ベトナム中部のホイアンは、１７世紀の御朱印船貿易の頃、多くの日本人が暮らした、日本とゆかりのある港町である。◆大河トゥボン川の河口に位置し、古くから貿易港として栄えた。香木など南方の物産を求めて、朱印船の主たる寄港地の一つであった。京都の町屋を思わせる奥行きの深い伝統家屋が数多く建ち並ぶ。◆幕府の鎖国令で日本人町は寂れたが、町はずれに日本橋とよばれる木造の橋が残り、遙か北東の方角を向いた日本人の墓石とともに、僅かに往時を偲ばせている。◆古都ホイアン

奈良と三重に連なる、深い森の中に佇む、室生寺の国宝・五重塔は、高さ１６．１メートル、屋外の塔としては、日本で最古にして且、最小の五重塔である。室生寺は凡そ１２００年前の奈良時代末に建立された勅願の古寺で、塔は、唯一つ、創建当時の建物である。平成１０年（１９９８）秋の台風で、倒木により屋根が押し潰されたが、２年間に及ぶ大修理で、森の中に再びその美しい姿を取り戻している。平安美術の宝庫ともいわれる、釈迦如来立像など、国宝の仏像群をあわせ、室生寺の美を探訪する。◆室生寺五重塔【国宝】、室生寺金堂【国宝】（釈迦如来立像【国宝】、十一面観音立像【国宝】、文殊菩薩像【重文】、薬師如来像【重文】、地蔵菩薩像【重文】）、地蔵菩薩立像【重文】（安産寺蔵）

余命を自覚して静かに生きる老人と、在宅介護を通して息子家族との間に生まれる心の交流を描くドラマ。◆主婦の夏目信子（田中美佐子）は突然、夫・善人（松任谷正隆）の父・有徳（小林桂樹）を在宅介護することになった。元医師の有徳は３年前に脳梗塞で半身不随となったが、家政婦の世話を受けながら、住み慣れた舞鶴で暮らしていた。しかし、不注意からボヤを起こしてしまい、善人宅に身を寄せることになったのだ。善人は医師にならなかったため有徳と折り合いが良くなかった。有徳は世話をかけることが辛くて元気を失うが、信子は「人は死ぬ時ぐらい周りに迷惑をかけてもいい」と考え手厚く介護する。有徳が喜寿を迎えたときには、彼を囲んで家族は楽しいひと時を過ごすようになっていた。しかし、徐々に弱り始めていく有徳。車椅子を押す息子・善人の手を握り返し、感謝の気持ちを伝えた有徳は、愛する舞鶴の地で静かに息絶えた。父と子の間にあった溝はいつしか強い絆へと変わっていたのだった…。

ダンス・ボーカルグループＳＰＥＥＤは、スターへの階段を駆け上がりながら自我に目覚めていき、その人気の頂点で「解散」という結論を出した。２０００年３月３１日での解散を決めたＳＰＥＥＤのメンバー一人一人にインタビューし、彼女たちの揺れる胸の内と解散の真相に迫る。◆また、ＳＰＥＥＤの励ましで生きる力を得た難病の少女とその家族の４年間をドキュメントで描く。

ＪＮＮ九州沖縄７局の合同企画シリーズ。九州沖縄地方の豊かな自然や古来からの歴史、多彩な文化など、かけがえのない郷土の遺産を後世に伝える。１９９７年から２００２年まで全３５本を放送。◆明治１８年、日向の国、耳川のほとりで生まれた若山牧水は、故郷をこよなく愛した歌人だった。「幾山河越えさり行かば寂しさの終てなん国ぞ今日も旅ゆく」。牧水の豊かな感性は故郷で過ごした少年時代に培われたといわれている。牧水が愛した耳川は、九州山地の原生林を源に深い谷を刻みながらいっきに日向灘に注いでいる。豊穣な平野を持たない耳川沿いの人々を支えてきたのは山と川の恵みだった。人々はその恵みを河口の港町・美々津から千石船で上方に送り、衣類と肥料そして華やいだ上方の香りを持ち帰った。高瀬舟が行き交った耳川は、昭和の初めまで日向の国最大の街道だった。そして時は過ぎ、耳川街道が無くなった今でも、その豊かな自然の恩恵を受けながら暮らす人々がいる。山の神への祈りを捧げる猟師や伝統の漁法で鮎をとる川漁師たち。四季折々に豊かな表情を見せる耳川を紹介する。

ピアニストの村松健さんが高崎から鎌倉までの鎌倉街道をたどる紀行番組。このシリーズでは上道・中道・下道のうち上道（かみつみち）約１４０ｋｍを歩く。テレビ埼玉開局２０周年記念企画。◆街道は、横浜市瀬谷区から東海道新幹線をくぐり、泉区上飯田町へと進む。県道を越え、下飯田町に入っていくと、下飯田神社、別名・鯖神社がある。神社の前には道祖神などがあり、街道の面影を残している。藤沢市に入る手前、国道１号線に突き当たる東俣野付近で、街道は消えてしまう。

芸能人のゲストを一般家庭にお招きして“おもてなし”をするという新しい番組ジャンルを確立した「広島もてなしキング」。そのスペシャル版として、これまでの放送の中から選りすぐりの場面をピックアップ。さらに、今度はこっちから押しかけていってもてなしてもらっちゃおうという企画も登場する。◆もてなしのお返しに披露された数々の熱唱をお送りする「もてキンミュージックフェア」、ゲストのマル秘トークの爆笑コーナー、そしてもてなした家族がゲスト芸能人を訪ねる喜びの再会コーナーなど、もてキンの魅力を凝縮した１０５分のスペシャル版。ナビゲーターは棚田徹、くりすみわ。

視聴者から寄せられた「私が２０００年に見たい初夢」のお便りをもとに、人々の夢や願いを描くドラマ。◆２０００年１月２日。心を閉ざしている少女・玲奈（三倉佳奈）は、露天商の男（ＫＯＮＴＡ）から“ドリーム・キャッチャー”というペンダントをもらった。いい夢を運ぶお守りだと言うが、夢を見ない玲奈は全く信じない。やがて寝入った玲奈は、夢の中で自分にそっくりなユメ子（三倉茉奈）と出会う。ユメ子は夢の中に住む玲奈の分身で、夢の力を信じない玲奈にイライラしていた。ユメ子は玲奈を宇宙旅行する夢や、平成の坂本龍馬に変身する夢へと連れ出し、夢の素晴らしさを思い出させようとする。