屋久島に住む詩人の山尾三省さんが、生活信条のよりどころともいえる「十便十宜図」と対面。自然と人間との関わりを再確認する。◆「十便十宜図」とは、人里離れた山での暮らしはさぞかし不便だろうという問いかけに、その暮らしがいかに便利であるかを答えた１７世紀の中国の詩をもとに、大雅と蕪村がそれぞれ１０枚の画帖に描いたもの。江戸時代半ばの作品である。◆東京に生まれ育った山尾さんは屋久島の自然にひかれて１９７６年（昭和５１）に移り住み、自然農法を学びながら屋久島の自然の中で生活している。自然と人間の営みを描いた「十便十宜図」に共感し、教えられる点も多いという。

この年有線界で最も活躍した歌手たちに与えられる「全日本有線放送大賞」の模様を伝える。◆吉幾三「酒よ」、伍代夏子「戻り川」、小林幸子「雪椿」、桂銀淑「夢おんな」、五木ひろし「港の五番町」、チョー・ヨンピル「思い出迷子２」、テレサ・テン「別れの予感」、中森明菜「Ｉ　ｍｉｓｓｅｄ　ｔｈｅ　ｓｈｏｃｋ」、坂本冬美「祝い酒」、香西かおり「雨酒場」、清水綾子「旅愁人」、水原達矢「日本海‘８８」、大和さくら「王将一代小春しぐれ」が歌われる。

四国の四万十川を舞台に、ひ弱な少年がひと夏で成長していく姿を詩情豊かに描く。◆四万十川のほとりの山あいの村。病気をして以来無気力な父（小林稔侍）に代わって母（泉ピン子）がきりもりしているよろず屋の次男・あつよし（伊崎充則）は体も弱いが気も弱い。転校してきた貧しい家の娘千代子（吉村淳）がいじめられても、あつよしはかわいそうに思いつつも止めることができず見ているだけだった。しかし姿を隠した猫をさがすのを手伝ってくれた千代子に、あつよしは淡い思いをよせるようになり、いじめられる千代子をかばう勇気をもてるようになる。

歌舞伎界の大御所・片岡仁左衛門の芸と人を１年にわたって取材したヒューマンドキュメント。◆舞台生活８３年、歌舞伎界の最高峰である片岡仁左衛門は、現在でも１年の半分は舞台をつとめている。７年前にかかった緑内障のため、目が不自由でありながら舞台では観客にそれと悟らせることがない。歌舞伎座百年記念公演などの舞台姿とともに３男５女の父親としての家庭での素顔も伝える。読売テレビ開局３０年記念、日本テレビ開局３５年記念特別番組。

自分の体の数倍もある大きなクモを毒針でしとめる狩りバチ、ベッコウバチのみごとな狩りの手並みを追う。◆日本にハチは約６千種おり、食物で分けると花粉や蜜を集める花バチと、昆虫や小動物を狩る肉食の狩りバチに分かれる。花バチの代表はミツバチ、狩りバチの代表はスズメバチであるが、どちらも巣を作り多くが群れているので社会性のハチと呼ばれる。ベッコウバチは巣を作らず、一匹で暮らすハチ。番組の主役、オオシロフベッコウバチは体長１２～１８ミリ、クモを狩ると砂地に穴を掘り、運び込んで卵をひとつ産みつける。この時のクモの大きさが、生まれてくるハチの大きさを決定する。

日本経済新聞紙上で１９５７年（昭和３２）３月に始まった「私の履歴書」のテレビ版。一時代を築いた人物が出演、自らについて語る。（１９８７年４月８日～１９８８年９月２８日、全７８回。出演者の肩書・年齢は放送当時のもの）◆第７１回は、元駐米大使の朝海浩一郎さん（８２歳）。

どこの家庭にもおこりうる家族間のもめごと、悩みごと、そして家族ならではのほのぼのとした出来事を取材。これを素材にスタジオ参加の家族が語り合う。司会は笑福亭鶴瓶。◆この回は父親と息子が「一人前と認められる条件」などについて討論する。父から見れば若い世代の新人類は頼りなく見える。息子にとって父は「うっとうしい存在」。現代っ子の息子を立派な跡継ぎにしたい寺の住職らを招き、対立と和解のケースをＶＴＲで紹介。２世代の考え方、生き方の違いを浮き彫りにする。

地価沸騰で７億円にもなってしまった東京・山の手の家に住む、娘、父、祖父の３世代それぞれの“青春”を描く。（１９８８年１月６日～３月２３日放送、全１０回）◆都庁に勤める響子（斉藤由貴）には、つきあって７年になる恋人・旬介（唐沢寿明）がいる。父・雄平（緒形拳）と祖父・今朝次（小沢栄太郎）が気にかかって結婚に踏み切れずにいたのだ。妻に先立たれた雄平にも、実は由美（高橋恵子）という恋人がいたが、響子に気兼ねして再婚せずにいる。ある日ささいなことで言い争いをした響子と雄平は、いきおいで二人同時に結婚しようと決めて式場も予約する。しかしそれぞれの相手にそれを告げてみれば、二人とも結婚を断られてしまった。