ふだんは善良な鍼医者・藤枝梅安が「生きていては世のためにならぬ者」を消す依頼を受け、秘密裏に抹殺してのける痛快時代劇。原作：池波正太郎。◆鍼医者・梅安（渡辺謙）の裏の顔は、その仕事道具のはり１本で仕掛人稼業を営む殺しのプロ。香具師の元締・音羽の半右衛門の依頼を受けて、私利私欲の限りを尽くす武士たちを次々と消していく。

日本経済新聞紙上で１９５７年３月に始まった「私の履歴書」テレビ版の新シリーズ。一時代を築いた人物が出演し、自らについて語る。（１９８８年１０月５日～１９９１年３月２６日放送、全１２７回）◆三遊亭圓楽（三遊亭円楽）：落語家。１９３２年東京生まれ。１９５４年六代目三遊亭圓生に入門、１９６２年真打昇進とともに五代目三遊亭圓楽を襲名。テレビ番組「笑点」の司会者としても活躍。

人の心の中にある恐れ、おびえ。それらが形になって現われた闇の住人、妖怪。やがてそれは幽霊などに変化する。◆日本人は世界にまれなほど多くの妖怪画を残している。仏教思想と結び付いた六道絵、百鬼夜行の図柄。各地に残る妖怪絵巻や浮世絵師によって描かれた化物たちの、怪奇にしてユーモラスな姿態・行動の数々を探る。そしてこれらを時代の変わり目や世相の混迷が投影された風俗、また人類の思想史として考える。◆【国宝】六道絵〔聖衆来迎寺〕◆【重要文化財】大江山絵詞〔逸翁美術館〕、土蜘蛛草紙〔東京国立博物館〕、百鬼夜行絵巻〔大徳寺〕、百鬼夜行絵巻〔松井文庫〕

古代中国の宇宙観から生まれた朱雀・玄武・青龍・白虎の四神思想は、中国皇帝に倣い天皇家の儀礼に取り入れられた。しかし平安時代以後、朱雀・玄武は鶴亀に、青龍・白虎は戦いや守護の神として姿を変え庶民化していく。方位を示す四神と古代日本とのかかわり、時代とともに和様化していく過程、おめでた好きの江戸庶民の間に浸透していった軌跡を追い、復元された千葉・松戸神社神幸祭の盛儀の中に四神の変ぼうを見る。◆【国宝】薬師如来像〔薬師寺〕◆【重要文化財】竹虎図〔曼殊院〕、竜虎図〔無量寺〕、難陀龍王立像〔長谷寺〕、鳳凰文甎〔南法華寺〕

新春の３日間、人間国宝をはじめとする邦楽界の第一人者による演奏や舞踊を紹介するシリーズ。第２日は、長唄と清元の演奏及び舞踊を紹紹介する。◆「蓬莱」とは、中国では古くから伝わる山の名前だが、日本では鶴亀や媼（老女）を配して音楽や美術のめでたいテーマとして用いられている。この曲では遊女を仙女に見立て、廓情緒を唄って今日でも人気の高い曲になっている。ほかに「島の千歳」、清元「神田祭」、舞踊「井筒」「賎機帯」。

農業を営む男が情熱を失い田畑の売却を考えている時に、娘が夫と渡米して農業をやるという。◆修造（田中邦衛）は５３歳、５年前に事故で長男を亡くして以来、農業を捨て、長距離運送の仕事をしようかと考えている。そんな折、娘の祐子（山口智子）が長男の友人だった和也（伊原剛志）と結婚したいといってくる。修造と妻の稲子（馬渕晴子）は反対する。実は長男は和也が運転していた車に乗り合わせていて、事故に遭い、死亡したのだった。家族の反対にも祐子たちの気持ちは変わらず、２人はアメリカに行って農業をやるという。

宇宙の果てない謎を、現代科学の最新理論と新発見をもとに解き明かす大型シリーズの第６集。ドキュメンタリー・パートに、架空の宇宙船「ヘリオス号」の冒険ドラマを組み合わせて星空への壮大な旅を描く。（１９９０年６月３０日～１１月１８日放送、全９回）◆第６集はいよいよ宇宙の果てに迫ったヘリオスの旅を通して宇宙誕生の瞬間・ビッグバンの秘密を解明しようとする研究を紹介する。大爆発・ビッグバンによる宇宙の始まりという考えが確立されるまでには多くの科学的発見があった。中でも最大のものは銀河同士が互いに遠ざかり続けているというハッブルの発見。そして宇宙の温度３度Ｋはビッグバンの余熱であると考えられている。

妻と離婚し、アメリカで自由な恋愛を楽しむ男のもとに、再婚に失敗した前の妻が子どもを連れて現れる。（１９９０年１０月１８日～１２月２０日放送、全１０回）◆第１回。アメリカ・ニューヨーク。マンハッタンで顧問弁護士をしている英輔（田村正和）は、車のディーラーとして働く朋子（篠ひろ子）とホテルで会う仲だ。英輔から妻子がいると聞いていた朋子は、車を買いに来た直人（高嶋政宏）から「英輔が独身生活を謳歌している」と聞かされ、おもしろくない。そんな中、英輔と離婚したまさ子（丘みつ子）が再婚に失敗し、３人の子どもを連れてアメリカにやって来る。