中国奥地、泰嶺山脈の奥深くに住む「キンシコウ（金絲猴）」の生態を、中国の研究者たちに同行して取材。８か月にわたる記録から、謎とされてきたキンシコウの生態とともに、地域の人々の暮らしを紹介する。◆その名のとおりに全身が金色の毛で覆われ、上向きの鼻に青い顔という特異な容貌を持つ猿・キンシコウは、孫悟空のモデルともいわれ、中国ではジャイアントパンダと並ぶ第一級の保護動物とされている。地域の人々には山の神として祭られてきた。

大手自動車メーカーの「系列」傘下にあって生き残りをかけて苦闘する部品メーカーの姿を描く。原案：清水一行。（全２回）◆前編「崩壊の序曲」。日本を代表する自動車会社・東京自動車の系列傘下にある自動車ランプメーカー、大成照明器。企業としての独自性を守ろうとして部下たちの造反にあい、会長を解任された浜岡茂哉（佐藤慶）は、引退して趣味の陶芸に熱中する。大成照明器に残った長男・祥吾（三浦友和）も、会社の経営方針に納得が行かずに大成を辞職。技術者の岩田（坂上忍）と共に、別会社・開発研究所「ハマオカ・ジャパン」を設立する。一方、次男の恒男（西城秀樹）は東京自動車で関連企業調整室の室長となる。

世界中の美術館から、収蔵している古い日本の美術品を修復してほしいという依頼が相次いでいる。シカゴ美術館から６５年ぶりに里帰りした『阿弥陀三尊来迎図』の修復を例に、日本の表具技術の質の高さを紹介。繊細ち密な技と修復材料吟味の周到さなど、美術品保存に情熱を傾ける技術者群像を描く。

京都・伏見の造り酒屋大丸屋の次男・惣三郎は、家に伝わる名刀「村正」を、見て楽しむだけとの約束で肌身はなさず持ち歩いている。ある日、惣三郎は親の反対が解けるまで会ってはならぬと言われていた元芸者・お時の住いを訪ねた。が、冷たくされたため、持っていた「村正」を振りまわす。

水戸のご老公が、大阪にいる水戸の浪人の元に居候していたときの話。その浪人を住まわせていたのが博徒の清五郎。その清五郎が「うちにいる水戸の浪人が日本一強い」と自慢したことから、遊び人仲間が別の浪人を連れてきて勝負させようということになった。

天保六歌仙で知られる御数寄屋坊主・河内山宗俊のうわさ話。◆城から帰る途中、知り合いの丑松と会う。金を無心された宗俊、袋物の大店・丸利から金をゆすりとろうと一計を案じた。

山形市内のデイサービスセンターで働く西サモア生まれの女性を紹介する。◆南大西洋の小さな島、西サモア出身の２８歳の女性。青年海外協力隊の農業技術指導員として派遣されてきた日本人男性と知り合って結婚、山形市へ移り住んだ。いまは市内のデイサービスセンターで、亡き両親への思いを込めながらお年寄りの介護に当たっている。

ベトナムからトルコ国境へとアジアを東西に横断する“アジアハイウェー”。国連の提唱によって建設され、繁栄と平和の道となるはずだったこのルート上の国々の現状を描くシリーズ。（１９９３年４月２５日～１９９４年３月２７日放送、全１０回）◆第八集は、人口の９７パーセントがイスラム教徒の国、パキスタンを走る。イギリスの植民地から、１９７４年にインドと分離し、独立した。「イスラムはひとつ」というイデオロギーのもと、多民族国家パキスタンはどのような国づくりを目指すのか。インドとの因縁によって、国家予算の多くを軍事費に割かれる国の現実と理想を見る。