終戦後２週間あまり経った昭和２０年（１９４５）８月３１日、南太平洋ブーゲンビル島で、熊本第六師団の兵士３０人余が脱走の罪で銃殺刑に処された。その多くが食糧を探しに行き、迷い、ようやく軍隊にもどった人たちだった。彼らは、なぜ翌月９月１日の連合軍による武装解除を待つことなく、軍法会議にかけられることもなく銃殺されたのか。銃殺刑にかかわった２人の元兵士が、５１年間封印されてきた事実を語る。

輸入血液製剤でエイズに感染、薬害被害と差別解消を訴えつづけて亡くなった血友病患者の活動を追う。

日本六古窯に数えられる丹波の里、兵庫県今田町。彫刻家の新谷英子が、市野弘之を訪ねる。◆市野さん（当時７２歳）のろくろは、日本では珍しい左まわり。貼りつけ、いっちん描き、墨流し、などの技法を紹介する。奥さんと共同作業の「姫弟子」というろくろもある。◆新谷さんを採土場へ案内する。底のほうで白い層と出会うと、いい土なので嬉しくて例えようがない、と話す。土イコール作品なのだ。◆作家より職人になりたい、そして一期一会の心で作陶に励んでいきたいという。

四国各地のさまざまな祭りを紹介するシリーズ。（１９９６年４月２７日放送開始）◆荘内半島に春を呼ぶといわれる百手祭は、旧暦の１月から２月にかけて行わる。小笠原古流の独特の方法で矢を射て、その年の家内安全、五穀豊穣、豊漁を祈る。昔のままで受け継がれているものは少なくなり、現在、生里、大浜粟島、坂出市櫃石島の百手祭りが香川県の無形民俗文化財に指定されている。

歌手やアーティストをゲストに迎え、自分の歌った忘れ得ぬ一曲について語ってもらい、最後にその曲をスタジオライブで披露するミュージック＆トーク番組。司会は由紀さおり。◆１９８２年のヒット曲「悲しい色やね」について歌い手の上田正樹にインタビューし、上田が「悲しい色やね」を歌う。

もっとも人類に近いといわれる類人猿・ボノボの生態、メスを優先したり仲間と食べ物を分け合う姿を紹介し、ヒトに「心」が生まれてきた背景を探る。◆ボノボが暮らす熱帯雨林は数百年前にザイール川によって周囲と隔離され、激しい気候変動のない地域となった。結果、かれらには豊かな食料と平和な環境がもたらされ、独特の生態が生まれた。メスのほうが優位であり、ボスはいても絶対的な存在ではない。持ち主が確定したものは他者に奪われることはない。えさ場では食べ物を独占せず残しておいたり、「両手」に持って二足歩行し仲間のために運んだりする行動が見られる。野生のボノボの優しい姿を追う。

さまざまな分野で活躍する第一級の人々が、その人ならではの視点で「いのち」をテーマに語る。◆今回は、屋久杉自然館館長の日下田紀三さん。

海外の遥かな道、国内の意外な道など多くの先人達の足跡をたどり旅するシリーズ。歴史があり、謎があり、発見がある世界各国の道を見つめる旅の第１回アッピア街道の後編。（１９９６年１０月６日開始）◆古代ローマ人によって建設されたアッピア街道。旅人・玉木正之は古代ローマ帝国の皇帝たちが愛した避暑地であり、フラスカティ・ワインとよばれる白ワインの一大生産地でもあるアルバーニ丘陵、カプアの街の円形劇場跡などを訪ねる。そして街道終点のブリンディシには終点を示す古代ローマ帝国時代の柱がある。