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ニュース映画

毎日世界ニュース 377 松川事件最後の審判へ

番組ID
N00661
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上映日
1958年11月05日(水)
時間(秒)
133
カテゴリ
社会
概要
1958年11月5日から松川事件の審理を始める最高裁判所をめざして、被告たちの無実を訴える行進が、仙台から東京へ向かっている。20名の被告たちは、昭和24年(1949年)8月17日、東北本線松川駅付近で列車が脱線転覆、3名の死者を出した事件の犯人の疑いで逮捕され、無実を叫びながら、一審で死刑5名、二審で4名他全員有罪という極刑の宣告を受けているのである。しかし、この裁判に対し、次第に各方面からの批判が高まって来た。折も折、被告の一人(一、二審とも死刑)のアリバイを裏付ける「諏訪メモ」が、9年ぶりに明るみに出された。作家の広津和郎氏は、全被告の無実を主張し続けている。世にも不思議な物語といわれるこの事件には、さまざまの疑問が出されており、最高裁判所が真実の砦となるよう、人々の期待が寄せられている。

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毎日世界ニュース 375 岐路に立つ日本

北海道苫小牧の王子製紙の争議は、労働組合を真っ二つに分裂させ、厳しい対立の中で無期限ストを既に3ヵ月以上も続けている。東京では、共同製本のストライキに、会社側は暴力団を雇入れて工場に入れるという戦前を思わせるような事態が起きている。昭和の初め、暗黒時代のメーデーを写したフィルムには、参加者を片っ端から身体検査をしたり、騎馬に乗って弾圧する警官の姿が記録されている。そして、いままた姿を現わした警官職務法(警察官職務執行法)改正案は、国民の間に再び不安の波を掻立てようとしている。そのため、1958年10月14日の国会は、社会党と自民党が激突して大混乱。行き詰まった国会審議は、議長斡旋でひとまず軌道に乗ったが、17日開かれた本会議に社会党が提出した撤回要求決議案は、少数で否決となった。この折、傍聴席から改正案即時実施のビラを撒いて暴れる右翼も飛び出し、国会の内外に一部の右翼の動きが目立つ時勢となった。こうした時期に、岸信介首相が外国人記者に語った内容が内外に大きな波紋を巻き起こした。折から北海道では、自衛隊始まって以来の大演習が行われ、戦争を放棄した憲法9条の改廃が、日本の運命を左右する天目山ともいうべきであろう。自衛隊のジェット基地となる茨城県小川町の百里ヶ原では、基地賛成派が、基地反対派の先頭に立つ山西きよ町長のリコール運動を進めている。苦境に立って、説得に駆けめぐっている山西さんの表情は、そのまま、岐路に立つ今日の日本の表情につながっているのである。


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