東京大学大学院情報学環のメルプロジェクトと日本民間放送連盟とが共同で実施した、メディアリテラシープロジェクトの一つ。宮城県の高校生が、東日本放送の夕方ワイド「あなたにＣｕｅ！」で生中継のコーナーを丸ごと制作するという試みを紹介する。◆その生中継の裏側を紹介し、スタジオに招いた高校生たちから、放送を振り返って彼らが何を学んだか聞く。皆がバラバラで何をしていいか分らないリハーサルから、何とか放送を終えるまでの悪戦苦闘振りが描かれている。生中継が終っても、またその様子を振り返っても最後は涙、涙。高校生達はテレビの番組を作ることの楽しさと大変さを学び、一つのことを成し遂げた達成感を感じたようだ。◆対象年齢（主な出演者の年齢）：高校生以上

「僕はね、市場が好きなんだよ。人がうごめく雑多な市場が…」。洋画家界の重鎮、吉井淳二さんが描いてきたのは、素朴な庶民の生活情景や、健康的なおおらかさ。吉井さんは１９０４年（明治３７年）鹿児島県曽於市末吉町生まれ。東京美術学校で和田英作に学び、パリに留学。帰国後は二科会の中心作家として活躍した。戦後は、東郷青児らとともに二科再建に尽力。後に理事長として日本洋画壇をリードしてきた。文化勲章を受賞し、９９歳の現在も現役である。アトリエでの制作風景や、故郷での「末吉町洋画展」の審査風景などを紹介しながら、吉井さんの人柄、そして絵の世界観を描く。（吉井さんは２００４年１１月に百歳の天寿を全うした。）

千年近くにわたって日本の「ものづくり」を支えてきた道具や原料が、姿を消しつつある。１０年前から手に入らなくなったという「ネズミの毛の蒔絵筆」を通して、伝統工芸産地の深刻な実情を浮き上がらせるとともに、こうした道具の復活を模索する職人たちの必死の姿を追い、日本のものづくりの原点が置かれている厳しい現状を伝える。

日本では幻の鳥となったカリガネを通して、人と自然の共存を考えるドキュメンタリー。◆ラムサール条約に登録されている宮城県の伊豆沼周辺には、日本に飛来するガン類の約８割が集まる。一見豊かな自然に見えるが、湿地が激減して行き場を無くした鳥たちの姿である。ガンの仲間であるカリガネは万葉集にも詠まれた身近な鳥だったが、今では年に１０羽程度しか見られない絶滅危惧種となった。そのカリガネが中国湖南省洞庭湖で１万羽以上が越冬している事実を知り、立松和平は中国へ向かう。また、宮城県で実践されている冬期湛水水田の試みを紹介する。

１７世紀、ルイ１４世は不穏な空気に満ちたパリを離れ、ブルボン王朝の舞台をパリ郊外のひなびた村ヴェルサイユに移し、巨大な宮殿と庭園を建築する。すべての君主が憧れ、後に建築される数々の宮殿のモデルとなったこのヴェルサイユ宮殿と庭園は、１９７９年世界遺産に登録された。◆宮殿の西、３キロ近い直線の軸に沿って左右対称に幾何学文様が描かれ、国王の歩みに合わせて１，４００もの噴水が噴出すフランス式「庭園」は、人工美の極致だった。宮殿内の７３ｍにもおよぶ大回廊「鏡の間」の巨大な１７の鏡は、彼方にまで続く庭園を映し出す。自らを太陽神アポロンになぞらえた王は、３，０００名の貴族をここに住まわせ、儀式ばった生活をさせた。それは王を神格化する舞台だった。太陽王は、起床時間になると数百人が見守る中で、顔を洗い、かつらを選び、排便までした。「王とは国民のものだ」と考え、宮殿には誰でも自由に入れた。権力と美を愛した男は、時に報酬や恩恵よりも「芸術」が、人々の心を強く促えると知っていたのだった。◆大運河、大理石の中庭、太陽王の紋章、王の寝室、王室礼拝堂、アポロンの泉水、ラトナの泉水、グラン・トリアノン、プチ・トリアノン、マリー・アントワネットの文机、蒔絵小箱、犬型蒔絵、マルタン・ワニスの小箱、王妃の村里、王妃の寝室室

“平成の大合併”にあわせて政令指定都市入りを目指す金沢市と、単独町制を守る野々市町の攻防を追うドキュメンタリー。◆大河ドラマ「利家とまつ」に沸いた石川県金沢市。しかし、百万石の城下町は合併問題に揺れている。政令市への昇格めざして隣接する町村へ合併を要請したが、いずれも拒否されたのだ。新潟市と富山市も政令市へと動いているため、古都・金沢の焦燥感は募る。都市化による行政の効率化か、それとも顔の見える住民自治か。合併を拒否し続ける野々市町長を通して、平成の大合併がはらむ問題点を探る。

「親切」や「優しさ」などをテーマにしたショートストーリー。日常のささいな出来事のなかに隠された、心打たれる瞬間をつづる。◆この回は「キモだめし」。

新潟各地にある、ご当地おやつの数々。その現地を訪ね、人気の秘密や誕生秘話を探る。◆おやつというと子どものもの、と感じる人でも、懐かしいふるさとにしかないお菓子ならつい手が出るというもの。新潟各地には、昔から地元で愛されてきたご当地おやつがたくさんある。下越地方を中心に、縁日になると出現する「ぽっぽ焼き」の屋台。その素朴な味わいの秘密、そしてなにゆえ「ぽっぽ」焼きなのか。全国どこにでもあるかりん糖、しかしこれも地域によってその趣が異なる。また米どころ新潟ならでは、お煎餅も各地の味わい。いまでは全国に知られた「柿の種」誕生秘話も。