文化的最低限度の生活とはどんな生活であろうか。東京の古い住宅街に住む多知さん一家は、運転手をしている父親、母親そして子供９人の１１人家族、住まいは４畳半１間である。カメラは一家の普段と変わらぬ１日を追いながら、豊かな物に埋もれながらも満たされぬ思いに悩まされている現代人とは全く違った、一家の活力にあふれた健康さを描く。

ＮＨＫと郵政省簡易保険局が、家庭の主婦向けに始めた美容のための健康体操。当初は月１回の放送だったが、のちに定時番組となった。指導は竹腰美代子、小池幸ほか。全国各地を巡回し、講習会を開いての公開収録では、多数の参加者を集めた。（１９５４年４月１６日～１９６５年４月３日放送）

月～土曜日の朝、１０２スタジオから生放送でおくるニュース・情報番組“ニュースショー”。最新のニュースに直結した話題を選び、ＮＨＫの全国ネットワークを活かした現場中継、各局放送記者リポート、当事者へのスタジオインタビューなど、臨場感ある多彩な構成で興味深く紹介する。（１９６５年４月５日～１９８０年４月５日放送）◆この日は「北九州市の歌謡ショー事故」「岐阜県の第２０回国民体育大会」「大阪府・献血の新しい試み」「電信・電話記念日」に関する話題をおくる。キャスターは野村泰治、大島道子。

辺境の地でひたすら沖行く船の安全を願う灯台守（海上保安官）たちとその家族を描くドラマ。昭和７年（１９３２）からの３３年間を、日本各地の灯台を舞台に、灯台職員たちの実話に基づいて綴る。（１９６５年４月６日～９月２８日放送、全２６回）◆白亜の観音崎灯台への石段を、若い夫婦が登っていく。見合い結婚したばかりの有沢四郎（大辻伺郎）と、きよ子（松本典子）である。「どんな苦労が待っていても」と二人は固く誓い合うが、その前途には様々な苦難が待っていた。

１８年半、７９４本にわたって続いた長寿紀行番組。地域に根ざして生きる人々を描いた紀行ドキュメンタリーのスタイルを確立した。（１９６３年１０月７日～１９８２年３月１０日放送）◆干満の差が大きい有明海では、昔から干拓が進められてきた。堤防とクリーク（水路）に守られた水田地帯、干潟のムツゴロウ漁、そして新産業都市・問題点と、有明海にかかわって生きる人々を見つめる。

１９６５～６６年当時の日本各地の習俗、行事、生活、技術などを記録したドキュメンタリー。（モノクロ）◆紀伊半島・太地浦は、鯨捕りの盛んなところだった。この地方の男たちは、まったく海を恐れぬ人々である。それは平地が少なく海しかない地形的なものにもよるが、海の向こうには、極楽浄土があるという熊野信仰に基づいており、その伝統は今日、海に生きる精神として受け継がれている。突き船の船首にいる羽ざしは長い柄のもりを使い、鯨めがけてこれを放つ。鯨が満身にもりを受け疲れを見せるとき、羽ざしは鯨の背にまたがって止めを刺す。今も残る沿岸漁業の鯨捕りを通して、信仰と生産が密着した姿を描く。

１９５７年開始の「日本の素顔」と１９６２年開始の「現代の記録」を統合して始まったドキュメンタリー番組。社会で起こっている出来事、状況を取材し、問題提起する。（１９６４年４月１２日～１９７１年４月２日放送）◆「乾舷」とは、船体で水上に出ている船端の部分のことをいう。高度成長期とともに建設ラッシュが首都圏に押し寄せ、その資材需要に応じるため、静岡県の大井川や富士川の砂利を運搬船の喫水ギリギリまで積み込む“カミカゼ運搬”が行われている。少しでも多く稼ごうと、無理を承知で競うように砂利を積むと言い、水に沈んだような「乾舷ゼロ」の状態で出港していく。清水港から川崎港までの、強風と高波にさらされる命がけの砂利船の航海を描く。

かわいい宇宙人ピピが宇宙漫遊の間に地球に迷い込み、ふとしたことから東京の下町にある俊彦、良子のアパートに下宿するようになって起こる愉快なＳＦ物語。アニメーションで描いた宇宙人と実写による人物などの合成を、新しい技術「輝度分離合成法」で処理した。（１９６５年４月８日～１９６６年３月３１日放送、全５２回）