岐阜県を流れる長良川の恵みを６０年に渡って享受してきた川漁師・大橋さん兄弟。二人の仕事は、春の川掃除（漁場のゴミ拾い）から始まる。掃除が終わる頃、海から川にやってくるのがサツキマス。かつて長良川は毎年千匹ほどの漁獲を兄弟にもらたした。ところが河口堰の運用後、年々漁獲は減ってきている。漁に生きる大橋兄弟の一年を追いながら、変わりゆく長良川の姿を見つめる。

和歌山の山奥で一人暮らし、月に数度、日本軍の兵士として中国で体験したことを「戦争出前噺」として語る活動を２０年続けている９１歳の本多さんの日々を追いながら、現在の「戦争と平和」を考える。◆１９１４（大正３）年生まれ、１９３９年に応召、中国へ派兵され４１年に帰国。４３年に再応召、終戦後はシベリアに抑留され、４７年の８月に帰国した。「孫に軍服を着せたくない」と単純に始めた出前は、２、３回で終わるだろうという思いに反して９１歳まで続いた。学校や市民団体に呼ばれることが多いが、たった一人のために出向いたこともあり、その回数は１０００回を超える。２００５年５月、単身中国へ渡り、戦跡で自らの行いを詫びた。その姿が中国マスメディアで予想外に大きく取り上げられたことで、日本の雑誌で誹謗されたりもした。小泉総理の靖国参拝が賛否両論を引き起こす日本で、地位も名誉も財産も求めず、ただ一人の人間として語り続ける。

日本では全く無名だが、中国上海の衛星都市・常州市では最も有名な日本人・島田俊雄さん。農作物の改良、バイオトイレの開発と、現地の人々の信頼を勝ち取った。その原動力を探る。◆マレーシアで始めた水処理プラントで微生物に出会い、その研究を続けて２５年。その微生物は中国で大活躍し、土壌改良でできたカボチャは丸々と太り、不味くて傷みやすい桃は苗木から植え替えて甘くておいしい「水蜜桃」に生まれ変わる。ブランド化に成功し、農村は豊かになった。次に取り組んだ「バイオトイレ」は、ＳＡＲＳ騒動で政府関係者に知れ渡り、いまでは観光地など１００箇所以上に設置されているという。

「北島三郎最後の弟子」としてデビューした演歌の新人、北山たけし。期待の新人のキャンペーンに、彼を育てた父親が熱狂する姿を追い、地元での凱旋コンサートまでを描いた涙と笑いのドキュメント。◆いたって真面目で礼儀正しい好青年の北山さんだが、その父は身振り手振りを交えて指導する姿から「熱血カラオケ先生」と呼ばれる豪放磊落な性格。息子への教育はスパルタ式だというが、その実は地元のレコード店を一軒一軒自転車で挨拶回りした心配性で、そして北島三郎の大ファンでもある。

もとは企業法務専門のエリートだったが、独立して家事事件を扱わざるを得なくなった女性弁護士・間宮貴子。数多くの人間ドラマに接して成長を遂げた貴子が、事務所の仲間たちとともに新たな事件に向きあう。（６月２８日終了、全１１回）◆渉外も扱うようになって事務所は大繁盛。ある日やってきた内気なＯＬ・倉田麻美は、かつての交際相手を婚約不履行で訴えたいという。具体的な証拠に欠けるため悩む貴子の前に現れた相手側弁護士は、元検事・いわゆる「辞め検」の佐伯絵里だった。

前番組「ゲンセキ」で発掘された２０人１０組の若手芸人をレギュラーに据え、いずれはゴールデンタイムを飾る“１０カラット”（ＴＥＮ　ＣＡＲＡＴ）に磨き上げようというコント番組。（２００５年１０月６日～２００６年３月３０日放送）◆第１回の主なコント・コーナーは「モーニングタイトルコール」「暴走族あがり教師～福岡大好き佐田先生」「ガヤ女」「みんなのうた」「侍ＰＬＡＹＥＲＳ」「日本列島やり投げの旅」「赤裸々パーティー」。

広島に原爆が投下されて２ヵ月、焦土の風景と苦しむ被爆者が日本人の手によって撮影された。現存する未編集フィルムに写された映像と現在の場所を対比し、広島の歴史とともに風化しつつある被爆の実相を伝える。

今から５４年前、広島県初のバスガイドになった難波美智枝さんは、７２歳になっても現役のバスガイド。シーズンになると常連客からの指名が相次ぐ難波さんのバスガイド魂とその魅力、そして生涯現役を影から支えるご主人との絆に迫る。◆かつてバスガイドは若い女性の花形職業で、その定年は３０歳だった。難波さんはフリーのガイドとなり現役を続けた。人気の秘密はオリジナルのコース、下見にはご主人が車を走らせる。