日曜と重なったお盆の１９５６年７月１５日、浅草は若い人で大賑わい、お地蔵さまはおばあさん達で繁盛している。浜辺も山も押しかけた人波で満員、お盆と共にいよいよ真夏がやって来た。

１９５６年４月２２日練習船「こじま」は、北朝鮮（朝鮮民主主義人民共和国）から３６名の帰国者を乗せて舞鶴に帰って来た。この度は婦人と子供ばかり、北朝鮮からの帰国は８年ぶりのこと。迎える人も少なく、肉親を見い出した人は感激にむせんでいる。こうして、不幸な人に故国の春がめぐって来た。（週間話題）

日本労働史上最大と言われる「春季闘争」が大きく浮かび出た。国鉄をはじめ各労組の実力行使が火ぶたを切った。政府が警告声明を出せば、１９５６年２月１３日、社会党は衆議院でこれに反撃するなど、政局とからんで闘争は日を追って激しくなりそうな形勢である。

１９５６年１１月２９日、フィリピンのミンドロ島から、４人の元日本軍の軍人が門司に帰って来た。終戦も知らずにジャングル生活１１年、戦友の遺骨や遺品を手に上陸、懐かしい家族と対面し新しい人生にスタートした。（週間話題）

第３４回全日本レガッタ選手権大会第２日、慶応大学と京都大学とのオリンピック代表をかけた一戦が、１９５６年８月１２日、埼玉県戸田コースで行なわれた。京大はスタートからリードを奪い、たえず慶大を押さえていたが、慶大必死の追込み物凄く、わずか１尺（約３０センチ）の差で京大を破り、晴れのオリンピック代表権をにぎった。（メルボルンめざして）

アパート商売の競争時代とあって、このほど粋をこらしたアパートが大阪にお目見得した。入居の日、部屋を借りた人たちがいそいそと引っ越して来た。１番うれしそうなのは新婚組のようだ。（週間話題）

申年も何のその、秋の訪れとともに今や結婚ラッシュ。貸衣裳屋はてんてこ舞いの忙しさ。格安な生活館の式場はぎっしり予約済み。新生活運動の実践組もあれば、しめて９０万円の豪華版もあり、一方また海外への花嫁志願者も多いようだ。しかし一方では、結婚相談所で相手を見つけようと血まなこの人々も少なくない。結婚ラッシュは同時にまた結婚難でもあるようだ。

東京の真ん中を流れる隅田川。隅田川の１日は、威勢のいい魚河岸の朝から明け、川は上り下りのいろいろな船で賑わっている。水上生活者の楽しい夕げどき、永代橋のたもとから下町娘の江戸祭り囃子が聞こえて来る。水ぬるむ隅田川の今日この頃の表情である。