過疎に悩みながらも、地域に愛着を持って生きる人々の暮らしを通して、地域再生の手がかりを考える。◆富山市上滝地区は旧大山町の中心部だったが、富山市と合併。商店街に再び活気を取り戻そうと、塚田さん（８２歳）らが街角サロン「よってかれ家」を開いた。地元産大豆で作る豆腐が人気で、憩いの場として子育て相談やサロン活動なども行っている。さらに過疎化の進む魚津市虎谷地区は、一人暮らしが４軒だけの限界集落。平野さん（４１歳）は亡き母の故郷でもあるここに手作り家具の工房を開いた。村の神社で結婚式を行った際には、村を離れた元住人も集まって盛大に祝福された。定住も考えているが、上下水道、除雪などのインフラ整備が気がかりだ。富山市土も、橋本さん（２７歳）の３人家族が住むだけの限界集落。田舎で自然農業をやりたいと両親が都会から移り住んだ。彼女は東京の大学に進学したが、田舎の価値を見つめ直し、卒業後に帰郷した。両親が起こした有限会社土遊野の代表取締役に就任し、循環型の農業を目指している。

平日昼の生ワイド番組。月曜から木曜まで日替わりのパーソナリティが独自性を出したコーナーを展開し、昼の人気生ワイド番組として定着している。（２００７年４月放送開始）◆月曜は、ＭＥＧと英太郎の二人のパーソナリティの絶妙な掛け合いが人気を博している。特に１３時台後半の人気コーナー「時事ダイヤリー」は、ものまねタレント英太郎が、オリジナルキャラクター「熊次郎じいちゃん」と、熊本が生んだ大スター“ばってん荒川”を髣髴させる「ばあちゃん」の２役に扮し、毎週スタジオに、ＭＥＧと楽しい茶飲み話をしにやってくるという設定。当初は時事ネタを斬るという企画だったが、じいちゃんのとぼけたキャラクターがウケ、最近はリスナーからの質問メールにじいちゃんとばあちゃんが答える形になってきた。このコーナーはポッドキャストでも配信され、県外リスナーも多い。今回は子どもの日特別企画で、じいちゃんと話してみたいリスナーから電話を募集する。（６０分の編集版を公開）

「水腫脹満」とは、お腹が膨れて衰弱し、やがて死に至る恐ろしい病。古くから山梨県の風土病で、水腫脹満にかかると欠けた茶碗のように元に戻らず死んでしまう、と言い伝えられた。「地方病」とも呼ばれる「日本住血吸虫病」である。明治中期から原因究明が始まった。甲府市の三神医師が病原寄生虫を発見し、長野県出身の宮入博士は日本住血吸虫が寄生する貝を発見（ミヤイリガイと命名）した。昭和町の医師、杉浦健造・三郎親子は住民の治療に尽力した。こうした努力で治療と予防も進み、１９９６年に終息が宣言された。一方、ミヤイリガイ駆除のための水路コンクリート化で、国の天然記念物だったゲンジボタルが激減。ホタル愛護会が復活に向けて活動している。海外では今もこの病気で毎年２万人以上が死亡している。市立甲府病院元神経内科医長の林さんは長年フィリピンで患者を治療してきた。また、山梨県内で今もミヤイリガイの生息が確認されている。今後の患者発生の可能性も否定できず、１００年以上この病と闘った先人達の思いを風化させてはならない。

絵本作家のいせひでこさんは、東日本大震災当時、世田谷文学館で原画展を開催していた。これからの日本はどうなっていくのだろうと不安に駆られ、今まで絵を描いて立ち直ってきたのに、絵が慰めにならないほどに落ち込んだ。それでも絵描きとして出来ることはないかと考え、絵本「木のあかちゃんズ」を緊急出版し、被災地の子どもたちに届けた。子どもたちとの交流を通じて、たくさんの気づきもあったと話す。震災前に着手していたチェロの絵本は、音楽や木の美しさを伝えるだけでなく、伝えていくことの大切さや、その伝承が未来を作るというメッセージへと、心境の変化とともに変わり、絵本「チェロの木」としてまとめられた。震災前後の絵本作家としての活動とその時々の思いを聞いた。

