７年に一度行われる諏訪大社の御柱祭。木落としの勇壮さは名高く、雄大なスケールで日本の奇祭の一つにも数えられる。２００４年に行われた御柱祭の準備の様子や、氏子たちの熱い思い、御柱が通る街道筋の様々な表情を捉える。

岡山県加茂川町（現・吉備中央町）には富士登山を経験している人が大勢いる。この町では小学６年生になると、みんな富士山に登るのだ。１５年も続いている夏休みの恒例行事。富士登山を心待ちにしている子供たちは、春から登山靴を履いて登校し、足慣らしに余念がない。地域の大人たちは登山靴姿の子供を見るにつれて「あの子はもうこんなに大きくなったのか」と成長に気付かされる。◆富士登山では町内の子供たちと地域の大人有志が「チャレンジ隊」を結成する。１０人グループで９班を編成する大所帯だ。しかしこれだけの人数でも、怪我などの事故は一度も出ていない。子供たちとともに参加する大人たちの熱血サポートがあるからなのだ。◆初めて目の当たりにする富士山に目を輝かせる子供たち。その先に待ち構える厳しい大自然の洗礼。高山病の辛さに耐えかねて、くじけそうになる心。それを優しいまなざしでサポートする大人たち。山頂で彼らを待ちうけるものは…。

「はぐれ刑事」こと安浦吉之助刑事の活躍を描く人情刑事ドラマシリーズ。（第１７シリーズ／２００４年７月７日～９月２２日放送、全１２回）◆篠原夫妻殺害事件を追う安浦刑事（藤田まこと）。咲子は、２０年前に身代金目的で娘を誘拐された浅井夫妻の依頼で、本多夫妻の娘・祐子について調べていた探偵だった。事件は既に時効だが聞き込みを続けるうちに、２０年前に本多が１千万円の借金を背負っていたこと、その額が誘拐事件の身代金と同額であること、本多の妻の出産記録があいまいであることなどが判明していく。

公務員退職後、「社会人入学」ではなく一般入試を突破して島根大学法文学部の法科に入学した男性の、大学４年生としての１年間を追う。◆自分の息子より若い同級生たちと一緒に、いつも教室の最前列で講義を受け続けた青山さん。４年間無遅刻無欠席の模範生で、卒業式には成績優秀で表彰を受けた。

２００４年２月にこの世を去った画家・杉本健吉氏は「感激は受胎」という言葉をよく口にした。毎日の生活の中で垣間見る命の感激が新たな創作を生む源だという意味である。絵画のみならず、陶芸、木彫、紙工作など様々な創作に取り組む姿を１５年にわたって追い続けた膨大な取材映像を元に、杉本画伯の画家人生を振り返る。◆杉本画伯に心酔する画家・黒田征太郎さんが愛知県美浜町立上野間小学校の子どもたちを杉本美術館に招き、「杉本さんの絵をみて感じたことを絵にしてみないか」と話しかけた。子どもたちは様々な作品から感じとったものを絵や工作で表現した。感受性に満ちた子どもたちの作品を見て、黒田さんは、いつまでもその感覚を持ち続けて欲しいと子どもたちにやさしく語る。その後、美術館を出た黒田氏は、杉本画伯の四女清子さんの案内で画伯が好きだった場所を巡る。「船の家」「聚楽園」「旧カブトビール工場跡」、そして自宅へ。自宅アトリエの机の上には、画伯愛用の筆や絵具がそのまま残されており、黒田氏はそれらがごく普通の絵具や筆であることに驚く。杉本画伯がカブトビール工場跡を描こうとしていた１００号キャンバスもそのまま残されていた。清子さんは、そのキャンバスを使って、画伯が計画していた工場跡の絵を黒田さんに描いて欲しいと提案した。黒田氏はいったんは固辞するが、絵を描くことを決意する。

新渡戸稲造顕彰の機運が高まる盛岡・東京・札幌での取り組みを紹介すると共に、小説「壬生義士伝」で日本人の義と誠を描いた作家・浅田次郎氏が、「武士道解題」を日本語で著した元台湾総統・李登輝氏を訪ね、新渡戸の精神に迫る。◆盛岡に生まれた新渡戸は、農学者・教育者・国際人として様々な功績を残したが、なかでも彼が英文で著した「武士道」への評価は今なお高まっている。戦前の日本統治下の台湾は、製糖事業を通して台湾農業の振興に努めた新渡戸に加え、総督府民政長官を務めた後藤新平など多くの岩手県人とゆかりがあった。

日本語を切り口に、言葉という窓口から時代を見つめ、改めて言葉を考える番組。◆第１回は著書『声に出して読みたい日本語』で一大日本語ブームを巻き起こした明治大学教授・斎藤孝さんをゲストに迎える。斎藤さんは日本語力を付けるには、話し言葉よりもまず書き言葉が大事だと訴える。その書き言葉を身に付けるには、読書が何よりの方法だという。

静岡が誇る大自然・南アルプスのゴールデントライアングルといわれる千枚岳、荒川三山、赤石岳までのルートを縦走。その途中で出会うスケールの大きな風景、高山植物の花々、ライチョウなどの動植物を美しい映像で紹介する。