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ニュース映画

大毎ニュース 672 まぼろし集落

番組ID
N01816
※放送ライブラリーの視聴ブースでは、番組IDを入力することで、簡単に番組を選べます。
上映日
1964年06月10日(水)
時間(秒)
196
カテゴリ
社会
概要
三重県の山奥、熊野川水系に建設中の七色ダム。水利権をめぐる三重、和歌山、奈良3県の紛争も2年ぶりに解決、1965年6月の完成を目指して工事が進められている。このダムサイトから30キロ上流の桃崎に、昨年夏ごろから川をはさんで数百軒の住宅が建ち始めた。人呼んで「まぼろし集落」。ここに集まってきた人々はダムの立ち退き補償が目当ての人ばかり。中にはすでに他所で何回も補償を受けたことのある強者や、資金稼ぎの暴力団まで入り込む始末。そろそろ補償の交渉も始まる頃と、集落にはめっきり人影か増えてきた。一方、よそ者のご到来に地元民は迷惑顔。水利権さえ早く解決していたらと、電源開発の職員も暗い表情だ。この地の補償問題は全国のテストケースとして注目されている。(カメラ・パトロール)

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大毎ニュース 674 特集 新潟地震

1964年6月16日午後1時2分、東日本を襲った大地震は震源地に近い新潟市で震度5を記録。5日前まで国体で賑わっていた新潟市は5分間のうちに崩れ落ちた。堤防は決壊し逆流した信濃川はゼロメートル地帯に浸水、昭和石油のタンクも燃え上がった。市民は着の身着のままで逃げるのが精一杯、弱い地盤の上にたつ新潟市は全市の3分の1が傾き、砂上都市の脆さを見せつけた。家を追われ橋のたもとに野宿する人々に、水も電気もない夕闇が忍び寄る。かろうじて避難所にたどり着いた人々は、余震におびえながら恐怖の一夜を過ごした。一夜明けて火は勢いを増し12基の石油タンクが次々と引火爆発、40万キロリットルもの石油が一度に炎上した。1台しかない市の化学消防車では手のつけようもなく、隣の新工場のタンクに燃え移った。化学消火剤の応援を求められた立川基地では日米合同で空から消火弾の投下作戦を開始。東京などからかけつけた化学消防隊も必死の消火作業にあたった。3日目に入ってようやく本格的な復旧作業が始まった。自衛隊は6千人を越す隊員を市内に動員、信濃川作戦と名付け、人海戦術で土のう作りを展開。一方土砂に埋まった道路や地割れの補修も急ピッチに進み、市民も復旧に立ち上がった。懸念されていた伝染病の流行もなく、水道の破壊された全市に渡って給水班が出動、水に悩む市民は生気を取り戻した。各地からの救援物資も続々と市内に送り込まれて来た。今度の災害を重視した政府は、福田篤泰防衛庁長官、河野一郎非常災害対策本部長らを現地に派遣、復旧に本腰を入れている。21日には池田勇人首相も自ら新潟に乗り込んだ。被害のひどかった信濃川河口付近では船上から生々しい地震の爪跡を視察、復旧にあたる市民や自衛隊員に激励をおくった。街角では早くも店が開き、物価の値上がりもなく、落ち着いた表情がうかがわれる。完全復旧には5年かかると言われる被災地・新潟は、こうして復興への第一歩を踏み出した。


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大毎ニュース 690 東京オリンピック 第一報

聖火が東京に到着。1964年10月9日、皇居前広場で一つにまとめられた聖火を迎えてわきたつ前夜祭。ギリシャから招待されたカッセリ夫人も参加して、日本情緒豊かにオリンピック・ムードを盛り上げた。この夜、新興国スポーツ大会に参加した選手の出場が認められず、全員帰国することになった北朝鮮とインドネシア選手団のお別れパーティーが開かれた。北朝鮮の金メダル候補辛金丹選手も開会式の前夜帰国した。アジアで初めて開催される大会に北朝鮮、インドネシア両国が不参加は主催国の日本として残念な出来事だった。10月10日は開会式の日は秋晴れのオリンピック日和となった。国立競技場周辺には開門前から10万を越える観客がきた。神宮絵画館前のサブトラックには各国選手団がお国ぶりの服装で勢ぞろい。入場行進前に交歓風景も見られた。先頭はギリシャ、アフリカの新興国、カメルーン、コンゴは初参加。キューバ選手団、東西ドイツ統一チーム、それに次ぐアメリカ、ソ連はお互いに最強を誇るライバル同士、日本選手団の行進を最後に終了。参加国94ヵ国、約7千人の若人が集う世紀の祭典、第18回東京オリンピック大会は昭和天皇の大会宣言でははなやかに幕をあけた。その頃聖火は皇居前をスタート、国立競技場に向かう。オリンピアで採火されてから51日目、2万6千キロのコースを10万人もの若人達の手によってリレーされた聖火が最終ランナー坂井義則君の手にしっかりと渡された。やがて聖火は観衆の見守るうちに会場へ到着、聖火台に点火された。あかあかと燃え上がる聖火のもとオリンピック競技が始まった。大会3日目、渋谷公会堂で行われた重量あげフェザー級に出場した三宅義信選手は自分の持つ記録を更新して堂々優勝、日本初の金メダル。


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