聴力を失って「人工内耳」の手術を受けたものの、以前との違いに神経を尖らせていた女性が、鳥の声をきっかけに新たな音の世界に耳を傾け始めるまでを描く。◆突然の中途失聴で、手話もできずに落ち込んでいた今さんは、弘前大学で８人目となる人工内耳の手術を受けて聴こえをとりもどした。しかし家族以外との会話はいつも緊張し、聴こえにくい自宅の電話を取り外してしまった。そんなある日、彼女は庭に巣を作った鳥の声に気づく。以前は気にもかけなかったものが、人工内耳のおかげで聴こえてきたのだ。

元カレを追って農村にやってきた平凡なＯＬが、慣れない農業、恋に奮闘する姿を描くヒューマンドラマ。原作：二ノ宮知子、脚本：小松江里子。（２００４年５月２４日～６月２１日放送、全５回）◆第１回。ＯＬの吉川和子（深田恭子）は、ある日突然、付き合って間もない小野誠（中村俊介）に振られてしまう。和子は振られた理由を聞こうと誠の会社を訪ねるが、誠は農家を継ぐため、会社を辞めていた。諦めきれない和子は、誠を追って農村まで探しに行くが、成り行きで生まれて初めて農業を手伝うことに。そしてようやく話すことができた誠から「帰れ」と言われてしまう。ふてくされた和子はヤケ酒を飲んで誠に介抱されるはめになる。翌朝、畑では和子の作業ミスでレタスが枯れてしまっていた。必死に謝る和子だが、誠には「君には興味がない」と言われ、誠の祖母・タマ（宮本信子）にも愛想をつかれてしまう。

国を挙げて推し進められている一大プロジェクト「テレビ放送のデジタル化」は何をもたらすのか。２００４年６月に横浜で開催されたシンポジウムの内容を基に、その意義を解説する。また、ｔｖｋテレビ神奈川のデジタル放送の計画を紹介し、ローカル局の役割と責任について言及する。◆２００３年１２月１日、地上デジタル放送が東阪名の三大広域圏でスタートした。アテネオリンピックを控え、電器店の店頭には高画質大画面のテレビが並び、「オリンピック放送をデジタルで」と盛んに宣伝している。しかし、デジタル放送で何が変わるのか、いまひとつ視聴者に伝わっていないのが現状のようだ。

野生動物の生態や人間との関わりを描いた椋鳩十の動物文学を、詩情あふれる絵にあわせて読み聞かせる番組。◆志布志の大きな船問屋、床次（とこなみ）家には子どもがなかった。夫婦は水神様に願をかけ、女の子をさずかると、お浪（なみ）と名づけた。お浪は年ごろになると目の覚めるような美しい娘になったが、縁談をすすめても断り続ける。（全５回）

いずれの流派にも属さず、独創的な生け花で高く評価されてきた生け花作家・中川幸夫さん８６歳。２００３年３月、一人暮らしをしていた東京を離れ、故郷の香川県丸亀市に帰ってきた。アルツハイマーの症状が現れ、弟夫婦を頼っての帰郷である。一時は老いと病の中で自信を失った中川さんだが、地元で５４年ぶりとなる個展を開く決意をした。故郷で旧友に励まされながら、花と向き合う中川さんの日々を見つめる。

道中で神輿を放り投げ「壊れれば壊れるほどいい」という奇祭を紹介、威勢よく担ぐ若者たちと、修理代を思って心配そうな長老たちを追う。◆熊本県菊陽町の秋祭り「お法使まつり」は、１２の地区が順に担当し神輿道中を行うため、順番が回って来るのは１２年に１度。はらはら見守る区長さんの心を知ってか知らずか、若者たちは景気よく神輿を放り投げる。壊れた御輿の修理代は担当地区が持つことになっており、百万近くかかったこともあるという。

東海３県を中心に、昭和３０年代から平成初期の世相を振り返るミニ番組シリーズ◆名古屋市との市町村合併を祝う神輿／仮装行列／全国初のアドバルーン行列

山あいの国道沿いに建つ食堂で「まむし料理」を供し続ける女性店主のがむしゃらなまでの頑張りを通し、見果てぬ夢と家族の絆を描く。◆店主の竹口さんは６９歳。人と関われる、出会いの場を作りたいと、保母の仕事を定年退職した後に店を始めたが、常に物足りなさを感じてきた。大病を患った夫に、昔から万病に効くとされてきた「まむし」を勧めたところ劇的に改善。他の人にもまむしパワーを共感してもらいたいと、心機一転「まむし料理」を始めたのだった。一見は順風満帆のようだが、実は竹口さんは夫の看病のため病院に寝泊りして店に出ていた。彼女がそこまで店にこだわり続けるのは何故なのか。