１９８７年６月１日の放送開始以来、６０００回を超えて続く長寿ミニ番組。列車での旅を通して、美しい風景とそこに住む人々の生活を描く。◆今回は「クスコ駅スチュワーデス」と題して、ペルーのリマ・クスコ・マチュピチュの道のりを紹介する。

古代日本に渡ってきたヒマラヤの植物の足跡をたどりながら、海抜４５００メートルという高地に広がる“秘密の花園”にある幻の巨大花ダイオウを求めて、榎本孝明と宍戸開がネパール、バングラディッシュへ。ヒマラヤの植物へ思いを寄せ植物と共に生きる人々と、雄大なヒマラヤの自然を描く。◆榎木はバングラディッシュのベンガル湾から海抜４５００メートルのネパール東部のヒマラヤ深奥部まで、一方宍戸はネパール西部からスタートし榎木と合流する。ヒマラヤの入り口で榎木は世界最大のマングローブ地帯で森の恩恵を受けながら生きる人々をリポート。また、ネパール東部の高地で暮らす人々と交流する。宍戸は野生動物探しや雨乞いの祭を体験する。そして２人が目にする巨大花とは。

和太鼓奏者の林英哲が栃木県益子町の高内秀剛を訪ねる。◆独学で作陶してきた高内さん（当時５９歳）は、益子にガス窯、灯油窯、登り窯をもつ。作品の特長は大きさと荒々しさ。皿にはビーッと緊張感があり、壷にはグーッと肩の張りがある、それが求める形だという。◆ろくろで作って終わりじゃなく、切った貼ったでものをくっつけていくと、人間くさいというより獣じみてくる、そこが面白い。死ぬまでなまぐさい野郎だなっていわれれば、それはそれで勲章だと思う、と語る。

二人の旅人が平成の眼であらためて古寺を巡礼するシリーズ。◆京都市出身の随筆家・松山猛が、友人の歌舞伎俳優・中村歌六を誘って、鴨川をさかのぼり源流にある真言密教の寺・志明院を訪れる。この志明院は歌舞伎十八番「鳴神」の舞台でもある。谷間の参道を楼門、本堂、根本中院と上った後、鴨川の始まりの岩清水がしたたる鳴神の護摩洞窟で、歌六さんは不動明王に祈りを捧げる。そして山頂の岩場。鴨川を極めた感じを抱きつつ、水への信仰、寺を取り巻く自然の神秘性、伝説化の隠れ寺について語り合う。

戦時中、軍国体制の末端を担って召集令状を手渡し、志願兵を募り、戦死公報を家庭に届けた一人の兵事係員の証言と兵事資料を通して、民衆の戦争史に光を当てるドキュメンタリー。◆富山県在住の男性は、元兵事係として徴兵資料の基礎となる在郷軍人名簿などを作り、村の人々の生と死を見つめる職務に就いていた。彼は戦後、軍の命令に反して自分の意志で自宅に８０００枚の兵事資料を保管した。この資料から、赤紙を受け取った人々の苦悩や葛藤は言うまでもなく、彼自身の悲痛な叫びが伝わってくる。

１９８１年登録。◆アメリカ・ケンタッキー州の地下２０００平方?に網目状に広がる、全長５００?を越える世界最長の石灰岩の洞窟。地上からの入口は十数カ所。１日数回、レインジャーのガイドで見物できるが、７時間もかかるコースもある。その変化の多様さと、妖しい美しさ、不可思議さは、たっぷりと映像で味わえる。まさに、地球は神秘である。◆洞窟は、かつて亜硝酸など資源の採掘場でもある。２０００年以上前には先住民が住んでいて、良好な保存庫として遺物やミイラが残されている。

テオティワカンは、紀元前後にメキシコ中央高原に興った、太陽のピラミッドを中心にする大規模な宗教都市である。そこから緑に光る黒曜石の遺跡が出ている。鉱石は近くの山で採れ、世界でもここにしか産しない。この鉱山の支配と交易権の独占が、テオティワカンの力の源泉のようで、宗教都市の上に国際商業都市の相貌がかぶる。影響は１０００ｋｍも離れたマヤやグアテマラの遺跡からも見られ、８世紀はじめ、突然の滅亡の背後には、世俗の人間的な争いがあったことを想像させる。旅人は篠原勝之。

１９８７年６月１日の放送開始以来、６０００回を超えて続く長寿ミニ番組。列車での旅を通して、美しい風景とそこに住む人々の生活を描く。◆今回は「１日目のディナー」と題して、オーストラリア・大陸横断鉄道（シドニー・アデレード・ナラボー平原）を紹介する。