プロ野球オープン戦。第５回、毎日と巨人定期戦の第２戦は、１９５６年３月１１日、神宮球場で行なわれた。毎日は第１戦先勝の勢いに乗って、最初から攻勢に立ち、結局７対２で巨人をくだして連勝した。

日ソ漁業交渉の河野一郎農相は、１９５６年５月２６日、およそ１万の人が出迎える羽田空港に帰った。手に手に日の丸の旗をかざし、のぼりを立てる歓迎に応えてご満悦だ。直ちに車を連ねて外務省へ重光葵外相を訪問、さらに鳩山一郎邸を訪ね、首相に帰国の報告を行った。越えて２９日、衆院本会議において報告を行ったが、交渉経緯、暫定取決め内容などについて野党から鋭い追及を受けている。これより先の２４日、吉田茂前首相ら外交界の長老は東京会館に集まり、日ソ国交回復問題について、日本側の主張は軽々に譲るべきではないと意見の交換を行なった。２５日には北村徳太郎訪ソ議員団の主催で、ドムニツキー、チフビンスキー（新任）両氏の歓送迎会が開かれた。また、在ソ留守家族代表や漁民代表約２０００人は、２８日東京に集まり日ソ国交回復の促進を訴えた。一方、韓国に抑留された肉親を早く返してほしいと、西日本水産基地の留守家族は東京に代表を送って、李（承晩）ラインの即時撤廃、強力な外交で漁民を救えと訴えている。◆【李承晩ライン】昭和２７年（１９５２年）１月１９日、韓国の李承晩大統領が海洋主権宣言を出して、一方的に設定した水域境界線。域内に入る日本漁船を捕らえ、漁民を抑留した。

「小選挙区法案」をめぐって与党と野党の対立は益々激しく、委員会はいずれももみ合い。法案を本会議に移すまいと、社会党は牛歩戦術と動議戦法で引延ばしにやっきだ。益谷秀次衆議院議長は斡旋案を出したが、社会党の同調を得られず、議長の職権で開いた会議はついに与野党の激突で大混乱に陥った。しかし、１９５６年５月１日に到って、自民、社会両党とも一応議長の斡旋案を承諾、やっと審議は軌道に乗ったが、小選挙区法案の前途は益々多難だ。

日ソ交渉首席全権の決定を迫られた政府与党の首脳部は、１９５６年７月１３日、首相官邸に緊張した面もちで複雑な党内事情の調整に乗り出した。結局、重光葵外務大臣が首席全権を引き受け、松本俊一全権と共にモスクワに行くことになった。まさかと思っただけに岸信介幹事長は複雑な面持ち、これに対して冷飯組の吉田茂派らは早速勢揃い、励まされた重光も気を良くしている。日ソ交渉成否のカギといわれる領土問題は、ハボマイ（歯舞）、シコタン（色丹）の帰属をめぐって、国民注目の的となっている。

１９５６年９月２３日はお彼岸の中日、秋日和にめぐまれてお墓参りの人々はひきもきらず。７才の豆和尚さんも壇家廻りに遊ぶ暇もない忙しさだ。ワン君もニャン君も今日は特別の待遇である。東京文京区のお年寄り連は、お詣りだけが能ではないとお寺に集まって体操や踊りのドンチャン騒ぎ。お彼岸の各地の話題である。

ロンドンのランカスターハウスで開かれたスエズ会議は、米・英・ソをはじめ２２ヵ国の代表が、東西２つの陣営に分かれて激しく対立、結局振り出しに戻ったような形で閉会した。これに対し、エジプトはあくまでスエズの主権を主張し、ナセル大統領は国民の熱狂的支持を受けている。また、英国の陸軍は続々と地中海方面に増強され、スエズをめぐる緊張はいよいよ深まっている。

１９５６年３月１８日、ダレス国務長官は、重光葵外相らの出迎えを受けて羽田空港に到着。直ちに大使館に入ったが、滞在わずかに２６時間、その間、政府与党の首脳と２回にわたり懇談、日本の直面する軍事、政治、経済など重要な問題を討議した。

第２３回世界卓球選手権大会最終日の１９５６年４月１１日、個人戦で、日本は男子シングルスに荻村伊智朗選手が、女子シングルスに大川とみ選手が、男子ダブルスには荻村伊智朗・富田芳雄組が優勝、男子団体戦優勝と合わせて４つの選手権を獲得。女子ダブルスはルーマニアのロゼアヌ・ツェラー組の２連勝。かくて、大会は数々の成果を収めて、その幕を閉じた。