親の介護はもはや特別なことではない。小さな企画会社を経営する克彦は４５歳の独身。父と息子の「ふたりぼっち」の介護が始まった。認知症になった父の面倒を看ることになるとは夢にも思っていなかった。彼には、どうしても乗り越えられない父との確執があったのだ。彼は１８年前、母が病気で亡くなり、家を出た。７４歳の父は地震計を製造する会社を起業したが、倒産させてしまい、今は郊外で悠々自適の暮らしをしている。父は母親が危篤の時に家にいなかった。信州に行っていたと言うのだが、おそらく、女のところに行っていたのだ。散々、母親に苦労をかけておきながら、その最後を看取ることもしなかった父を息子は決して赦すことができないでいた。問題続きの介護生活。だが、あるものが１８年の確執を溶かしていく。親子の愛情とは何か。葛藤する息子の心情を描く。

２０１５年４月にスタートした「レディオジャーナル　がんばる富山の元気企業」は、富山県内の話題の企業に焦点を当て、経営戦略やビジョン、若者への提言などを企業経営者に聞く番組。その特別番組として、これまでのインタビューを振り返りながら、富山のビジネスシーンの現状、課題、そしてその未来像について、熱く迫っていく。ゲストコメンテーターは、経済産業省中部経済産業局電力・ガス事業北陸支局支局長の関敦夫さん、インタビュアーはグループフィリア代表の森田弘美さん。富山の企業は技術力も高く、部品、金型、ジェネリック医薬品など、縁の下の力持ちとして産業を、社会を支えている。これら企業の力で地域を活性化する方策と共に、これから社会に出る人々へのメッセージも伝える。

千葉県内を走るローカル線にスポットを当て、鉄道会社が行っている取り組みや電車旅の魅力を紹介する特別番組。列車気分を盛り上げる音楽と共に、実際の列車の音や地元の声を届ける。◆いすみ鉄道の名物「ムーミン列車」。菜の花畑を走る列車にはムーミン谷の仲間たちが描かれ、途中通過する「ムーミン池」は人気の写真スポットだ。その他にも、大河ドラマ「真田丸」に登場する本田忠勝の城・大多喜城など見どころ満載。◆小湊鉄道は２０１７年に創立１００周年を迎えた。車窓から見える折々の風景もさることながら、なんと７７万年前の地層を見ることもできる貴重な列車だ。小湊鉄道の社長と共に、時速２０～３０キロで走行するオープンエアの里山トロッコ列車に乗車した旅の模様を伝える。◆「銚電」の愛称で親しまれる銚子電鉄。ぬれ煎餅の販売や列車修理代を募るクラウンドファンディングなど、幾度の経験難を銚電ファンとともにアイデアで乗り越えてきた。今回は、古い駅舎の修復のため地元高校生が立ち上げたクラウンドファンディングの取り組みを紹介する。

脚本家の岡田惠和が俳優やクリエイターをゲストに迎え、これまでに影響を受けた音楽を紹介しながら当時のエピソードを語るトーク＆音楽番組。（２０１１年３月２８日放送開始）今回のゲストは、脚本家の野木亜紀子。◆これまでの音楽体験とともに生い立ちや脚本家になるまでの道のりに迫る。日本映画学校を卒業後はドキュメンタリー制作会社でＡＤの仕事に就いたが、どのようなきっかけで脚本家の道に進むことになったのか。そして脚本家になって苦しいことについての話では岡田と意気投合する場面も。また、テレビドラマ「逃げるは恥だが役に立つ」の最終回放送直前というタイミングで、漫画として面白い作品をどうやってドラマに落とし込むか、主婦という職業に対する対価の問題など重要なテーマを込めつつもいかに視聴者に楽しんでもらえるようにするかなど、仕掛けの秘密について聞いていく。

