架空の小藩・海坂藩を舞台に描く、下級武士の子・牧文四郎の成長譚。悲運や陰謀に翻弄されつつも剣を極め、己の道を真っ直ぐに歩み続ける青年の物語。原作：藤沢周平。（２００３年８月２２日～１０月３日放送、全７回）◆第五回「罠」。家老・里村（平幹二朗）は、反対派の陰謀から守るために欅御殿からふく（水野真紀）の子をさらって来いと文四郎（内野聖陽）に命じた。明らかな陰謀で、罠であることはわかりきっていたが、ふくと御子を守るために、文四郎は生涯の友・小和田逸平（石橋保）らとともに欅御殿に赴く。ふくを村役人の家に逃がした文四郎は、警護役の磯貝（塩見三省）とともに乱入する里村派たちに立ち向かった。

２００３年３月、一人の児童の卒業と共に歴史を閉じた熊本県の深葉分校の最後の４年間を記録したドキュメンタリー。◆熊本県阿蘓町立内牧小学校深葉分校は大正時代に営林署の私立学校として開設され、一時は児童数４０人を超えたが、佐藤さんが３年生の時に姉が卒業し、その後は山下先生とマンツーマンの学校生活を送ってきた。寂しいこともあったが、家族と地域の人々、そして豊かな自然に囲まれてきた。彼女の卒業と同時に分校は閉校となる。学校が消えても思い出を残そうと、佐藤さんは地域の人々や卒業生と共に、忘れられていた校歌の復活のため奮闘する。

時代の流れとともに消えようとしている、ふるさとの素顔、自然、生活、文化、伝承行事などを映像遺産として後世に伝えるシリーズ。◆蒔絵は、日本の伝統工芸として発展してきた漆器の表面に金・銀の粉で描く絵。鳥取県内ただ一人の蒔絵師二代目、８３歳の田中稲月さんは、蒔絵師だった父初代稲月の後を継ぎ、伝統の技を守って毎日棗（なつめ）や仏具に蒔絵を描いている。図案を器に写した後、のり代わりの漆を塗り、そこに金粉を入れた筒をつかって金粉を蒔きつけていく。塗っては蒔き、塗っては蒔きをくりかえす作業。漆は、乾かすときに温度と湿度が必要なため、室と呼ばれる箱で調節しながら乾かすため、棗を仕上げるにはおよそ三か月かかる。仕上げは、砥石の粉を使って初め手で、その後は鹿のなめし革で磨いていく。田中さんは、棗に描く蒔絵の図案を、流派や茶席の趣の違いなどの条件に制限されず使ってもらえるよう工夫している。後継者はいないが、「少しでも良いものを残したい」と静かに器に向かう。

小学校低学年くらいまでの子どもと親を対象にした日本語教育番組。狂言、落語、講談など、日本の伝統芸能の型、また童謡や方言なども取り入れておくる。日本語の豊かな表現に慣れ親しみ、楽しく遊びながら「日本語感覚」を身につけてもらうことがねらい。◆第１回は「しらざあ、いって、きかせやしょう」「まちがいの狂言／ややこしや」「じゅげむ」「わらべうた／たけのこ、めだした」「いいことば／めにいれてもいたくない」など。名文は「知らざあ　言って　聞かせやしょう」白波五人衆（河竹黙阿弥）。出演はＫＯＮＩＳＨＩＫＩ、神田山陽、野村萬斎ほか。

「親切」や「優しさ」などをテーマにしたショートストーリー。日常のささいな出来事のなかに隠された、心打たれる瞬間をつづる。◆この回は「雪だるまの顔」。

作家の書下ろしによる一話完結の物語を、俳優の朗読とイメージ映像で綴る。ひとつの出会いが翌週に新たな出会いを生むスタイルで、一ヶ月にわたって展開していく。◆この回は小堀裕之作・山本太郎朗読の第２回「僕のヒーロー」。

貴乃花、武蔵丸の二横綱が引退、新横綱・朝青龍の誕生、そして大関・栃東の復活。まさに新時代を迎えた大相撲界。新たな時代の主役たちの熱戦を交え、２００３年の相撲界を振り返る。

満足な医療設備も整わない離島医療に情熱を注ぎ、命の尊さに執着する青年医師と島民との濃密な人間関係を描いた医療ヒューマンドラマ。原作：山田貴敏、脚本：吉田紀子（２００３年７月３日～９月１１日放送、全１１回）◆最終回。コトーこと五島健助（吉岡秀隆）が大学病院を辞めるきっかけとなった医療事故を知り、不信感が島民に広がっていた。そんな中、信一（斉藤大貴）よりもよそ者の巽（津田寛治）の手術を優先したことに腹を立てた重雄（泉谷しげる）から、島を出て行くように言い放たれ、コトーは退職願を残して島を離れる。その後、コトーは以前勤務していた大学病院からの手術の執刀依頼に応えるべく東京へと向かうが、その依頼には、大学病院内の政治的な事情もからんでいるうえ、助手に付くのは、かつて医療事故を起こした張本人の三上（山崎樹範）だった。一方、星野（小林薫）はコトーの一件で責任を感じてしまい、胃の痛みを訴え寝込んでしまう。