車のトランクに死体を入れ「話したいことがあるんです」と自らの過去を語りかける殺人者。現代の人間の心の暗闇にひそむ狂気を描く。◆社長殺しの現場へ刑事に連行されてきた満夫。妻のあや子が社長の妻・サダに土下座している。２カ月前、社長と満夫はうまくいっていた。景気が良くなり、社長はスナックのホステス・秋代に入れあげる。満夫は帳簿を改ざんし、秋代にも手を出す。やがて社長は満夫の横領を知り、ねちねちといたぶり始める。満夫の心に殺意が生まれた。

アメリカ、イギリス、イタリア、ポルトガル、ドイツ、スペイン、日本の７か国８放送局が、コロンブスの大航海５００周年を記念して共同制作した大型番組。（１９９２年５月４日～６月１６日放送、全６回）◆コロンブスのアメリカ到達によって、アメリカ大陸とヨーロッパ大陸が初めて出会い、その時から世界は大きく変化していった。スペイン人がアメリカ大陸に持ち込んだ牛や馬、サトウキビや黒人奴隷は先住民の暮らしや大陸の生態系を大きく変えた。一方アンデスの高地からヨーロッパに伝えられたジャガイモは人々の飢餓を救い、ヨーロッパの人口増につながったといわれる。また現在のアフリカ人の主食・トウモロコシやキャッサバは奴隷船往復の際にアメリカからもたらされた。

小学校２年生の舞ちゃんがいろいろな料理に挑戦する。この年度からは舞ちゃんの弟役「文ちゃん」が登場。アニメのキャラクターと舞ちゃんたちが台所で大奮闘しながらもみごと料理を作りあげる子供向け料理番組。（１９９１年４月１日～２００６年３月３１日放送）

第２次世界大戦末期に募集された陸軍海上挺身隊は、ベニヤ板製の小型特攻ボートで敵に体当たりする水上の特攻隊だった。しかし多くはその攻撃すら果たせず輸送船や沖縄戦で亡くなっている。生存者や遺族へのインタビューでその悲惨さと戦争の無意味さを綴る。◆１９４３年１２月、日本陸軍は１５歳以上で中等学校３年終了を条件に船舶特別幹部候補生を募集し、海上挺身隊を組織した。広島県江田島幸ノ浦で特攻ボートに爆薬を積み敵艦船体当たりする訓練を繰り返し、１９４４年９月戦況悪化の中フィリピンや沖縄などに配備された。しかし圧倒的な戦力差の前になすすべもなく、１期生１９８０名のうち１１８５名が戦死した。訓練中の３期生は広島原爆の救護活動に動員されている。

馬鹿正直で純な男・森の石松が、親分・清水の次郎長の名代として出かける金比羅参りの珍道中を描く時代劇。◆ある日、石松は親分から四国の金毘羅様に刀を奉納に行くよう頼まれる。親分の名代という大役に勇んで旅立った石松は、無事役目を果たすと、帰りに見受山の侠客・鎌太郎を訪ねた。鎌太郎は、次郎長の女房の香典に、と石松に百両を託す。しかし石松は、浜松で再会した兄弟分に泣きつかれてその百両を貸してしまう。

各界の著名人の“交遊録”を軸に、出会い、別れ、愛憎など、人と人との深い結びつきを描きだす。（１９９２年４月３日～９３年３月２６日）◆今回は、元横綱大鵬の大鵬幸喜と元横綱柏戸の鏡山剛。

１９９２年に相次いでこの世を去った二人の偉大な作曲家、いずみたくと中村八大をしのんで、東京・サントリーホールで行われた追悼コンサートの模様をおくる。司会は黒柳徹子と永六輔。◆メモリアル・オーケストラによる曲目は「恋の季節」「帰ろかな」「希望」「遠くへ行きたい」「見上げてごらん夜の星を」「上を向いて歩こう」「夢で逢いましょう」「夜明けのスキャット」「世界は二人のために」「黒い花びら」「こんにちは赤ちゃん」「いいじゃないの幸せならば」「おさななじみ」「涙を越えて」「いい湯だな」「さよならさよなら」ほか。

大量消費社会が生み出す産業廃棄物が社会問題となっている。処分の追い付かない都会のゴミが、地方に暮らす人々の生活を脅かす。環境を守ろうとする人々の戦いを追う。◆一昨年、宮城県丸森町耕野地区で、水源のある山の頂上に廃棄物処分場が完成した。水道設備がなく地下水で生活する住民を無視し、宮城県は操業を許可。住民は裁判を起こす。これに対し、仙台地方裁判所は「処分場の公共性よりも住民たちの生きる権利を優先させ、操業の差し止めを命じる」判決を下した。