先天的に目が見えない上、人工透析を受けているという困難を背負いながらも、明るく共同作業所で働く青年が主人公。２４歳の彼が作った俳句や母親へのインタビューを紹介し、彼の心情の変化について思いを広げる。歌人で画家の小黒世茂さんが番組のナレーションをしながら、俳句を解説する。ラジオ大阪開局４５周年記念特別番組。

前立腺がんと診断され、手術での摘出を医師から宣告された本郷美則氏。手術後は後遺症が残る可能性もあるという。元新聞社社会部記者でもある彼は「切りたくない！」という強い意志からインターネット、文献等を自力で調べ、日本ではまだ一般的ではなかった小線源療法（ブラキセラピー）にたどりつく。◆医療が進歩したとはいえ、個人にとってがんという病気はまだまだ恐ろしいものであり、すぐ隣に死を意識させる。現在快復し、目立った後遺症もなく「良く生きる道」を自ら切り開いた本郷氏は、果たしてどのように病や不安と闘い、がんと向き合ったのだろうか。前立腺がんの放射線治療の新潮流についても、専門医師等に取材した。

我が強く、世の中を斜っぱに眺めている悪党面の野良犬カーンと、ハンディを持ち、気の優しい小学５年生の少年の出会いと友情の物語をオーディオ・ファンタジーとして描く。犬の視点から人間社会の不合理がシニカルに語られる。大伴賞・日本シナリオ大賞作家初のオリジナルオーディオドラマ。作：小松與志子、音楽：荻野清子。出演：近藤正臣、宮里駿ほか。

三重県一志町の雑誌記者・辻出紀子さん（当時２４歳）が行方不明になってから４年半の月日が経った。不明になる直前に会っていた人物が判明したが、物証は得られず捜査は行き詰っている。どん底の気持ちの中、家族・友人は紀子さんがアジア各国で写した写真で写真展を企画し、来場した多くの人たちに捜査への協力を呼びかけた。◆番組では、紀子さんが行方不明になるまでとその後の警察の捜査を振り返り、残された家族の心の軌跡を追う。

小学校低学年向け国語番組。子どもに聞かせたい優れたお話を、専門家の表情豊かな朗読やラジオドラマで紹介する。（２００３年４月７日放送開始・ラジオ第２）。◆この回は、詩人まど・みちおさんの作品集から「うさぎ」「ドロップスのうた」「わからんちゃん」「おならはえらい」「空」「朝がくると」「びわ」「やぎさんのゆうびん」を紹介。詩の朗読：えなりかずき。歌とピアノ：渡辺かおり。

“ご名答！”でおなじみの「話の泉」が一夜限定で復活。昭和２１年から１８年間続いた日本初のクイズ番組が平成の世に甦る。◆番組は公開放送で３部構成。第１部…テーマ音楽やスポーツ中継の一部を聞いて、その内容を答える。第２部…昭和２０～３０年の話題からの出題。流しの歌手と声帯模写のゲストが登場する。第３部…死語など“ことば”がテーマ。◆解答者は永六輔、小沢昭一、高見恭子、山藤章二、毒蝮三太夫、そして解答団長の立川談志。ゲストは白山雅一、嶋三喜夫、谷本知美。司会は徳田章アナウンサー。

１９１３（大正２）年、岩手県の藤根村で日本最初のボーイスカウトが誕生した。リーダーは村人から「高峯先生」と慕われた高橋峯次郎という青年教師であった。やがて峯次郎の教え子たちは農民戦士として戦争に駆り出されることになる。峯次郎は村の様子などを記した郷土通信誌「眞友」を戦場の教え子たちへ送り続けた。しかし敗戦で峯次郎の国策に則った生き方は否定される。遺族や教え子、同僚の証言で峯次郎８５年の波瀾に満ちた生涯を紐解く。

２０００年１０月、大分市の和菓子の老舗・長久堂が倒産し、長年親しまれた大分の代表的銘菓「ざびえる」も店頭から姿を消した。しかし「ざびえる」の復活を願う元社員の７人が集まり、銘菓復活への挑戦をスタートさせた。７人の執念と、奇跡とも言える復活の道にスポットを当てる。ＯＢＳ開局５０周年特別番組。