２１世紀の未来を舞台に、１０万馬力のロボット少年・アトムが活躍するＳＦヒーローアニメ。ふだんは小学校に通うアトムだが、ひとたび事件が起これば敢然と悪に立ち向かう。“マンガの神様”手塚治虫の手による、国産初の３０分テレビアニメシリーズ。モノクロ作品。（１９６３年１月１日～１９６６年１２月３１日放送、全１９３回）◆アトム、ヒゲオヤジとともにアフリカ旅行を楽しんでいたウランは、ターザン役で映画にスカウトされるが、撮影の最中、何者かに誘拐されてしまう。アトムの追跡もむなしく、ウランは山中の秘境に連れ去られる。彼女をさらったのは時代の止まった地で３万年も生きてきた女王マイラだった。

こどもを中心とした家庭向けのやさしい科学解説番組。食事どきの家族の話題となるような親しみやすいテーマを選び、科学の立場から解説する。１９５７年１１月４日から１９６１年３月３０日の放送が好評で再登場となった。（１９６３年４月７日～１９７０年３月２８日放送）◆開館からまる１年経った東京科学技術館からの中継で、日進月歩を続けるあらゆる科学分野の展示品の中から、特に宇宙開発と原子力の展示を紹介する。科学技術館コンサルタント和田忠太さんの説明で、ソビエトが打ち上げたスプートニク３号の実物大模型やＪＲＲ原子炉の模型などが置かれた部屋から送る。

広大な水田単作地帯・庄内の米作りを紹介しながら、昔ながらの農村風景の中のコンバインの導入や後継者の若者達の楽団といった新しい時代の波を描く。

１９６５年（昭和４０）６月、福岡県の山野炭坑で起こったガス爆発で２３７人が死亡する事故が起こった。その死者の約半数は“組夫”と呼ばれる下請けの坑夫たちだった。彼らの立場、労働条件などを遺族の悲しみを通して追う。◆山野炭坑は１９６３年１０月に三井鉱山が閉山した後の第二会社として再発足、三井時代より生産量を上げて黒字経営を達成した。その黒字は２割の賃下げや請負給の新人採用、組夫の雇用によるものだった。山野工業の本工２０２８人中５５０人を占める組夫はボーナスも退職金もない臨時工で、いくつもの鉱山を渡り歩いて肩入れ金という現金収入を得、それを借金返済に当てているという。本工であったが体をこわして入院中にクビになり、組夫になる例もある。

上腹部に膨満感を訴える一人の老婦人が、国立がんセンターを訪れた。主治医の問診からはじまり、Ｘ線、胃カメラ、外科、病理など７人の担当医たちがさまざまな検査を重ねる。その結果、患者の胃に早期がんが発見され、手術となった。◆番組は、７人の医師たちの所見、討論、さらには手術の中継映像を織りまぜて、がんに挑む専門医たちの姿を描く。

長野県埴科郡松代町（現、長野市）は、休火山の皆神山を中心に南北１１キロ、東西６キロの地域を震源地とする群発地震に悩まされている。地震は、１９６５年（昭和４０）８月３日から発生し、回数は１日数百回から二千回を記録。身体に感じる地震だけでも日に最高２００回余りある。大きな被害にはなっていないが、不気味な揺れは続いている。松代町住民の不安、取り付けられたばかりの気象庁の歪地震計、十万倍の国際標準地震計、地元の松代地震観測所など、群発地震のさなかにある松代町をレポートし、地震予知の問題にふれる。

終戦の前後、東京から疎開して富山県の小さな町、福光町に住んだ中根さん（当時小学校４年生）は、１年間の疎開生活を毎日絵日記に書きつづけた。この絵と文章を素材として綴った異色のドキュメンタリー。町の造り酒屋に落ちついてからの、毎日の生活や、終戦を迎えてからの、世の中の動きが子供とは思えないしっかりとした絵と文で書かれていて、戦争中の庶民の生活実態を知ることができる。

徳島県穴吹町に住む大塚ミツノさん（取材当時７７歳）は、ビルマ戦線で息子を失った。大塚さんの今の日課は、息子の墓に水を供え、祈ることから始まる。生還し、息子の遺品を届けてくれた戦友に、息子が渇きに苦しんだことを聞かされたからである。老いた母の、戦争で命を奪われた息子への思いに重ねあわせて、戦後の２０年を描く。