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ニュース映画

毎日世界ニュース 405 みちのくの愛鳥少年隊

番組ID
N00767
※放送ライブラリーの視聴ブースでは、番組IDを入力することで、簡単に番組を選べます。
上映日
1959年05月13日(水)
時間(秒)
140
カテゴリ
地域
概要
東北の港町、宮城県気仙沼市の山頂にある、ぼくたちの「インカ少年連合国」は、夢と希望にあふれた子供たちだけの集まりである。今日は新入隊員の歓迎式。先輩の激励の拍手を浴びたあと、インカ国の守り神、聖なる太陽に向かって誓いを新たにする。ぼくたちで建設したお城は「椋鳥図書館」。中では首脳会議が開かれて、隊長たちの胸に花をかたどった階級章がついている。ぼくたちの大事業の一つは、野鳥の保護観察。野鳥講座はいつも熱心な隊員で一杯だ。5月10日のバードデーには小鳥のお墓参りのあと、舟で橋の下の「いわつばめ」の数調べ。毎朝顔を合わすぼくたちの友だちだ。それぞれ有り合わせの板切れで作った手製の巣箱を持って、山では「むくどり」の家造りと観察。もう今では巣箱が600戸になった。また新しい「むくどり」が1羽住み着いたようだ。傷ついた小鳥も、ぼくたちインカ少年隊の愛情によって大空に帰って行く。

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毎日世界ニュース 426 救援を待つ災害地

次第に明らかになっていく伊勢湾台風(台風15号)の被害状況。奈良県吉野郡川上村では山津波で54人が生き埋めとなり、救出作業は困難を極め土砂にのまれた人々の生命は、全く絶望視されている。伊勢神宮では樹齢8百年を超す神木が根こそぎに倒されて、復旧作業に初めて神域にクレーン車が入った。あれから一週間、依然泥海に孤立したままの中京地方では、ついに大切な土地家屋を捨てて、被災者たちが危険を冒して続々と舟や車で集団避難を開始。しかし、衰えを見せぬ濁流にもまれて、自衛隊の救出作業もなかなかはかどらず、空からは日米40機のヘリコプターが出動、人々は着のみ着のまま恐怖におののきながら避難所へ運ばれて行く。国道にも延々と避難者の列が続いている。一方、全国からの救援物資もようやく到着、地元高校生の勤労奉仕で災害地へ向けて食糧のピストン輸送が始まったが、救援物資を積んだ車が至る所で立ち往生。やっと届いた物資も、現地ではわずかに握り飯と、キャベツ1個に水1升の配給というわびしさだ。それでも久しぶりにありついた食料で僅かに生気を取り戻したが、ほっとする間も無くまたも無情の雨が降って、決壊した堤防からは再び海水が逆流、豊作の夢は無惨にも湖水に呑まれてしまった。更に、1週間にわたる長い汚水の中の生活に伝染病が至る所で発生。既に名古屋市内の病院は450名の赤痢患者で満員の有様。死者・行方不明合せて5千名を突破。学校の校庭にはまだ引取り手も無い死体が、野ざらしのまま冷たい雨に濡れている。やっと始まった仮堤防工事もはかどらず、水が引くまでには2、3ヵ月もかかりそうな現状だ。1959年10月3日、岸信介首相が名古屋に到着、翌4日には皇太子さまもお見えになって、空から水害地の惨状を視察した。史上空前の惨禍を受けた災害地は、泥海の中で今救援の手を待ちわびているのである。


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毎日世界ニュース 436 さよなら日本

1959年12月10日、品川駅の内外を埋めつくした旗の波に送られて、北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)への第1次帰還が始まった。父の遺骨を抱いた少女も、息子に背負われた老人も、思い思いの希望を胸に集結地新潟に向かうのだ。予想された韓国側の妨害もなく帰還列車は順調なスタートを切った。しかし翌朝新潟駅構内にさしかかった頃、韓国青年行動隊の妨害で列車が一時立ち往生する騒ぎが一度ならずあった。列車は20分遅れて新潟駅に到着。警官隊護衛の中をバスを連ねて宿舎日赤センターへ向かい、第1次帰還者975名の集結を無事に終った。宿舎の周辺は万一に備えて昼夜をわかたぬ厳重な警戒。その中で帰還者たちは問題の意思確認手続きもなごやかに済ませ、日本の小学生が別れに歌うアリランの調べに、旅情を慰めながら静かに船出を待った。14日いよいよ帰国の日。帰還者たちは新潟港に待つ2隻のソ連船に乗船、葛西嘉資本部長(日本赤十字社副社長)から、李一卿(北朝鮮赤十字社副社長)北朝鮮代表に帰還者名簿が引き渡されて、日本とも間もなくお別れである。長い曲折を経て3年ごしにやっと実を結んだ帰国の夢。苦しかった日本での生活も今日で終る。祖国ではきっと温かい歓迎が待っていることだろう。送る人、送られる人、喜びと別離の涙もこもごも氷雨降る新潟港をあとに、第1次帰還船はクリリオン号を先頭に岸壁を離れて、一路清津(チョンジン)港に向かった。


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