旭川大学客員教授の磯田憲一氏がリーダーを務める「君の椅子プロジェクト」は、新しく市民となった子どもたち（新生児）に「生まれてきてくれてありがとう」の思いを込め、居場所の象徴として椅子を贈る取り組みだ。２００６年にスタートし、現在は東川町をはじめ、剣淵町、愛別町、東神楽町の４町に広がっている。名前やロゴ、一連番号が刻印された世界でひとつだけの椅子で、確かな技を持つ旭川家具の職人が、毎年新たなデザインで作っている。少子化高齢化、過疎化が進む中で、新たな命の誕生を地域の喜びとして分かち合える地域社会作りを目指すこの取り組みは、北海道に新しい幸せの価値を作っている。座るための家具である椅子に、このプロジェクトは「居場所」という新たな意味を加えた。「居場所」を作るということは「存在」を大切にすることである。磯田氏を中心にインタビューを行いながら、地域の取り組みにとどまらない「命の取り組み」を浮き彫りにしていく。

「Ｓｋｙｒｏｃｋｅｔ　Ｃｏｍｐａｎｙ」　は、明日への狼煙をあげるラジオの中の会社。２０代を中心とする「社員」（リスナー）がラジオの中の会社に出社することで、現実の会社ですり減らしたエネルギー、モチベーションを再び充填し、翌日の仕事につなげてもらう。本部長はマンボウやしろ、秘書は浜崎美保。（２０１３年４月放送開始）◆ゴールデンウィークも明けて、仕事仕事の日々を送っている人も、必死で就職活動中の人もいる。本日は「あなたがその仕事を選んだ理由」と「好きなことを仕事にすべきか」を議題に議論する。昔から好きで今の仕事やっている、という人もいれば、やっているうちに好きになった、という人もいる。逆に、好きなものを仕事にすると嫌いになるからやめた方が良い、という意見も出てくる。働くということは、どういうことなのか、リスナー全員で考える。

福岡県北九州市と岩手県釜石市などの製鉄関連設備を含む「明治日本の産業革命遺産」が世界文化遺産に登録された。製鉄所の主要な設備である高炉による製鉄は、釜石で産声を上げ、北九州市の八幡で花開き、日本の近代化に大きな役割を果たした。その歴史は過去のものになった訳ではなく、鉄は今なお釜の中で赤々と燃え、鉄作りの心は人々の中に生き続けている。鉄と深く関わり、鉄に魅せられた人たちの物語を描く。◆釜石から来た少女は、鉄鋼マンの父親が作った“鉄の河童”を握りしめていた。その少女はある日、北九州市で一人の男と出会う。彼も鉄鋼マンだった。彼は、少女の願いでその“鉄の河童”の家族を作ろうとするが、ある事情でなかなか約束を果たせない。無骨な北九州の鉄鋼マンと、釜石の少女との心の触れ合いが紡ぐストーリー。作：美和哲三、出演：鶴賀皇士朗、多田香織、ほか

サーカスに恋をした田中未知子さんと、香川で開催された日仏共同創作公演「キャバレー」の制作から上演までを通して、現代サーカスの魅力に迫る。◆不思議で妖しい魅力を持つ現代サーカス（ヌーボシルク）は、フランスで１９７０年代に生まれたアートなサーカス。その魅力に惹かれた田中さんは仕事をやめ、たった一人で香川で現代サーカスの活動をはじめた。そんな田中さんの瀬戸内サーカスファクトリーが、日仏共同制作で「キャバレー」を公演することになった。構想２年、フランス人８人と日本人５人が、２週間かけて作り上げる。多くの人に知ってほしいと、創作の過程も見学自由にした。無謀と思われた計画だったが、多くの人に支えられ、公演の幕が上がる。