ピアノ演奏家としてオーストリアに留学中だった日本人女性が殺害された。当初男女関係のもつれが原因と報道されたため、被害女性の名誉が侵害されたのみならず、悲しみに沈む遺族はいわれなき中傷にまでさらされた。オーストリアには被害者が刑事裁判に当事者として参加する方法がある。事件の真実究明と被害女性の名誉回復をかけて、両親や兄弟はオーストリアで裁判に参加した。

戦艦大和の乗組員で特攻のあと奇跡的に生還し、陸戦隊に編入された者たちがいた。この隊は原爆が投下された翌日に救援のため広島に派遣され、全員が被爆者となった。今も発病を恐れる元隊員たちが当時の広島の惨状を語る。

ガンのために声を失った元アナウンサーが、長年の夢であったパイプオルガンの勉強にうちこむ。音楽学校に通学後、単身イギリスへ留学するが、自分を支えてくれていた妻が日本でガンに倒れてしまう。

宮城県唐桑町の漁民たちが山に木を植えはじめて６年。カキ養殖を営む彼らには「海が豊かであるためには、川や山が豊かでなければ」という思いがある。自然環境や生態系の保護のあり方を考える。

バブル経済期に急成長した新興勢力の建設不動産会社が、バブル崩壊とともに銀行との関係が破綻して急落した。多くの関係者への取材を通してバブルの決算をめぐる経済事件を追跡する。

歌手・真理ヨシコさんは、「赤い靴」「十五夜お月さん」などで知られる作曲家・本居長世の埋もれた童謡を掘り起こし、各地に広めようと歌の旅を続けている。彼女のコンサートの模様を追う。

１９９４年の大晦日、伝説の小人「ニングル」の取材にきたラジオディレクターに、富良野の森にひとり住む男が２０年前にニングルをめぐって起こった事件を語る。脚本：倉本聰、吉田紀子。出演：時任三郎、中井貴一、石橋蓮司ほか。

現代考古学の出発点といわれる静岡市登呂遺跡の発見から５０年。遺跡発掘に青春をかけた大塚初重氏が、戦後の価値観の激変の中で教育者への道を選び、考古学者として今日に至るまでの生き様を描くドキュメンタリー。語り：七尾伶子。