天平勝宝６年（７５４）東大寺の戒壇上で聖武天皇をはじめとする多くの人々が鑑真和上から受戒した。この戒壇の土を大仏殿の西方に移して造営されたのが戒壇堂である。その堂内には仏法の守護神である四天王が東西南北それぞれの方角に安置されている。カッと目を見開いた持国天、増長天。眉を寄せ、目を細めて睨む広目天、多聞天。どの武将の目も鋭く真実を見抜くかのように、その前に立つ者を圧倒する。

絶海の孤島で特異な進化を遂げた生物にあふれ、ダーウィンの進化論に大きな影響を与えたガラパゴス諸島は、１９７８年に世界遺産に登録された。その後２００１年に新たに世界遺産として登録されたガラパゴスの海洋保護区を訪ね、世界有数の貴重な海を紹介する。◆ガラパゴス諸島近海は、南からの寒流と赤道直下の暖流が出会う場所ゆえに、多彩な生物にあふれ、種のるつぼとも呼ばれる。また、生息する生物の４分の１が固有種である。澄み渡った透明度の高い海の中、鳥のように行き交うエイの群れや大魚群、珍魚、カラフルな無脊椎動物、そして世界で唯一海に潜るように進化したイグアナ「ウミイグアナ」など、ガラパゴスの海に生きるユニークな生物たちとその生態を紹介する。◆ウミイグアナ、マダラトビエイ、レッドリップド・バットフィッシュ、ガラパゴス・ガーデンイール、ガラパゴスアオウミガメ

仮面ライダーになった男・津上翔一、仮面ライダーになろうとする男・氷川誠、仮面ライダーになってしまった男・葦原涼。その３人の仮面ライダー、アギト、ギルス、Ｇ３の群像劇で人間の多面性を描く、仮面ライダー３０周年記念番組。平成仮面ライダーシリーズの第２作。原作：石ノ森章太郎。（２００１年１月２８日～２００２年１月２７日放送、全５１回）◆最終回。翔一（賀集利樹）はアギトシャイニングフォームとなり、人類を絶滅させようとしているアンノウンの最上位、エルロードである地のエルを追い込む。しかし、アンノウンの主であり、人類絶滅の首謀者である謎の青年（羽尾明）により復活した地のエルと新たに現れた風のエルの反撃を受け、変身が解けてしまう。一方、警視庁のアンノウン対策班であるＧ３ユニットから外され、Ｇ３－Ｘを取り上げられた誠（要潤）は、アンノウンを放っておけないとＧ３―Ｘを奪い返し、翔一を助けに向かう。翔一に代わり２体のエルロードと互角に戦う誠だったが、謎の青年の攻撃により吹き飛ばされてしまう。再び窮地に立たされた翔一と誠。そこに地のエルに倒されたはずの涼（友井雄亮）が現れる。最後の力を振り絞り変身をする３人。人類の運命を掛けた最終決戦が始まる。

女優木村佳乃が、破戒僧といわれたフィリッポ・リッピの生涯に迫り、ルネサンスへの発展を見る。◆リッピは１４０６年に生まれて間もなく両親を亡くし、孤児として絵を描くうち、フィレンツェのコジモ・ディ・メディチに認められ、一生のつきあいとなった。奔放に生きたリッピは、やがて修道僧でありながら修道女と許されぬ恋に落ち、子供をつくって、祭壇画に家族を描きこんだ。聖なる絵も人間の自然の生き方として描いたリッピの仕事は、ルネサンスの巨匠ボッティチェリらが受け継いだ。◆リッピ「聖母子と二人の天使」「ヘロデの宴」「洗礼者聖ヨハネの生涯」「聖ステファノの生涯」「謙遜の聖母」「コルネート・タルクィニアの聖母」「バルバドーリ祭壇画」「聖母戴冠」「受胎告知」「森の中の幼な子キリストへの礼拝」、「聖母マリアの死」、プラトー大聖堂の壁画、ほか

日本有数の山岳観光道路、磐梯吾妻スカイライン建設のためにルート調査を行った男たちの苦闘を描く。◆福島県は全国初の山岳有料観光道路の開通を決め、１９５２年（昭和２７）、県都市計画課の鈴木三男を中心に、ルート調査に着手した。日が当たる南側斜面を走り、しかもトンネルがないことが条件となった。最も難航したのは、つばくろ谷にかける橋の地点の測量だった。山に入ると音信不通で、たまに洗濯物を詰めてヒゲ面で下山すると、娘が怖がったと言う。スカイラインは１９５９年に開通し、福島県観光のドル箱と呼ばれるまでになる。

民謡の宝庫・東北地方を中心に、各地の民謡を紹介する本格的民謡番組。（１９７３年２月３日放送開始）◆初夏の日本海はコバルトブルー。秋田男鹿半島の男性的な岩場を前にした観光船、真山神社、一の目潟と二の目潟を望む八望台から、秋田にちなんだ唄を伝える。曲目は、佐藤祐幸「秋田港の唄」、千葉美子「秋田船方節」、小田島敦美「秋田節」、佐藤祐幸「ハタハタ音頭」、小田島敦美「秋田船方節」、千葉美子「秋田音頭」。

作家の書下ろしによる一話完結の物語を、俳優の朗読とイメージ映像で綴る。ひとつの出会いが翌週に新たな出会いを生むスタイルで、一ヶ月にわたって展開していく。◆この回は狗飼恭子作・瀬戸朝香朗読の第３回「空を飛ぶのに必要なもの」。

北朝鮮（朝鮮民主主義人民共和国）拉致被害者家族・地村保さんの２４年間の労苦と、次男・保志さんの帰国を描くドキュメンタリー。◆１９７８年３月、大工修行中だった２３歳の保志さんと婚約者が福井県小浜市で姿を消した。乏しい手掛かりを元に独力で息子の行方を探す保さんは、金賢姫の本の一文から、北朝鮮での息子の生存を確信した。保志さん達の行方を案じて病に伏した妻を介護しながら、保さんは二人の救出を訴える署名を集め、全国の拉致被害者家族と共に小泉首相に直談判した。２００２年９月、ようやく保志さんは妻と共に帰国するが、母は半年前に他界した後だった。