コロナ禍の特異な知事選をきっかけに起きた県政の混乱。当事者の発言、県民、専門家の意見をまとめ、検証したドキュメンタリー。◆２０２１年１月、２００９年以来１２年ぶりとなる山形県知事選挙が行われた。非自民の支援を受ける現職知事と自民・公明の推薦を受ける元県議の新人候補。全国で初めてという女性同士の一騎打ちの争いが注目された。現職優勢が伝えられる中、コロナ対応を理由に報道各社の個別インタビューや青年会議所の公開討論会を拒絶した現職知事は、選挙期間中に拡大したコロナ感染対策に徹し、連日、ニュースに“登場”。結果、現職知事が圧勝した。しかし、選挙後まもなく、県議会定例会に提出された副知事の人事案件を、最大会派で議席の半数を占める自民党など県政与党が否決。大差で敗北した県知事選の意趣返しを図ったとも言われた。県知事が「民意の軽視」だと反論すれば、県議会自民党も「議会軽視」だと互いに譲らない。県民からは「県民不在の政治だ」という声も上がっている。※２０２１年１０月２８日、副知事に選任された平山雅之氏に辞令が交付され、同日付で着任した。約７カ月半に及んだ副知事不在という異例の事態は解消された。

鹿児島ゆかりの作家・向田邦子の文章に秘められたメッセージを読み解く。ゲストは、鹿児島近代文学館学芸員の井上育子さん。「胡桃の部屋」、「かわうそ」、「春が来た」の３編を紹介しながら、向田が描いた個性的な登場人物の女性たちの行動や心情を紐解いていく。

半空文学賞の取り組みを紹介するラジオ番組「街の小さな文学賞」の特別版。◆香川県高松市にある小さなカフェバー「珈琲と本と音楽　半空」が主催する「半空文学賞」。本好きのオーナー・岡田陽介さんが店内で文章を書いている人を見て「何を書いているのか読んでみたい」と好奇心を抱いたところから、「自分で文学賞を設ければいいのではないか」と誕生した文学賞である。２０１５年「珈琲」というテーマで第１回がスタートし、２０２１年（第６回）のテーマは「ラジオ」。岡田さん自身がコロナ禍でラジオを聞く機会が増えたことからテーマが決まった。香川県出身で、半空文学賞の審査員でもある曽我部恵一（サニーデイサービス）の楽曲を挟みながら、受賞した１２作品の一部を西日本放送のアナウンサーによる朗読で紹介する。

ラジオ沖縄の技術管理部に所属する３人が、ラジオ放送の裏側から見ている景色をとことんマニアックに語る番組（２０２０年７月放送開始）。◆この日のコーナーは「わたしのベリカード自慢」。２０２０年６月３０日に閉局した新潟県民エフエム放送のベリカード（放送局に放送受信を報告するともらえる受信確認証のこと）にまつわるリスナーからの投稿を紹介する。リスナーからのリクエスト曲は、同時間帯に放送されているＮＨＫラジオ深夜便の天気概況で流れるＢＧＭ「Ｓａｎｔｏｒｉｎ」。改編期の放送となったため、エンディングのフリートークではフォーマット（放送の運行データ作成）についても話が及んだ。

横浜出身の若手サックス奏者手錢葵子（てぜに・あいこ）がナビゲーターを務める、土曜の夜の音楽アラカルト。ブラスバンドやウインド・アンサンブルの名演奏など、管楽器にまつわる曲やエピソードを紹介する。番組名はジャズのスタンダードナンバー「あなたと夜と音楽と」に由来する。◆第１回は手錢葵子の自己紹介とコーナー紹介、リクエスト募集などリスナーへの呼びかけ。今宵流れる演奏は「サー・デューク」、「海の男達の歌」、「星条旗よ永遠なれ」の３曲。

平日午後の生ワイド番組「源石和輝！抽斗！」の特別企画。「２０１１年３月１１日、あなたはどこで何をしていましたか？」源石アナウンサーが呼びかける。◆１４時台のゲストはラジオ福島パーソナリティの大和田新さん。「被災者に節目はない」と、自身や被災者の心情を赤裸々に語る。政府主催の東日本大震災追悼式からの中継では、地震発生時刻の１４時４６分に黙祷を捧げ、１分間の静寂から震災への思いを呼び起こした。１５時台は岩手県陸前高田市に行政丸ごと支援を続ける名古屋市の保健師・日高橘子さん、津波で流された位牌の修復ボランティアにあたった愛知県の仏壇職人・都築数明さんのインタビューを送る。１６時台は、震災当時楽天イーグルスの選手で野球解説者の山崎武司さんがスタジオゲストで登場。名古屋大学減災連携研究センターの新井伸夫さんの解説で、新型コロナウイルスによる防災の変化や、ＳＮＳの発達による人と情報の付き合い方、災害におけるメディアの役割を考察する。

１９３６年ベルリンオリンピックに砲丸投げの代表選手として出場した高田静雄さん。その生涯をミニドラマでたどりながら、スポーツの力は世界に広がる分断を越えられるかを考える特別番組。静雄さんは、原爆で大切な娘を失い、陸上指導者の道も諦め気持ちが塞いでいたが、ベルリンで出会った「写真」への情熱を思い出し、躍動するスポーツ選手たちの姿をこの手で撮影したいと思うようになっていった。１９６０年ローマオリンピックの写真展では、女子選手が右足を伸ばし準備運動している姿を映した作品が入賞し、写真家として再びオリンピックに関わった。陸上選手の躍動に焦点を当て、真のスポーツマンシップとは何かを問いかける静雄さんの思いは、世界平和を願う作品へとつながっていく。スタジオゲストは有森裕子さん、ロバート　キャンベルさん、静雄さんの孫でカメラマンの高田敏明さん。（２０２１年８月９日の放送内容を２部に再構成した後編）

２０２１年７月に世界自然遺産に登録された奄美大島・徳之島。固有種、希少種の宝庫と言われ、アマミノクロウサギ、アマミイシカワガエルなど８００を超える固有種が生息する。貴重な生き物が人間の生活圏に近い、この島ならではの世界自然遺産の魅力や、課題、そして今後目指す方向性について中継などを交えながらゲストと語る。あわせて、奄美の生活に根ざしたシマ唄を元ちとせが披露する。