アルゼンチンの東北端がブラジルと接するところ、南米最大のイグアスの滝を、じっくりと見る。◆大小２７５もの滝、最大落差８０メートルの「悪魔の喉笛」には言葉を失う。ただ、ごうごうと落ち続ける水としぶきに、我を忘れて見入るのみ。しかし滝の裏には、オオムジアマツバメが棲み、飛んで帰ってくると、岩盤につかまって過ごす。打ちのめす水に耐える様は、修行僧のようだ。◆滝の飛沫が森を潤し、蝶の楽園になっている。フクロウチョウの羽化も見ることができる。◆イグアス国立公園

ＪＮＮ九州沖縄７局の合同企画シリーズ。九州沖縄地方の豊かな自然や古来からの歴史、多彩な文化など、かけがえのない郷土の遺産を後世に伝える。１９９７年から２００２年まで全３５本を放送。◆熊本県南部に位置する不知火海は、八代・芦北・水俣・天草諸島によって囲まれた、面積がおよそ１２００平方キロの内海。ベテラン漁師の一人は胸を張ってこう言う。「不知火海は稚魚が育つ海」と…。事実、夏は３０度、冬は１０度と水温差が大きく、潮流は内海のため緩やか。球磨川を始めとする陸水の流入により栄養塩類の供給を受けるため、魚介類の産卵と成育の格好の場所となっている。２ヶ月から半年の間、ここで育った稚魚は東シナ海へと巣立って行く。長い棒をスコップのように使って干潟から「しゃく」を掘りだす「しゃくこね」と呼ばれる八代の伝統漁法や、「風まかせ潮まかせ」で白い帆をふくらませた帆船が網を引いていく芦北の「うたせ船」など、内海ゆえに残されてきた昔と変わらぬ光景が見られる。また天草の河浦では御輿が海を渡るお祭りも脈々と受け継がれている。母の懐のように穏やかな海・不知火海を紹介する。

千葉県佐原市。利根川水運の川港で、江戸時代からの商家の建物が多い。◆佐原で有名なもののひとつは、伊能忠敬。記念館には、１８年かけて測量した日本地図「伊能図」がある。そしてもう一つは、佐原囃子。太鼓とともに笛の響きが、とても近代的な感じがする。「佐原ばやし」という酒もつくられている。◆１０月、諏訪神社の秋の大祭。大きな武者人形を乗せた山車が、佐原囃子にうながされ、ゆっくりと街中を行く。のの字まわしも勇壮だ。夜もまた、提灯が川沿いの水に映って美しい。◆佐原市佐原【重要伝統的建造物群保存地区】、伊能忠敬旧宅【史跡】、佐原の山車行事【重要無形民俗文化財】、サッパ舟

イソギンチャクと共生する富戸のクマノミ。日本にいる６種類と、その生態を見せながら、性転換する話なども盛り込みクマノミの不思議を紹介する。

タカアシガニや、アンコウの仲間など大瀬崎の深海の生物達を紹介。しばしば浅瀬にあがってきて、話題にもなった深海生物のスクープ映像も紹介する。

北方圏の国々を訪ね、寒冷多雪地域に生きる知恵や楽しさ、北に生きる素晴らしさを伝えるシリーズ。（２０００年１０月１２日開始、全１１回）◆高齢化の問題に早くから取組んできた福祉の先進国である北欧の国々を訪ねる。スウェーデンの過疎の町ではホームヘルパーが１日４００キロも車を走らせる。福祉に地域格差があってはならないのだ。老人ホームでも、入所している認知症のお年よりの表情はとても明るい。オランダのヒートホルン村は車を村内に入れず、交通手段は船と自転車。時が止まってしまったかのような美しい村で、定年退職者が余生を送る。また、北大教授の伊福部達（とおる）さんは、声を失った人のための「人工の声帯」や、耳が遠いお年よりのための「音がゆっくり聞こえるラジオ」などの福祉機器を開発してきた。長寿時代を人間らしく生き、高齢者を支えるヒントを探る。

鎌倉の魅力を地元局の視点で紹介する。◆鎌倉山にある、料理研究家ホルトハウス房子さんのお店を紹介する。

鬼怒川の源流は、標高２０００メートル、日本一高いところにある鬼怒沼湿原である。この湿原は天上の湿原とも呼ばれ、泥炭層に溜まった水は伏流水となり、渓流となり、滝となって山を下る。人間の入り込まない湿原は、生き物の楽園でもある。