受賞。◆長野県小諸市在住の海野さんは、幼いころから虫になりたかったという。私たちが普段見ることのできない不思議で新鮮な生き物たちの世界を、彼のカメラを通して伝える。

静岡県岡部町に戦国時代から伝わる巨大打ち上げ花火「大龍勢（おおりゅうせい）」。人々は天を舞う花火を“龍”になぞらえ、豊作を祈願してきた。大龍勢の打ち上げは２年に１度。それを担うのは朝比奈地区の男衆２７０人だ。２０歳から８０歳までが町内会ごとに１３組の連に分かれ、打ち上げの成否や高さ、華やかさを競い合う。番組では、静かな山里が心をひとつに大龍勢に挑む姿を伝える。

２００６年４月から施行される「障害者自立支援法」はその名のとおり障害者の自立就職を促すための法律だが、これまで行われてきた福祉サービスを阻害する事態にもなっている。大阪・寝屋川にある小さな障害者施設「ぼちぼちはうす」には８人の通所者がいるが、新法では２０人以上の利用がないと補助金が出ないため、閉鎖の危機にさらされている。通所者と家族、施設の職員の目を通して、新法の問題点を浮き彫りにする。

男社会にもてあそばれるだけだった過去を焼き捨て、政財界の黒幕の愛人におさまった女。裏社会・人間の深部に踏み込んだ松本清張の原作をドラマ化、ヒロイン・成沢民子の激しい生き方を中心に描く。（２００６年１月１２日～３月９日放送、全９回）◆ジュエリーデザイナーとしての成功を夢見つつも、寝たきりの嫉妬深い夫・寛次を抱え、生活に追われる民子。ある日、彼女が働く旅館の客として訪れた男が「行き先のわからない乗り物に乗ってみないか」と囁く。

奥羽山脈の一角に和賀山塊（わがさんかい）と呼ばれる、知られざる秘境がある。秋田・岩手県境に３万ヘクタールもの広さを持ち、樹齢１００年以上の樹木で覆われた天然林の面積が、確認されているだけで１万６千ヘクタールも占めている「巨樹の聖域」だ。谷は深く険しく、山は道もなく幾重にも連なる。あまりの奥深さのため、これまでマタギたちのほかは、ほとんど誰も足を踏み入れるものはいなかった。◆その和賀山塊で近年、国内でも有数の巨樹たちの存在が、次々に明らかになってきた。「日本一のブナ」をはじめ、クリやミズナラ、クロベ、シナノキなど、どれも日本で１、２の大きさを争うものばかりだ。過酷な自然の中で、他の樹々たちとの絶え間ない生存競争を繰り広げた結果、全身こぶだらけの異様な姿になった巨樹、自らの腐った部分に根を張り、今なお成長し続ける巨樹・・・。◆番組では、秘境和賀山塊の密林に分け入り、日本１、２位の巨樹たちの姿を、四季を通した定点撮影で克明に記録する。そして、緑の魔境のなかで、巨樹たちがどのように数百年という時間を生き、生命の最期を迎えようとしているのかを描く。

１９歳で殺人を犯し、２６歳で少年刑務所を出た主人公・中道隆太が、世間の厳しい視線の中で生き抜こうとする姿を描く。原作：真保裕一。（２００６年３月４日～３月２５日放送、全４回）◆第２回。保護観察を受けながら働いていた隆太（青木崇高）だったが、職場や家の近所に隆太の過去について書かれたビラが巻かれた。ビラをまいた犯人を突き止めようと、隆太は昔のワル仲間・勇（山崎裕太）を探すために地元へ向かう。しかし、勇は犯人ではなかった。過去を知られても仕事を続けることができた隆太は、初めての給料で母と妹にカップを買うが、ある日、カップがアパートの玄関で割られていた。駆けつけた隆太の前で妹の朋美（吉野紗香）は酷く取り乱し始める。朋美は会社内で隆太のビラをまかれて、恋人に別れを告げられたのだった。

１９５３（昭和２８）年に教室を開いて以来、５０年以上にわたって編物教師を続けている８２歳の藤田さんの人生を、戦後の日本の一側面と重ね合わせて描く。◆戦後から昭和３０年代・４０年代と、女性たちがこぞって編み物を習った時代があった。妻が編んだものを夫が、母が編んだものを子どもが着て暮らす“家族”があたり前だった時代だった。古くなればほどいて新しい糸を足して編みなおす。ものを大切にする時代だった。藤田さんは夫にあたたかく支えられて、編物教室を続けてきた。日本が豊かになり、生徒は減ってきたが、いま「ニットカフェ」という新たな追い風を受けて、藤田さんは生き生きと毛糸と向き合う。