２００４年３月、岐阜市で国内最大級といわれる産業廃棄物の不法投棄が明らかになった。捨てられたごみの量は推定５６万７０００立方メートル。なぜ不法投棄が後を絶たないのか、これだけの「環境犯罪」がなぜ起きたのか。事件の裏側と闇の構造を探る。◆「最終処分場が足りない」とは産廃関係者の共通認識。しかし処分場の建設は住民の反対運動も激しく、非常に難しい状況だ。安値で大量の産廃を引き取り不法投棄を繰り返してきた業者は、何でも受け入れてくれる「便利な最終処分場」だった。巨大なゴミの山が象徴するのは、産業構造に基づく長年にわたる不法投棄に目をつぶってきた行政の怠慢でもある。

１９９０年５月に始まった、鹿児島の女性たちの暮らしを応援する「ナマ・イキＶＯＩＣＥ」のスペシャル版。一般公募した女性たちが女杜氏組を結成し、２年近くをかけて芋焼酎作りに取り組んだ。芋の栽培から始めてボトルのラベルデザインまで手がけた日々をドキュメントする。

東北と新潟の「ことば」にまつわる物語に深く入り込み、その魅力を発見する知的エンターテインメント番組。毎回１つの方言をピックアップし、地元局のアナウンサーがその歴史や使われ方をレポートする。案内役はコージー冨田。東北６県と新潟県でブロックネット。（２００５年４月２日放送開始）◆「おだつ」ということばには２つの意味がある。ひとつは「ふざける、調子にのる」という意味。「おだてる」という他動詞に対しての自動詞「おだつ」が語源と考えられる。一方、もうひとつの意味は「おかわり」をすること。こちらは尊敬語の「おたちになる」が変化したものと考えられる。宮城県北部の民謡のお立ち酒は、このことばに由来があると思われる。

便利屋を営む稲葉氏と週３回の塾講師で食いつなぐ湯浅氏。ともに東大卒で３４歳の二人が、ＮＰＯを設立して新しい形のホームレス支援を始めた。路上生活者の保証人になり、アパートへの入居を支援する。その活動を追う。◆無事に入居した後も、トラブルになることは多い。二人は「自立は孤立の始まり」と言い、スタッフは手分けして安否の確認に歩き回る。活動に理解を得ようと、ホームレスの人を伴って高校や大学へ講演に出る。人と人とをつなぎあわせる、ＮＰＯの名は「もやい」。

原爆投下から６０年となる２００５年に制作されたアニメーション映画「ＮＡＧＡＳＡＫＩ・１９４５～アンゼラスの鐘」のモデル、被爆医師の秋月辰一郎さんを紹介し、平和を訴え続ける強い思いを伝える。◆爆心地から１４００メートルで被爆した秋月さんは、医師として被爆者の治療に当る一方、永年に渡り被爆者の証言の収集を行ってきた。しかし１０年前に持病の喘息の発作で倒れて意識不明となり、妻・すが子さんの献身的な看護が続けられている。彼の「核兵器を無くしたい」という強い思いは、思想を超えて被爆二世や若い世代へ受け継がれていく。

２００５年２月、避難指示が解除された三宅島。生まれ育った島に戻ったダイビングショップの経営者・川口さんの日々を追いながら、島の復興を考える。◆２０００年の噴火で全島避難となった三宅島。島に戻る悲願をかなえた川口さんは、今は復旧作業員のために自分の民宿を提供している。彼にとっての「三宅島復興」は再び美しい島の海を求めて多くの人が訪れることだ。村も５月から観光客の受け入れ開始を宣言している。

戦後６０年目の２００５年７月、ガダルカナル島ミャンマー会の一行が、ソロモン諸島ガダルカナル島で戦死した宮城県出身者の慰霊の旅に出かけた。今年４回目の、これで最後になるかもしれない慰霊の旅に、東北放送の記者が同行取材した。主な内容は、出発式（成田空港）、「平和記念公園の慰霊祭」「血染めの丘慰霊碑の慰霊祭」（ガダルカナル島）など。

野生動物の生態や人間との関わりを描いた椋鳩十の動物文学を、詩情あふれる絵にあわせて読み聞かせる番組。◆冬、クヌギ林でイノシシの親子がどんぐりを食べていた。くいしんぼうの子どもイノシシの中に、一匹だけ、お母さんの言うことをきかない、おこりんぼうのイノシシがいる。（全３回）