１９８５年登録。◆ここは、かつて地中海沿岸の広大な領域を支配したビザンティン帝国の首都コンスタンティノープルだったところ。１５世紀にオスマントルコに征服されて今の名になった。地中海と黒海が迫るところに位置する国際交易都市。◆メフメット二世の奇略の征服談を織り交ぜながら、ビザンティン時代には世界最大のキリスト教会だったアヤ・ソフィアや大帝国オスマントルコの政治的中枢で今は美術館となったトプカプ宮殿など、二つの文化の重層と東西文化が交錯する都のロマンを見る。

日本各地を訪れ、受け継がれる伝統工芸の技と心を紹介する。◆兵庫県の最北端、日本海に面する浜坂町に能面づくりに打ち込む西村枯刀さんの工房がある。能面の材料は十分に乾燥させた木曽檜。数十種類のノミを使い分け、様々な種類の能面を打っている。能面の製作は彫ると言わず、打つと言う。ノミの跡ひとつで表情が決まる。能面の世界は創作を許さない。室町時代に完成された古面を一分の狂いもなく写し取ることが、面打ち師の掟である。

全国に今も残る大黒柱のある家を取材し、その家族が守り続けている家訓や生活の知恵、大黒柱に対する深い思い入れなどを紹介。◆神奈川県箱根町、箱根旧街道東坂の七曲を登りつめたところにある「峠の茶屋」の大黒柱は、お客さんに囲まれて立っている。お客さんが旅の思い出にと勝手に何かを貼ってゆく。それが溜りに溜まって「蓑虫」のようになってしまう。茶屋の一日が終わると主人は、お客さんが柱に託していった手紙やメッセージを見る。

米村傳治郎さんは「理科」の実験では日本一といわれ、その奇抜な実験と授業方式はバラエティーに富み生徒を飽きさせない。「子供の頃から遊び感覚で実験をしていれば誰でも理科好きになるはず」という米村さんの理科一筋の人生を描く。◆コップにためた静電気での１００人脅し、エジソンそっくりの蓄音機作りなどを授業に取り入れ、子どもたちに理科の楽しさを伝えてきた。この春教師を辞め「実験おじさん」として各地の学校や科学館巡りを始めた。

岡山・香川の自然や、そこに暮らす人々などを紹介する。遅い春の訪れを待ち望む人たちの優しさ素朴さは見る人の心を和ませ、美しい映像はあらためて自然の大切さを教える。みどりの日の特別番組シリーズの１本。◆この回は、岡山県を東西にのびる旧出雲街道沿線、なかでも鳥取県境の新庄村を中心に取材。貴重なブナの原生林が残る毛無山など、秋から厳しい冬、さらに春にかけて移り変わっていく美しい自然、かつては後醍醐天皇や出雲の阿国が通り、今も宿場町や峠の茶屋、集落の面影を残す風景、雪深い冬に暮らす人々をゆったりと描く。

国内外のさまざまなジャンルの第一線で活躍する文化人・経済人・政治家らが自らの言葉と映像で、２１世紀へ向けた知の指針を示す。◆第１回は、建築家・安藤忠雄が今後の都市のあり方を考える対論の旅に出る。対論の相手は毛利衛、稲盛和夫、フランソワーズ・モレシャンの各氏。

奥会津の三島町は桐の産地である。晩秋から早春にかけていろいろな伝統行事が続くが、そのいずれもが生活に結び付いている。◆会津桐で有名な福島県三島町は桐の仕事が終わると冬に入る。人々は雪の暮らしの中で先祖を想い敬い、一家の無事を祈り、次に来る年の実りの多いことを願う。子供たちも自分たちの役割を行事の中で果たすことで村の一員として育っていく。皆の気持が１つになって村の暮らしが今日も続いていく。◆三島の若水汲み〔福島県〕、若木迎え、サイの神祭り、初愛宕、ひな流し

第九段から第十二段まで。主題の「石橋」になる。獅子頭を手にした弥生の踊りは全編のヤマ場である。◆手獅子を持った弥生の踊り、蝶に魂を奪われた獅子が本性を現し、弥生に乗り移っていく怖さが圧巻である。この踊りは、フランス映画「美女と野獣」制作のヒントになったといわれる。また「大薩摩」の後、獅子の登場までの「露」という囃子の間は、緊迫感がみなぎった劇的な時間である。◆「鏡獅子」中村勘九郎、遠山幸子、羽鳥友加里。◆副音声は英語