福岡県朝倉町は、日本米づくり百選に選ばれた。それを支えているのが、二百年も前から伝わる三連水車と、すぐ近くの二連水車である。これで筑後川の水を田に流す。◆水車は５年でつくりかえる。妹川さんら大工が、４か月をかけ、４メートルをこえる水車をつくる。通水式は雨だったが、子供たちは大喜びで絵に描いた。妹川さんは朝晩の管理も怠らない。◆万能ネギ、川魚料理も朝倉の名物だ。藍染めの久留米絣をつくる人もいる。車が走り、農業は近代化するが、水車は回り続ける。◆堀川用水及び朝倉揚水車【史跡】、久留米絣【伝統的工芸品】

開局３５年を機会に、「うつくしま、ふくしま」県民運動に呼応して選定委員会を組織、自然との共生、自然にやさしい心を再認識するための第一弾として「うつくしま百名山」を選定した。（１９９９年５月１０日～２０００年７月２４日）◆吾妻連峰最高峰である西吾妻山は二千メートル峰とは思えない地味な山。対して西大巓は明るい展望の山であり、好対照となっている。周辺は湿原湖沼が点在して高山植物に恵まれている。

視聴者に公募した「心に残る風景」や「伝統の味や技」などを毎回取り上げ、２１世紀に残しておきたい「みやぎのとっておき」を紹介する。◆今回は気仙沼の秋刀魚の水揚げ風景を紹介する。

時代の流れとともに消えようとしている、ふるさと島根・鳥取の素顔、自然、生活、文化、伝承行事などを、映像遺産として後世に伝えるシリーズ番組。◆日本一広い池、鳥取市湖山池には江戸時代から「石がま漁」という伝統漁法が受け継がれている。魚の動きの鈍る冬の厳寒期に「石がま」と呼ぶ魚礁から寒ブナなどを「ドウカン」という木の箱に追い込んで捕える漁で、全国でも類を見ない。７時間かけて石がまから魚をつつき出す風景は一見のどかだが、寒中で行われるため実は厳しい漁。５０基近くあった石がまも、今使えるのは３基になった。（鳥取市）

東北各県の河川を辿りながら水とともに暮らす人々を訪ね、“みちのく”の命を守る水の姿をみつめるシリーズ。企画：東北民放テレビ六社会。（２０００年１月～３月放送）◆山形県のほぼ中央に位置し、古くから最上川舟運の流通の要衝として栄えた大石田町。町並みに残る白壁や河岸に再現された長い塀蔵から、当時の栄華が偲ばれる。大石田町に住む木村雄一さん。最上川のほとりで最上川とともに生き、県内でただ一人、川舟造りの伝統を守り続けている舟大工である。◆かつて最上川舟運で栄えた大石田町は、数多くの舟大工が住んだところでもあった。しかし鉄道や陸路の発達によって１９６０年代からは舟運が衰えはじめ、それにともなって川舟の受注も激減、舟大工は一般の家大工に次々と転業を余儀なくされた。そんな中、木村家だけは江戸時代から川舟造りの伝統を守り続けた。◆舟運文化の面影を今に残す川舟。そして悠久の最上川の流れとともに、代々伝えられてきた舟大工の技。この技は厳しい最上川で研かれ育まれてきた。

ハノーバー万博での日本館パビリオンは「紙の建築家」坂茂さんの設計による建築で注目を集めた。このパビリオン建築の過程を通して、紙で環境問題の未来に取り組む坂さんの夢と挑戦を追う。◆２０００年６月にドイツで開かれたハノーバー万博のテーマは「地球環境」で、日本館は画期的な建築として注目度ナンバーワンだった。

東京都台東区に住む上野さんは江戸時代から伝わる伝統を受け継ぐ江戸彫金師。宝刀や鎧、煙管に見事な彫金を施す土野さんは、現在、宝剣作りを５年掛かりで取り組んでいる。だが、それ以外に仕事がなく、完成まで報酬はもらわない主義のため無収入の生活。生活よりも仕事に対してこだわりを見せる彼の日常を追う。

視聴者に公募した「心に残る風景」や「伝統の味や技」などを毎回取り上げ、２１世紀に残しておきたい「みやぎのとっておき」を紹介する。◆第１０回は村田町にある白鳥神社の境内に蛇のように枝を張る蛇藤（じゃふじ）を紹介する。