テレビ・ラジオで放送された番組・CM4万本以上を視聴できるほか、展示やイベントを通じて放送の今と昔を学べます。 入館無料

videocam
ニュース映画

毎日世界ニュース 378 民主政治の危機 変則国会

番組ID
N00666
※放送ライブラリーの視聴ブースでは、番組IDを入力することで、簡単に番組を選べます。
上映日
1958年11月12日(水)
時間(秒)
258
カテゴリ
政治・経済
概要
1958年11月4日の抜打ち会期延長(30日間)は、5日の警職法(警察官職務執行法)反対統一行動を一段と盛り上げ、わが国労働運動始まって以来の政治ストになったが、世論はむしろこれに同情的、国会正門前に坐り込んだ組合員たちは、議会史上例を見ないこのダマシ討ち会期延長に激しく抗議した。社会党は11月7日、会期延長の無効を主張して国会の終了を声明。これに対し自民党は有効と譲らないが、肝心の党内にも批判の火の手が上がる始末。岸信介首相は鈴木茂三郎委員長に党首会談を呼びかけているが、一旦失った信用はなかなか取り戻すことが出来ない。軌道を踏み外した議会政治は前代未聞の変則国会という危機に直面しているのである。

同じ年代の公開番組

毎日世界ニュース 375 岐路に立つ日本

北海道苫小牧の王子製紙の争議は、労働組合を真っ二つに分裂させ、厳しい対立の中で無期限ストを既に3ヵ月以上も続けている。東京では、共同製本のストライキに、会社側は暴力団を雇入れて工場に入れるという戦前を思わせるような事態が起きている。昭和の初め、暗黒時代のメーデーを写したフィルムには、参加者を片っ端から身体検査をしたり、騎馬に乗って弾圧する警官の姿が記録されている。そして、いままた姿を現わした警官職務法(警察官職務執行法)改正案は、国民の間に再び不安の波を掻立てようとしている。そのため、1958年10月14日の国会は、社会党と自民党が激突して大混乱。行き詰まった国会審議は、議長斡旋でひとまず軌道に乗ったが、17日開かれた本会議に社会党が提出した撤回要求決議案は、少数で否決となった。この折、傍聴席から改正案即時実施のビラを撒いて暴れる右翼も飛び出し、国会の内外に一部の右翼の動きが目立つ時勢となった。こうした時期に、岸信介首相が外国人記者に語った内容が内外に大きな波紋を巻き起こした。折から北海道では、自衛隊始まって以来の大演習が行われ、戦争を放棄した憲法9条の改廃が、日本の運命を左右する天目山ともいうべきであろう。自衛隊のジェット基地となる茨城県小川町の百里ヶ原では、基地賛成派が、基地反対派の先頭に立つ山西きよ町長のリコール運動を進めている。苦境に立って、説得に駆けめぐっている山西さんの表情は、そのまま、岐路に立つ今日の日本の表情につながっているのである。


videocamニュース映画