原爆の悲劇を物語る、少女サダコと折鶴の話が草原の国モンゴルで語られている。人形劇に反戦の願いを託すモンゴル人女性俳優・プレブマーさんと、広島出身でモンゴル在住７年の木本さんの活動を伝える。◆かつて映画のヒロインも演じたプレブマーさんと、木本さんが草原の国で折鶴を使って平和を伝えている。原爆悲劇のエピソード、被爆少女サダコと折鶴の話がなぜモンゴルで語られるのか。サダコ人形を使った人形劇に情熱を燃やし、子どもたちに折鶴を教えるプレブマーさん、その情熱に心動かされた木本さんは原爆の写真展を開く。二人の友情がモンゴルにヒロシマを伝える。　

江戸時代、庶民の訴訟手続きを代行した「公事宿」を舞台に、頭も切れれば腕も立ち、義侠心にも富んだ男・菊太郎の活躍を描く痛快時代劇。（１２月１３日終了、全６回）◆７年前に出奔したきり行方不明だった田村菊太郎が、京に戻ってきた。奉行所同心をしている弟の銕蔵に家督を譲り渡した菊太郎は、公事宿「鯉屋」の居候になる。そんなある日、安蔵という男の水死体があがった。菊太郎と銕蔵は事件の真相を探る。

高校生ランナー憧れの全国高校駅伝大会、通称「都大路」で長崎県立諫早高校女子駅伝チームが、２００１年に初優勝を遂げるまでの７年を追う。◆１９９５年、諫早高校の松元利弘監督は３年後に全国でトップを争えるチームを作りたいと考えた。全国レベルの選手・藤田貴子が入部したのだ。しかし全国の壁は厚く、世界陸上に出場した藤永佳子を擁しても越えることができなかった。進学校ゆえの人材確保や練習時間不足のハンデ。それでも監督と少女たちは走り続けた。その蔭には３０名以上の部員の食事の世話を引き受け、温かく見守る監督の妻・裕三子さんの姿もあった。

ダウンタウンの松本人志が“肉体改造”し、格闘技に挑戦する過程を追うスポーツ・ドキュメント・バラエティ。（２００２年１０月１日～２００３年３月２５日放送）◆第１回。まずは松本の現在の身体能力、筋肉量などを様々な科学的方法で調査。その上でトレーニングメニューを作成する。Ｋ－１“反逆のカリスマ”魔裟斗へのインタビューも。

ＪＮＮ九州沖縄７局の合同企画シリーズ。九州沖縄地方の豊かな自然や古来からの歴史、多彩な文化など、かけがえのない郷土の遺産を後世に伝える。１９９７年から２００２年まで全３５本を放送。◆宮崎・大分両県にまたがる広大な祖母傾国定公園。祖母山（標高１７５７ｍ）、傾山（標高１６０２ｍ）。二つの霊峰を主峰に標高１０００ｍを超す山々が連なる祖母傾山系は、人々を寄せ付けない山の険しさと貴重な動植物の多さから、九州最後の秘境と呼ばれている。深山幽谷に咲くウバタケニンジンや花崗岩の隙間で可憐に咲くトダイアカバナは、九州では祖母傾山系でしか見ることができない貴重な植物。国の天然記念物ニホンカモシカは、その原始的な姿から生きた化石と呼ばれ、今も急峻な尾根近くで見ることができる。猟師から神の使いと恐れられていたツキノワグマ。昭和１６年の捕獲記録を最後に九州では絶滅したとされるツキノワグマも、目撃例の多さから今も深い森の何処かにいると信じられている。太古の昔、巨大な火山地帯だった祖母傾山系は、江戸時代から昭和にかけて銀や銅などを産出する日本有数の宝の山であった。鉱山の中には戦争による栄枯盛衰のドラマもあった。今も豊かな自然が残る祖母傾国定公園。渓流沿いに開かれた棚田の田植から収穫までを追いながら、天孫降臨の伝説を生んだ祖母傾山系の神秘的な自然を紹介する。

ブルッヘという街の名前は古い北欧の言葉で「船着場」を意味するＢｒｙｇｉａ（ブリギア）に由来する。街は北海へと続く運河に囲まれ、バルト海で活躍するハンザ同盟の主要貿易拠点だった。ヨーロッパ商業都市の基盤を築き、中世の美しさを今に留めるブルッヘの歴史地区は、２０００年に世界遺産に登録された。◆ブルッヘの中心マルクト広場には赤煉瓦で造られた商人ギルドの建物が残り、世界遺産にも登録されている高さ８８メートルの石造りの鐘楼が富の象徴として構えている。また都市の自由な空気は優れた芸術をも生み、後のヨーロッパ絵画に多大なる影響を与えたフランドル派の技巧がここで生まれた。未亡人や未婚女性の共同体、ベギン会、１２世紀にフランドル伯がコンスタンチノープルから持ち帰ったキリストの聖血などがこの街の複雑にして多面的な歴史を物語っている。貿易の生命線だった運河が堆積した砂により閉ざされたことで、ブルッヘは衰退していった。◆市庁舎、ゴシックホール、旧民事裁判書記館、カリヨン、ブールス家、ポールテルス・ロッジ、聖母教会、ボビンレース、聖血礼拝堂

１２年に一度の午年総開帳を迎える秩父三十四所観音霊場を訪ね、寺の歴史的由来や特徴、見どころを紹介するシリーズ。◆第２回は三番札所の岩本山常泉寺（じょうせんじ）と四番札所の高谷山金昌寺（きんしょうじ）と五番札所の小川山語歌堂（ごかどう）を訪ねる。

女優木村佳乃が、破戒僧といわれたフィリッポ・リッピの生涯に迫り、ルネサンスへの発展を見る。◆リッピは１４０６年に生まれて間もなく両親を亡くし、孤児として絵を描くうち、フィレンツェのコジモ・ディ・メディチに認められ、一生のつきあいとなった。奔放に生きたリッピは、やがて修道僧でありながら修道女と許されぬ恋に落ち、子供をつくって、祭壇画に家族を描きこんだ。聖なる絵も人間の自然の生き方として描いたリッピの仕事は、ルネサンスの巨匠ボッティチェリらが受け継いだ。◆リッピ「聖母子と二人の天使」「ヘロデの宴」「洗礼者聖ヨハネの生涯」「聖ステファノの生涯」「謙遜の聖母」「コルネート・タルクィニアの聖母」「バルバドーリ祭壇画」「聖母戴冠」「受胎告知」「森の中の幼な子キリストへの礼拝」、「聖母マリアの死」、プラトー大聖堂の壁画、ほか