愛知県瀬戸市にある海上の森（かいしょのもり）。２００５年の愛知万博開催が決定した際、大きな反対運動や博覧会国際事務局からの指摘等で開発の手を免れた。このことで日本を初め世界の自然保護活動に大きな影響を与え、今では象徴的な存在となり、多くの人が訪れる森となった。あれから３年、この守られた森「海上の森」を、万博ではインタープリターも務めた地元アウトドアタレントの鉄崎幹人が散策し、自然の中からいろいろなものを見つけ出し、自然の美しさ、楽しさを、音と言葉で伝えていく。ゲストに海上の森に深く関わってきた大学教授の木村光伸氏を迎え、専門的な意見や見解を聞きながら、身近な環境問題を問いかける。

やっかいものだったシラスを環境素材へと生まれ変わらせた人々を描く。◆土砂崩れを引き起こしたり、農作物の生育を妨げたり、乾燥した日に風で舞い上がり、人々を悩ませ続けた、南九州のシラス台地。しかしこのシラスを貴重な資源だと考えるシラス産業構想がある。鹿児島市の市電が走る緑の軌道は、シラスを使っていながら保水力の高い「シラス緑化基盤」というブロックで緑化されている。このブロックは県工業技術センターと県内の企業が共同開発したものだ。鹿児島の中学校でも、自分たちでこのブロックを造り、学校の環境改善を行っている。鹿児島の未来を変える新産業。そこにはものづくりの精神と固い信念、そして郷土愛があった。

平日夜の生ワイド番組「なまらん」の中で、パーソナリティの吉川典雄が道内の高校を訪ね、「高校生アスリート」を紹介するコーナーの特別版。毎年インターハイが終了する９月と卒業シーズンの３月に放送している。◆今回は、女子ジャンプ競技で頑張る札幌日大高校の佐藤さくら、陸上８００ｍ走で悲願の全国優勝を成し遂げた札幌国際情報高校の岡昇平の１年間の記録、全道唯一の男子ソフトボール部である旭川龍谷高校を取り上げた。この３０分編集版は、その中から旭川龍谷高校ソフトボール部の部分を抜粋したもの。奥出主将を中心に、なぜソフトボールを選んだのか、スポーツを通じて得たものなどを聞く。

西日本放送が２５番目の民放ラジオ局として誕生したのが１９５３年（昭和２８）１０月１日。その年の１１月１７日午後２時３０分にスタートした「タンゴアルバム」は、５５年以上にわたりアルゼンチンタンゴにこだわり、現在も放送を続けている。パーソナリティは岡田寛氏が半世紀以上担当している。タンゴは人生を３分間に凝縮した音楽、男がいて女がいてお酒がある。この特別番組はこれら３つのキーワードをもとに、タンゴの魅力を発信できないかと、開局５５周年の節目に企画された。タンゴを愛する男、岡田寛氏と、アルゼンチンに生まれ讃岐人として生きる女性、アンヘリカ中西百合子氏をゲストに迎え、生粋のアルゼンチンタンゴを知る二人がタンゴを語り合う。また、日本のタンゴの草分け的存在、早川真平氏とオルケスタテピカ東京に藤沢嵐子氏と共に参加し現在も歌い続けるタンゴシンガー柚木秀子氏や、ブエノスアイレスにわたり２００８年にブエノスアイレスにてカンバタンゴとしてＣＤを正式リリースした２０代の若きバンドネオン奏者平田耕治氏のインタビューを交えての６０分。ちょっぴりお酒も酌み交わしながら、まだまだ色褪せていないアルゼンチンタンゴの魅力を伝える。

道頓堀にこだわり、そこで三味線を弾き、唄い続ける芸人、暁照夫の半生を、道頓堀の変遷に重ねて描く。◆四国の天才浪曲少年、暁照夫が大阪にやってきたのは２０歳の頃。道頓堀では再開場した角座にダイマル・ラケット、かしまし娘らが出演し、日本一の演芸場として賑わっていた。浪曲人気は下火になり、暁照夫らは３人で宮川左近ショーを結成。節と笑いを織り交ぜた舞台で人気をよび、角座のトリをとるまでになる。暁照夫の売り物は、三味線の早弾きと「なんでこんなに巧いんやろ」の決め台詞だ。だが、リーダー宮川の死でトリオは解散、時代の変化で道頓堀でも歴史ある劇場が次々閉館になる。それでも暁照夫は舞台に立ち続けた。そして芸能生活６０年目の２００８年、Ｂ１角座の閉館が決まり、道頓堀五座３５０年の歴史に幕が下ろされる。

山崎昭夫アナウンサーが、温泉ソムリエの遠間和広さんを迎えて、北海道に次ぐ全国第２の温泉天国・信州の温泉の魅力を紹介する。◆以前にテレビ番組で息のあった温泉トークをくりひろげてきた二人が、久しぶりに温泉旅を満喫する。選んだ温泉は、北信州を代表する野沢温泉村の共同浴場と山ノ内町（志賀高原）の湯田中渋温泉郷。ともに古くから地元の住民のよって守られてきた温泉である。そして、長野市にある源泉かけ流しの温泉は、地中から湧き出している温泉がそのまま浴槽に流れ込んでいる。この温泉旅館主人は大学の名誉教授で、山崎アナウンサーを相手に温泉講義を繰り広げる。

沖縄県糸満市の真栄里地区には、沖縄戦で戦死した山形部隊の兵士を祀る「山形の塔」があり、隣接する真栄平地区にはアイヌ兵士と住民を祀る「南北の塔」がある。これら二つの塔の墓守りである二人の証言を中心に沖縄戦の記憶をたどりながら、戦争の記憶をめぐる現状を報告する。◆山形の連隊本部に配属されていた女性と、アイヌ兵士と生死を共にした男性。二人の証言は戦争の悲惨さを伝える。また、二つの塔には遠く山形、北海道から遺族が慰霊に訪れ、戦没者に語りかけたり、アイヌの子守歌を捧げたりしてきた。

ＤＪ　ＰＯＣＫＹの進行で、鹿児島のピアノマン・木下航志の“今”の声を伝える毎月１回の番組。（２００８年４月～２００９年９月放送）◆第１回は、盲学校を卒業したばかりの木下が、これからの活動や音楽への思いを語る。この番組のためにライブ収録した「Ｒｉｂｂｏｎ　Ｉｎ　Ｔｈｅ　Ｓｋｙ」と「世界の果て」もオンエアする。以前にリスナーとしてラジオに電話をしたこともあるという木下。昨年は尊敬するスティービー・ワンダーに会うことができて、あることをお願いしたと言う。また、音楽関係者にインタビューするコーナーでは、音楽評論家の吉岡正晴氏に１８歳の頃の思い出や影響を受けた評論家について聞く。