中国残留の戦犯に面会を許された１９名の留守家族は、１９５６年７月１８日、興安丸に乗船、舞鶴を出航した。この中で、病気のお母さんに代わってお父さんに会いに行く少女のいたいけな姿が人目を引いた。（週間話題）

美しい声楽を伝統とする本場イタリアのオペラが、初めて東京で公演された。舞台は「アイーダ」の一場面である。（週間話題）

１９５６年９月２３日はお彼岸の中日、秋日和にめぐまれてお墓参りの人々はひきもきらず。７才の豆和尚さんも壇家廻りに遊ぶ暇もない忙しさだ。ワン君もニャン君も今日は特別の待遇である。東京文京区のお年寄り連は、お詣りだけが能ではないとお寺に集まって体操や踊りのドンチャン騒ぎ。お彼岸の各地の話題である。

終戦の日、８月１５日。１９５６年も皇居前に襟を正す参拝者の姿が見られる。しかし、街は戦いの苦しみも忘れてしまったような表情である。軍人の銅像は片隅に忘れられ、未亡人は内職で細々と暮らしている。自衛隊はふくれあがり、基地のために人々は肩身の狭い思いをしている。日ソ交渉は思うにまかせず、目下難航中だ。こうしたさなかの１９５６年８月１９日には、ナホトカから第８次のソ連帰国者が舞鶴に帰って来た。しかし、日本国民は日一日と前進を続けている。

１９５６年６月１０日、第１６回オリンピック大会馬術競技の開会式は、スウェーデンのストックホルム・スタジアムで華々しく行なわれた。日本チームを含む参加２９ヵ国約２００名の選手が入場、７日間にわたる熱戦の火蓋が切られた。

進路を南へ南へととっている南極観測船「宗谷」は、途中台風１９号にもあったが、赤道直下の暑さにもめげず隊員たちは元気に日課と取り組んでいる。甲板では樺太犬が一息入れている。こうして「宗谷」は船足も早く南極大陸に近づいて行く。（週間話題）

近江の国（滋賀県）長浜市。雪の伊吹山からおろす寒風にさらされて、蚊帳づくりに忙しい季節。醒ヶ井では鱒の採卵。人工受精で新しい生命が生み出されている。琵琶湖の国に訪れた春の息吹きである。

１９５６年７月９日の衆議院外務委員会は沖縄問題を取り上げ、煮え切らぬ重光葵外務大臣を野党が吊し上げた。現地沖縄では今刈入れの真っ最中、農民たちは土地接収の不安に包まれながら、収穫を急いでいる。貧しいその生活は、また日本の孤児沖縄の姿だ。