２００３年秋、北海道・旭川中央警察署の会計資料と見られる文書が流出し、そこには２ヵ月分の「報償費」の使い道が記されていた。報償費とは警察の捜査に協力した人への謝礼や、捜査の必要経費のために各自治体から交付される金だが、文書を調べるとその報償費は本来の目的に使われていなかった。◆北海道警察の元幹部や警察署の金庫番を務めたＯＢの告白から、報償費をめぐる組織的な裏金作りの実態が浮かび上がる。増え続ける犯罪と下がり続ける検挙率。日本警察で働くおよそ２０万人の警察官が自らの職務に汗を流す一方で、組織の力は低下している。番組では警察官たちが背負う「信頼」という言葉の意味を問い掛ける。

青年と老人の交流から、生きる尊さを描くヒューマンドラマ。◆命綱にぶら下がって、ビルの窓拭きをしている青年。就職する意欲もなく、人生に不貞腐れていた。ある空きビルで毎日のように訪れる老人と知り合う。この老人、元教師か何かで、やたら宇宙や天文のことを講義し始める。青年は次第にこの老人と心を通わすようになってきた。実はこの老人には一つの目的があり、青年はその事に積極的に関わり始める。作：小松與志子、音楽：長谷部徹。出演：渡辺卓、佐藤慶、五大路子ほか。天文考証：沼澤茂美。

毎回、宮崎県内の１つの市町村を特集してクイズを出題、一般公募の２チームが電話で解答しながら対決し、特産物などの賞品獲得を争う。ミニドラマ仕立てで神話や伝説が紹介されるなど、クイズには「ふるさと情報」が盛り込まれ、郷土に詳しいゲストの解説が加えられる。「ふるさと賛歌」的なクイズ番組。ＭＲＴ開局５０周年記念。◆この日は第２７回「高岡町」編。高岡町出身「ビタミンの父」といわれる高木兼寛の功績からの問題に始まり、高岡町の名物飲食店、珍しい特産物、伝説の力持ち「喜蔵」、温泉に関する出題が続く。

上野眞樹さんは、２年間在籍した広島交響楽団のコンサートマスターの任期を終えて、２００４年春に退団した。いまは広島県内を駆け回り、企業の会議室や音楽喫茶の片隅、老人施設のロビーなど、あらゆる場所をコンサート会場へと早変わりさせている。◆上野さんの願いは平和の楽器・バイオリンで聞く人の心を愛で満たすこと。ドイツのオーケストラのコンサートマスター時代に、師と仰ぐ名のバイオリニスト、ユーディ・メニューインと出会ったことがきっかけとなった。「音楽を通して平和な世界を築いていかなければならない。音楽家は『平和の戦士』なのです」という彼の言葉に感銘したという。一方で、知り合った紛争当事国・地域出身の仲間たちが、それぞれの国で憎しみの渦に巻き込まれていくのも目にしてきた。◆こうした経験から、上野さんはチャリティーコンサートなど平和に向けてのさまざまな活動に取り組んでいる。番組では、上野さんの地道な取り組みを美しいバイオリンの響きを交えて伝える。

平日午後の生ワイド番組「あおもりＴＯＤＡＹ」木曜日のコーナー。民謡や尺八を趣味としている津軽弁の達人タレント・又兵衛さんと故・高橋竹山さんの一番弟子で津軽三味線奏者の西川洋子さん、青森放送アナウンサーの田中次郎の３人で「じょっぱり一座」を旗上げし、民謡の普及に務めようという企画。一座は県内の民謡歌手を訪ねたり、小学校や老人ホームなどを訪れ民謡交流を図っている。◆この日は田舎館村の光田寺保育所を２度目の訪問。田舎館村では地域の伝統や文化に親しんでもらおうと村内の保育所の年長組に津軽民謡を指導していて、子供たちは「津軽じょんがら節」をはじめ「津軽甚句」や「りんご節」を元気に唄ってくれる。じょっぱり一座と子供たちの楽しい民謡ライブの模様を伝える。スタジオＭＣは夏目浩光アナウンサー。

平岩正樹医師は積極的な抗がん剤治療で知られている。また早くから１００％「がん」告知を始めたことで有名だ。それまではいかに「がん」であるかを隠すかが医者の仕事だったそうだ。そのためにまともな抗がん剤治療は出来ず、抗がん剤のニーズ自体がなかった。しかしがん告知が普及するに従って、行き場のない「がん難民」だとわかって声を上げる患者が増えはじめた。手術だけでなく、十分な抗がん剤治療を受けたいという声が広がりはじめたばかりだ。◆平岩医師は、医療情報をわかりやすい形で患者に伝え、よりよい医療を受けるためのセカンドオピニオンの役割を果たす「がん相談室」を設けた。月島サマリア病院の協力を得て１９９５年から週一度行われている。一週間に５組しか受け入れることが出来ないが、予約の電話は何百本と鳴り続ける。さらに多くの患者用にインターネットでも相談できる「がんのＷＥＢ相談室」も始めた。「はぐれ医師」「現代のブラックジャック」と呼ばれる平岩医師が、「がん相談室」から矛盾と欺瞞を告発する。「変えなくては　変わらなくては　がん治療」のシリーズ第２作。

１８０７年（文化４年）から翌年にかけて、津軽藩は江戸幕府の命令により、北海道・斜里にロシア兵の襲来に対する警備隊を派兵した。しかし寒さと栄養失調のため、一冬で１００人中７２人が死亡するという事態となった。この事は長い間世に知られずにいたが、警備隊にいた足軽・斉藤勝利が記録していた「松前詰合日記」が発見されたことで、事件の全貌が明らかになった。勝利の墓や子孫の所在なども判明し、斜里では人々が慰霊碑建立に力を尽くした。番組は、斜里及び津軽の関係者へのインタビューや日記の朗読などで構成。この事件の持つ意味が現代にも繋がるものであることを描く。

目の不自由な少女とラジオのアナウンサーが一緒にぶらり旅に出かける。普段から言葉だけで物事を伝えることを職業とするラジオ・アナウンサーが、少女が見たことのない物事や絶景をどのようにして伝えるのか。どのような言葉で表現するのか。アナウンサーの奮闘ぶりと、少女とアナウンサーの心のふれあいを描くドキュメンタリー。◆「～夜刊～ラヂオな時間」のコーナー特別編。ふたりは神奈川県久里浜からフェリーに乗り、千葉県・房総半島へと旅をする。