仕事終わりや仕事中の疲れたサラリーマンをターゲットに、お酒が大好きな人にも苦手な人にも、居酒屋の雰囲気でひと時の心の癒しを提供する。スタジオの清子女将と常連客（ゲスト）が、居酒屋トークに花を咲かせる３時間のトークバラエティ。女将を演じるのは、天然キャラのきょんちゃん。月曜だけオープンする居酒屋を舞台に、彼女の悪意のない尋問で、常連客の心の奥底に隠れた本音を引き出しながら、料理と音楽をつまみに、まったり、ドッキリ、すっきりの時間を贈る。常連客は杉山３９。（２０１４年１０月放送開始）◆番組は「トークお品書き」と「歌のお品書き」から話題と歌を選びつつ、今日のテーマ「せこい話」で寄せられたリスナーからのメッセージを紹介しながら進行する。清子女将の巧みなツッコミにゲストがたじたじとなる場面も。今日のお料理は梅チーズ豚バラ肉巻など。ゲストが実際に飲食する音も、居酒屋の雰囲気を盛り立てる。

「ｏｔｔｏ　＆　ｏｒａｂｕ（オットアンドオラブ）」は、鹿児島市吉野町にある障害者の生活支援施設「しょうぶ学園」の利用者によるパーカッションバンド「ｏｔｔｏ」と、職員によるコーラスグループ「ｏｒａｂｕ」で結成された音楽集団である。団員それぞれの感性によって生まれるそのサウンドは観る者、聴く者を魅了してやまない。ずれながらもぶつかり合う音には、圧倒的な力がある。周囲に惑わされない彼らは、新たな創造性を秘めているのだ。２００１年の結成以来、県内はもとより全国のイベントにも登場し、ＣＤも発売されている。結成のいきさつ、団員の変化、関係者の思い、メンバーの情熱、関わりのある音楽関係者の声、観覧者の感想などを紹介するとともに、そのステージの模様を中心に、障害を越えて音楽を創造する彼らの姿を追う。

盲目で車椅子のミュージシャン、山下純一がパーソナリティを務めるエンターテインメント番組（毎週水曜２４時１５分～２４時３０放送）のスペシャル。◆山下は幼くして患った原因不明の難病から視力を完全に失い、その後手足も不自由になった。だが、入院中に出会った音楽に魅せられて、シンガーソングライター、ハーモニカプレイヤーとして活動している。ハンデを感じさせない面白いキャラクターで、音楽はパワフルだ。スティービー・ワンダーとセッションした際は、お互い見えないが故の面白エピソードがあった。ラジオ番組を担当する上で、またステージで、困ったこともある。自宅での音楽制作の様子やライブ音源も紹介。後半は、いつもサポートしてくれているギタリストをもっと知りたいと、お宅を訪問。そこで楽しくもびっくりのサプライズが起こる。サポートされる側の山下だが、支えてくれる人に喜んでもらいたい、自分もサポートしたいと、自身の思いを率直に語る。

「障がい者」イコール「車椅子」のイメージが強いが、聴覚障害、知的障害のある人など、外見では判断できない人々も多くいる。２０１５年１０月、「音のつぶコンサート」が大阪のビッグ・アイ（国際障害者交流センター）で開催された。これは知的障がい者の方が、劇場で１人の鑑賞者として楽しむにはどうすれば良いか、学び体験するコンサートだ。劇場では突然大きな音（ブザー）が鳴ったり暗くなったりする。それが障がい者を驚かせ、不安にする。このコンサートでは冒頭に司会者が、なぜそうなるのかを丁寧に説明する。４月に施行された「障害者差別解消法」は、障害を理由とする差別をなくし、誰もが暮らしやすい社会を目指す法律だ。このイベントで鑑賞のルールを学び、周囲に迷惑を掛けずに一般のコンサートにも参加できるようになれば、障がい者の行動範囲が広がる。受け入れる施設側も、配慮が求められる。イベントの企画者、保護者などのインタビューを通し、「障がい者と共に生きる社会」を考えていく。◆ラジオ大阪報道特別番組