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ニュース映画

大毎ニュース 696 ボタ山の下で

番組ID
N01893
※放送ライブラリーの視聴ブースでは、番組IDを入力することで、簡単に番組を選べます。
上映日
1964年11月25日(水)
時間(秒)
195
カテゴリ
地域
概要
さびれ果てた常磐炭田地方。磯原町、山口炭鉱の鈴木さんのヤマも昭和31年(1956)に閉山、4百人の従業員はそれぞれ職を求めて全国に散り、残ったのは老人と身体障害者わずか30人となった。ボタ山から石炭を拾うという簡単な作業を続けるうち、流れ出るドロ水からヒントを得た鈴木さんは、このドロで素焼の植木鉢を作り始めた。この鉢はたちまち好評を呼び全国の園芸組合から連日のように注文が殺到、この程1度に1万個の鉢が焼ける窯の製造にとりかかった。今日は勤労感謝の日。ボタ山の見える丘に登って昔を偲びながら酒を酌み交わす。呑むほどに口に出て来る炭鉱節、暗いヤマの町にも一筋の明るい光が灯っている。(町から村から)

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大毎ニュース 699 政権交代の年

オリンピックムードで明けた1964年。天災、人災もあいついだ。大分空港で死者20名を出した2月の富士航空機墜落事故。6月16日東日本を襲った震度5の大地震で新潟市は大きな被害を受け、燃え続けた石油タンクの火事は地方都市の防災体制に大きな警告を与えた。危険物の管理の悪さから起きた7月の東京品川の化学倉庫爆発では消防士19人が殉職。台風20号、日本海側地域の集中豪雨と今年もやってきた水害もさることながら、東京の水ききんは都政に厳しい批判が集まった。オリンピックを控え当局を慌てさせたのは千葉などの4都県に広がったコレラ騒ぎ。ライシャワー大使の襲撃事件は政府に冷汗をかかせた。今年の明るい話題は秋に入っての義宮さまと津軽華子さんのご結婚、時速2百キロの新幹線の営業開始であった。ギリシャから東京へ、東南アジア11カ国をへて聖火リレー。10月10日、参加94ヵ国、7千名の若人を集めて世紀の祭典、第18回東京オリンピック大会が幕を開けた。世界の目が東京に向けられているさなか、ソビエトの3人乗り宇宙船の打ち上げ、さらに一転してフルシチョフ首相の解任は世界をあっといわせた。これに追いうちをかけるように中国は核実験に成功。英国では13年続いた保守党政権が敗退、ウィルソン党首のひきいる労働党に政権が交代するなど、目まぐるしく移り変わる世界の動きの中でくり広げられた熱戦、多くの好記録を生んだ東京大会は若い人たちの友情を深めてその幕をとじた。この閉会式直後の10月25日池田首相は突然辞任、後継のイスをめぐる佐藤栄作、河野一郎、藤山愛一郎三氏の争いは佐藤さんに落ち着き11月9日新内閣が誕生した。ゴールドウォーターかジョンソンか注目の米大統領選はジョンソン大統領が勝利をおさめた。ベトナムではグェン・カーン将軍が国民の反対で退陣、変わった民政も11月の発足早々、退陣要求にあって混乱。コンゴの内戦では1500名の白人を人質にした反乱軍に米・ベルギーが実力で救出に成功したものの、ツオンベ首相に対する反感は強くいまだに動乱が続いている。波紋を投げた米原子力潜水艦の寄港、救済の手を待つ北海道の冷害、吹きまくる不況の嵐にあいつぐ倒産、多くの難問題をかかえた佐藤栄作さん、来年はしっかりたのむ。


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